ー3月12日に発売されます「名手の奏でる感動アレンジ!ソロギター ヒットソング・コレクション」について、お聞きいたします。 
          使用したギターはナイロン弦とスティール弦両方あるのでしょうか。 
          古川忠義(以下、古川):はい、両方使っています。どちらが楽曲に合うかイメージして選びました。 
          ー今回は動画と連携されるようですが全曲動画があるのでしょうか。 
          古川:はい、全曲動画があります。演奏だけでなく指の使い方の解説や写真があります。1曲の中で3,4箇所解説がありますね。 
           ーアレンジはどのような特徴、こだわりがありますか。 
          古川:ギターのソロで一番美味しい音域、最高音は12フレットから15フレットが一番響くようなキーに落とし込んでいます。サビもよく響く、ソロとして成立するようなアレンジです。 
            アレンジするにあたり、原曲を何十回も聴いてイメージしましたね。エレキギターのソロもあったりしますが、それをどのようにすればソロギターの曲になるか、じっくり考えました。 
          ーこれまでも多くのソロギターアレンジをされていますが、今回の収録曲は初めてアレンジされたのでしょうか。 
          古川:はい、全て初めてです。スタンダードな曲はライブで弾いたこともありますが、しっかりと楽譜にしたのは初めてです。 
          ーアレンジの難易度はどのくらいでしょうか。 
          古川:人前で演奏する時に聴き応えがあるように仕上げているので、難しいアレンジもあると思います。でもしっかりとした弾き方とは別に、コードを見てかいつまんで弾くこともできます。皆様がアレンジするための元データにしてもよいと思いますね。 
          ー原曲のイメージでアレンジされているのでしょうか。 
          古川:そうですね。あくまでも原曲のイントロ、コード進行、歌に沿ったおかずのフレーズ、伴奏、エンディング等原曲そのものといってもいいです。 
            曲のこの部分がおいしい、この部分は外せない、というのがあると思いますが、そこを外さずに仕上げています。 
          ーこういうところに着目してほしいというのはありますか。 
          古川:ソロギターアレンジはギターの6本の弦では足りないところが必ずあるんです。もう1本弦があればいいなとか、ここで開放弦がほしいなどあるのですが、6本の弦で成立するアレンジにしています。ライブでリバーブを強くしなくても済むようなアレンジにしました。 
            そういう意味では演奏は難しいかもしれません。 
            あちこちを省いて簡単にできるアレンジもあるのですが、面白くなくなってしまいます。そうではなくて、ここおいしいな、というようなアレンジにどうやって持っていくのかに力を入れました。 
          ある曲は譜面を4回ほど差し替えています。キーを変えたらどうなるかなど試行錯誤しました。どうしてもニュアンスが出なくて、キーを何度も変えたんです。譜面の浄書の際にはかなりご迷惑をおかけしました(笑)。 
             
            ーこのお話を聞くだけでアレンジそのものがとても興味深くなりますね。 
          古川:楽譜上の音楽的な表現に力を入れており、ギターの先生や音楽理論に詳しい方が音楽という部分で譜面からご覧になっていただいても、納得していただけると思います。感覚で書いたのではなく、理論的にしっかり出来上がっています。 
          ハーモニーとしても、ギターだからこの音が足りないとかではなく大切なことはきちんとあり、ギターのハーモニーが和声的に出来上がった作り込みをしています。他の楽譜集にはないハーモニー感や満足度を得ていただけると思いますね。 
          クラシックの方が弾いてもきちんと成り立つようになっています。即興で弾いたものをそのままコピーしたのではなく、非常にクラシック的な作り方かもしれません。そこは自信があります。 
            クラシックギターの先生にも、自信を持ってこれを弾いてくださいと言えるくらい、専門的で理屈の通った譜面が出来上がってます。 
            専門的になれば難しいアレンジになりがちですが、アマチュアの方が弾いても楽しめるようになっています。 
            幅広い年代からの選曲ですがソロギターのアレンジが映えるものであり、「感動アレンジ」というように、もともと名曲ではありますがぐっとくるようなアレンジになっています。弾きながら酔って、楽しんでいただきたいですね。 
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