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ギタリストインタビュー〜Yuta Tanaka
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ーオースラリアを選んだ理由は何でしょうか。

Yuta:ビザも取りやすかったし、イギリスの雰囲気もあるのかと思いました(笑)。実際はそうでもなかったですね。

ーオーストラリアのバスキングは音楽だけでなくいろいろな芸で生活している人がいると聞いています。音楽ではどのような人たちがいるのでしょうか。

Yuta:フィンガースタイルもいるし、ポップに歌う人もいます。日本人でアボリジニ(オーストラリアの先住民)のディジュリドゥ(金管楽器)を吹いている人もいましたね。オーストラリアには1年いましたが、この頃はバスキングだけで生活ができていました。ここから音楽で生活していくことに対して、より真剣になりました。

ーオーストラリアではバスキングだけでライブハウス等での演奏はあったのでしょうか。

Yuta:ほとんどないですね。シドニーなどではバスキングは盛んですが、音楽に向いてる街かというとそういう訳ではありません。昔は生演奏をしていたバブなどあったようですが、今はカラオケなどになっています。ピーターもライブをする場所がないと言ってましたね。メルボルンなどは少し違うかもしれません。

ーバスキングの良さというのはどういったところでしょうか。

Yuta:人と出会えることですね。何も知らない人が止まって聴いてくれるというのはうれしいです。もしかしたらこの人の何かを変えるきっかけになるのかもしれない。
海外ではチップの文化があるので、大して聴いてなくてもチップを入れてくれます。演奏を気に入ってくれたら話しかけてもくれます。他に誰も止まってなくても、一人で聴いて話しかけてくる人もいます。
日本では話しかけられないケースが結構あります。すごく遠くに立って聴いてることもあります。誰かが止まると、集まってくるということもよくあります。

ー日本人はシャイなようですね(笑)。

Yuta:人が集まってきて、誰かが帰るとみんな帰ってしまうこともあります(笑)。一人がCDを買ってくれたりすると、他の人も買ってくれたりします。日本ではCDも売れなくなってきてるし、関心も低くなってきている気がします。
日本ではバスキングがやりにくく、アンプとギターを持って準備をしていただけで通報されることもあります。

ー日本での路上演奏の取り締まりは警察が積極的に行っているというよりは、通報されて警察が来るようですね。

Yuta:そうですね。何で通報するんでしょう。日本では多いですね。警察がうるさいということではないんです。

ー日本では基本的に路上演奏が禁止されているので、見る側が慣れていないという気もします。

Yuta:そうですね。やる側もマナーが悪い人が多いです。後から来て、近くで大音量でやる人もいます。通常は一声かけるんですけどね。

ー聴く方も演奏する方も経験を積めないのでなかなか成熟しないようですね。少し前はゆずやコブクロのように路上からメジャーなミュージシャンになった人がいるのに、規制してしまうのはもったいないですね。

Yuta:そうですね。それほど大音量でもないですし。
今マレーシアではバスキングを盛り上げようというムーブメントがあるんです。マレーシアには1年半くらい住んでいて、その後ドイツに1年くらいいました。また今年の2月にマレーシアに行ったのですが、結構進化してるんです。音楽そのものや、ショッピングモールのようなところなどバスキングをする場所も増えていました。面白いですね。クアラルンプールでは地下鉄も作っていて、これからもどんどん進化して面白くなりそうです。街のエネルギーがすごくて活気があります。

ー日本の高度成長期のようなのかもしれないですね。

Yuta:そうですね。日本でも昔は頑張れば登っていける要素があったと思いますが、今はそういうのを感じられません。

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Yuta Tanaka http://yutatanaka.strikingly.com

1987年生まれ。
16才でアコースティックギターを始める。
2010年フィンガーピッキングデイ出場。
2011年オーストラリアで1年間バスキングを続ける。
2013年フィンガーピッキングデイ出場。
2013〜2014年マレーシアで活動。
2014〜2015年ドイツで活動。
2016年フィンガーピッキングデイにてオーディエンス賞獲得。










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