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ー田窪さんは学校では有田純弘さんに教わったということですが、有田さんはカントリー、ブルーグラスのイメージが強いです。ジャズを習われたのですか。
田窪:有田先生は僕が2年製の時に来たのですが、有田先生はバークリー音楽大学出身なのでジャズも教えられます。
僕はラルフ・タウナーのようにクラシックギターでジャズを演奏する人が好きなんです。事務の人には有田先生はアコースティックの人だと言われて、教わるようになったんですが、全然違いましたね(笑)。だからよかったというのもあります。
ー有田さんに教わってブルーグラスなどの影響は受けなかったですか。
田窪:受けましたね。ブルーグラスやジプシージャズは今でも好きです。特にジプシージャズはフレーズのところどころがアメリカのジャズよりもクラシカルでヨーロッパの感じがするんです。クラシカルなジャズが好きなので、非常に合いましたね。
ー使用しているギターについて教えてもらえますか。
永瀬:3年くらい前からメイトンを使用しています。トップにトミー・エマニュエルとアルバート・リーのサインがあります(笑)。アルバート・リーはすごく影響を受けましたね。
フレットが1年ですり減ってしまったので、ステンレスで高さのあるフレット交換しました。フレットを交換して音の立ち上がりがよくなりましたね。サスティーンも伸びた気がします。他は特にいじってなく、ピックアップシステムが良いのでライブで使い易いですね。他にはギブソンLG-O、モーリスS-91、ヤマハのナイロン弦を使用しています。
田窪:僕はレコーディング用では小林一三さん製作のクラシックギターを使っています。ライブでは使わないですね。ディアンジェリコのフルアコースティックギターを製作されている方で、工房が僕の実家の近所なんです(笑)。ちなみに中学の同級生にはクラシックギターの製作家の松井邦義さんの娘がいました(笑)。この松井さんの弟弟子が小林一三さんという縁もあります。あと、このギターはオーダーしたモデルで、ラベルには僕の名前が入っています。
ースタンダードなクラシックギターでしょうか。
田窪:そうですね。僕はネックの太さなど普通のクラシックギターが好きなんです。材質はトップがジャーマンスプルース、サイドバックがマダガスカルローズウッドです。材質についてはいろいろと教えてもらい、選定の段階から僕が選ばせていただきました。TOKYOハンドクラフトギターフェスティバルに出展するタイミングで作ったのですが、僕が選ばなかった方が展示されました(笑)。
ー最近はクラシックギターでもマダガスカルローズウッドを使うんですね。
田窪:最初はスタンダードなインディアンローズウッドでいいと思ってたのですが、たまたま修理に持ち込まれていたマダガスカルローズウッドのギターがあって、それと比べたら全然違ったんです。こんなに変わるのであれば、マダガスカルローズウッドの方がよいと思いました。ペグもボタンを特別にエボニーにしてもらっています。
ギターを作ってる人と直接お話ができるというのはいいと思いました。顔が見えて自分がわからないようなことを教えてくれます。
ー口輪が通常のクラシックギターとは異なり、貝を使っていますね。
田窪:はい。黒蝶貝を使っています。小林さんのギターはこの口輪が二重か三重になってるのですが、僕は極力シンプルにしたいと思い、何も無くてもいいと言ったんです。でもこのデザインには意味があって、センターでブックマッチするのでこの口輪が無いとセンターで割れやすくなるということです。なので口輪はつけることにして黒一色がいいと言ったのですが、地味すぎると言われて黒蝶貝にしました。ブリッジにも黒蝶貝が入ってます。このブリッジの黒蝶貝にも意味があるらしく、ここは弦を結ぶので割れやすいのですが、貝を埋め込むことで割れにくくなるそうです。今はスーパーチップを使ってるので関係なくなってしまいましたが(笑)。
ースーパーチップはどのような効果があるのでしょうか。
田窪:テンションを強くすることができます。テンションが強いと音が大きくなります。ブリッジも傷つきにくいし、振動をダイレクトに伝えるのでよりサスティーンも伸びます。
ライブでは大学の時に買ったアントニオ・サンチェスを使用しています。人生で一番たくさん弾いてるギターですね。ピックアップはフィッシュマンのMatrixと貼り付けのマッキンタイアをステレオで出しています。マッキンタイアはブリッジ下につける古いタイプのものですが、今のより音がいい気がしますね。
鉄弦はマーティンOM-18を使っています。マホガニーのカラっとした音が好きですね。
今はOO-18が欲しいと思ってるんです。以前有田先生からプリウォーのマーティンD-28を1ヶ月くらい借りてたんです。それまでヴィンテージには興味がなかったのですが、全然違うんですね。枯れた音というのはこういうものなんだということを初めて知り、ヴィンテージはいいなと思いました。ヴィンテージは高いので(笑)こだわらず、現行品でもいいOO-18が欲しいですね。
永瀬:田窪さんはギターにすごくこだわりますが、僕は全然違ってバンバン叩きますし、雑なんです(笑)。
田窪:僕は叩くのが嫌なんですよ(笑)。
永瀬:材質とかにもこだわらないですね。
ーギタリストは両極端に分かれるようですね。今後のライブの予定などはありますか。
田窪:2月25日に吉祥寺のMANDA-LA2(http://www.mandala.gr.jp/man2.html)、3月9日に三軒茶屋のグレープフルーツムーン(http://www.grapefruit-moon.com/)、4月14日に埼玉南浦和の宮内家(http://www.geocities.jp/miyatin5963/)であります。(文末に詳細を記載しています)
ー今後の活動、音楽作りでやってみようとか考えていることはありますか。
永瀬:個人的には実験場のようになってるのですが、誰もやってないようなことを試してみようと思います。音楽性もどんどん変わっていくかもしれません。
田窪:僕も同じですね。みんながやってることを焼き増ししても面白くないので、自分たち独自のものを追求したいです。
ー最後にギターファンにメッセージをお願いします。
永瀬:今フィンガーピッカー全盛ですが、ピックを使ったデュオは少ないですし、違う場所から攻めていきますので、ぜひCDを聴いてみてください。
田窪:いろいろな音楽を聴いてみてほしいですね。これしか聴かない、これしか弾かないという人が多いので、幅広くいろいろなことをしたら面白いと思います。ソロだけではなく、何人かで一緒にやった方ができることも広がります。なので、CDを聴いてください(笑)。
【2016年1月31日神奈川県川崎市ソウリーヴ・ミュージック・スクールにて】
ナガタク ライブ情報
2/25
(木)東京・吉祥寺「MANDA-LA2」
出演:松浦湊(vo.g)、ナガタク 永瀬晋(vo.g) 田窪一盛(g)、又吉康人(vo.g)
Open18:30 Start19:30
料金2,200円+1ドリンク
お問い合わせMANDA-LA2(http://www.mandala.gr.jp/man2.html)
3/9(水)東京・三軒茶屋「
グレープフルーツムーン」
出演「piano trio chou-chou 、Hitomi(vibraphone)×Unistyle(vo) 、ナガタク 、 Izumi×Kanae×Kubo
Open18:30 Start19:00
前売2,500円当日3,000円(ドリンク別)
お問い合わせ グレープフルーツムーン(http://www.grapefruit-moon.com/)
4/14(木)埼玉・南浦和「宮内家」
出演:ナガタク、青山ゆうみ
Open18:00 Start19:30
料金540円
お問い合わせ 宮内家(http://www.geocities.jp/miyatin5963/)
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「Head and Heart」
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販売価格:2,160円(税込)
レーベル: sign-pole records
1. Noctilucent clouds
2. Change
3. Seeds
4. Distance
5. 新月
6. Red
7. なみだ
8. Day dream
9. 緑の風景
10. ハチ公前
Amazonで購入
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「ナガタク 」
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1. 多摩川のブギー
2. Cloudy
3. 白く光る空
4. From J
5. Time In Silence
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