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ギタリストインタビュー〜さらさ
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ーさらさはどのようなきっかけで結成されたのでしょうか。

森川:僕もMachikoさんもそれぞれ別のヴォーカルのサポートをしていました。Machikoさんは女性のユニット、僕は男性ヴォーカルとやっていたのですが、ヴォーカル同士が仲良くなって一緒にイベントをやるようになりました。そこで初めて出会い、僕はソロでもやっていたし、Machikoさんも結婚式場などではソロでも演奏していて、同じインストをやっているのなら一緒にやってみようと、Machikoさんから声をかけられました。

Machiko:ハープだけだとしっとりとした曲ばかりになってしまうんです。伴奏とメロディを一緒に弾けて、パーカッシブなこともやっているギターなら、ハープだけとは違う音楽ができるのではないかと思い、声をかけました。

ーそれはいつ頃の話でしょう。

森川:今結成して8年目です。その1年くらい前から一緒に仕事をしたりもしていました。それでグループ名を考えて、と言われたのでいくつも考えたのですが全部ナシにされて(笑)、Machikoさんが考えた「さらさ」に決まりました。
さらさ
ー「さらさ」というのはどういった意味なのでしょうか。

Machiko:布の名前です。ハープは縦に弦が張ってあり、ギターは横に弦が張ってあって、それぞれを縦糸と横糸に見立てて、布の名前をつけたいと思って探したところ、さらさ(更紗)というのが響きがよかったので決めました。
更紗というのはいろいろな国にあって、日本でも和更紗があったり、インド更紗などもあり、木綿の生地に後から模様を染めたような布のことです。

ーさらさを結成後、どのような活動をされてきたのでしょうか。

森川:最初はそれぞれヴォーカルのサポートをしながら、さらさの活動を中心にしていきました。

Machiko:さらさの活動を中心にしてきましたが、この2年くらいそれぞれ音楽の趣味が違うものができまして、森川くんはジプシージャズの演奏もしていますね。

森川:ジプシージャズにはまってまして、マカフェリギターというジプシージャズ専門のギターも持ってますす。広島にジプシー専門のギタリストがいまして、彼に教えてもらったり集まってセッションをしたり、ソロの活動も増えてきています。

ー森川さんはフィンガーピッキングデイにも出場されていますね。

森川:はい。一昨年が最初の出場で、アコースティックギターマガジン賞をいただきました。去年が優秀賞、今年が優秀賞とオーディエンス賞をいただきました。

ーソロのインストもずっと続けていたのでしょうか。

森川:はい。専門学校に通っている時も一度だけフィンガーピッキングデイの音源審査に申し込みをしました。当時は押尾コータローさんのコピーしかしていなかったので、オリジナルを作っても押尾さんの曲に似てしまい、審査員の方からもそういったコメントがきて、ダメなんだなと思いました。 3年前にできることもいろいろ増えてきたので、もう1回曲を作って音源を送ったら予選を通りました。

ーギャロッピングの演奏がすごかったですね。特別な練習をされたのでしょうか。

森川:トミー・エマニュエル大先生の影響ですね。トミーの音楽に出会ってサムピックも使い始め、トミーがよくやるフレーズも練習して、ギャロッピングもトミーの曲で練習してきました。

ーアレンジ曲では懐かしい曲を取り上げていますね。

森川:そうですね。懐メロや昭和歌謡の曲をソロギターにアレンジして演奏します。昔の曲は格好良い曲が多く、山口百恵さんの「プレイバックPart2」や山本リンダさんのアップテンポの曲などをギャロッピング奏法でアレンジします。

ーそれらの曲がヒットした頃は知らないと思いますが、どのようにこういう曲を知ったのでしょう。

森川:中には生まれる前の曲もありますね。親の影響もあります。中学、高校の頃から親が車のオーディオで懐メロをかけていました。太田裕美さんやH2Oなどです。テレビでも懐かしい曲が流れて、そういうところからも知っていきました。

ーさらさとしての曲はどのように作られているのでしょうか。

森川:結成当初はどのような曲を作っていけばいいかもわからなかったので、ギターが伴奏してハープがメロディを弾くというように分かれていました。そのうち僕のソロギターの曲にハープがかぶさったり、ギターがメロディを弾かないところをハープが埋めるなど、そういう作り方をしたら掛け合いになって面白くなりました。曲がどんどん変わっていって、伴奏、メロディと分かれるのではなく、ギターもハープもメロディも伴奏も弾いて音が絡み合う曲を作るようにしています。

ーどちらが作曲担当など決まっているのでしょうか。

森川:どちらかが土台を作り、その合間を埋めたりしています。僕がある程度ソロギターで曲を作り、ギターが弾きにくいところをハープが弾いたり、ここをハモったりとかアレンジを一緒にやっています。

ー使用されているのはハープについてですが、小ぶりなハープを使われていますね。

Machiko:はい。アイリッシュハープです。ハープの種類としては、クラシックで使用する大きいハープはグランドハープで、ペダルが付いているペダルハープなどもあります。
一般的にアイリッシュハープと呼ばれるものは高さが1m40cnくらいで、中型になります。小さいものは膝にのせる1mくらいのものがあります。最初の頃は真ん中の大きさのものを使っていましたが、移動が大変でした。

森川:大変だったんです。ケースもなく12,3キロあるハープを抱えて駐車場から会場まで15分くらい歩いたりしていました。当時はMachikoさんの腕とか逞しかったですね(笑)。ケンカしたら僕は負けてたでしょう(笑)。

Machiko:大変だったので、小さいものに持ち替えました。音域が違ったりして大変でしたが、さらさでは小さい方をメインで使用しています。 ハープは弦の数が違ったり、同じ弦の数でも音域が違ったりします。一番大きいのが47弦で、だいたいピアノと同じ音域をカヴァーします。私が持っているもので一番小さいのは25弦です。

ー弦が多いのでチューニングが大変ですね。

森川:ギターは6本なので30秒くらいで終わりますが、ハープがチューニングを始めたらその間無音になってしまいます。僕がしゃべらないといけないのですが、MCでウケた試しがありません(笑)。

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さらさ

http://duosarasa.jp/

アコースティックギター 森川敏行
アイリッシュハープ Machiko
2008年2月結成。
アイリッシュハープの縦糸とアコースティックギターの横糸で織り上げた生地に、彩り豊かな絵を描くような音作りをコンセプトに結成。 オリジナル楽曲他、ポップスやアニメソング・映画音楽など、誰もが聴いたことのある曲を、それぞれの楽器の特性を活かしたアレンジをモットーに、演奏活動している。

プロフィールの詳細→http://duosarasa.jp/prof.html


「ちいさなしあわせ」
盛田恵&さらさ
ちいさなしあわせ

AI2S 007
発売時期:2015年5月
販売価格:2,500円(税込)

バイオリニスト・盛田恵とのコラボアルバム。
リアレンジした過去のさらさのオリジナル作品や、さらさの新曲、ゲストピアニスト・岡田ミサコとバイオリンデュオによるクラシック作品など、12トラックを収録。

1. ハイビスカス composed by Machiko
 青い海、白い雲、真っ赤なハイビスカス。
2. ちいさなしあわせ composed by Machiko
 道に咲く花、飛行機雲や虹を見た時のちょっとした幸せ。
3. もののけ姫 composed by 久石譲
 宮崎駿監督作品「もののけ姫」主題歌。
4. TRICK composed by さらさ
 技(Trick)を極める熱意。
5. スノードーム composed by さらさ
 雪が舞う、小さなガラスの中の世界。
6. オセロ composed by さらさ
 真剣勝負のオセロ。三つ巴ver.。
7. トロイメライ(夢) composed by Robert Schumann
 原曲はピアノ曲の「子供の情景」より第7曲。
 同じメロディが何度も出てくるが、楽しい夢や怖い夢など様々な表情に変化する。
8. カノン composed by Johann Pachelbel
 「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ」より第1曲。ピアノで4小節の伴奏が繰り返され(通奏低音)、3声のVnは全く同じメロディが2小節ずつずれて重ねて演奏される(カノン様式)。今回、3声全て盛田恵の演奏による多重録音で、それぞれ三者三様に弾き分けている。
9. Bellbird -ベルバード- composed by さらさ
 鈴(ベル)のようにティリリリと鳴く渡り鳥が報せを運んでくる。
10. 雨 composed by さらさ
 優しい雨、冷たい雨。その時々で感じ方の違う雨。
11. 帰り道 composed by 森川敏行
 いつか誰かと歩いた帰り道。
12. 星の町 composed by 森川敏行
 岡山県美星町の条例によって守られてきた美しい星空。
CDリスト








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