矢後憲太&まるやまたつや「ギターだらけ。」ツアー2014 ライブレビュー
2014年10月25日
会場:東京・江戸川橋「Green Amy Cafe」
矢後憲太24才、まるやまたつや21才、若い二人のデュオライブが東京、江戸川橋Green Amy Cafeで行われた。
今年ファーストアルバムをリリースしてギタリストとしての活動が本格化してきた矢後憲太と、まだ大学生ではあるがフィンガーピッキングデイではオーディエンス賞を獲得したまるやまたつや。
若いがステージングは慣れたもので、ソロもデュオも充実した内容でであった。
1部はまるやまたつやのソロでスタート。オリジナル曲のフラストレーションから新曲のChroma、カヴァーでは電気グルーヴの「シャングリラ」、YMOの「ライディーン」へと続く。カヴァーの2曲はソロギターではあまり取り上げられない、テンポのある曲だが、見事に限局の良さを生かしたアレンジとなっていた。
ソロギタースタイルではあるが、ルーパーを駆使し、音使いやアレンジの構成が独特である。バンドサウンドが好きということなのでそのせいもあるのかもしれないが、ソロという概念にしばられない発想は音楽に奥行きを与え、楽曲としての充実感を高めている。
1部の最後はまるやまたつやの「夜」と「braveless」をデュオで演奏。北海道ツアーでも演奏してきた曲ということで、とても息のあった演奏で、特に「braveless」のノリの良さは素晴らしいものであった。
2部や矢後憲太のソロでスタート。今回はサンライズのピックアップを外し、ブリッジ下のピエゾピックアップとコンタクトピックアップを使用。音の太さとはっきりとした輪郭が出ていたようだ。
オリジナルの「Evergreen」「にびいろの風」の後は「Amazing Grace」「A Whole New World」のアレンジ曲が続いた。オリジナル曲も美しいメロディをテクニカルな演奏で魅力的に仕上っているが、アレンジもかなり個性的である。特にカヴァー曲の定番である「Amazing Grace」は数多くのギタリストに演奏されているが、これほど大胆に音数を増やして迫力を増したアレンジはないだろう。それでいて原曲のメロディアスでしっとりとした雰囲気も残している。ただソロギターアレンジするのではなく、どれだけ個性的に、自分のオリジナリティを出す事に力を入れているのだろう。
ソロの後は、1部に続きデュオ。今度は矢後憲太の楽曲である「君と僕の物語」「85の夏」。どちらもさわやかでテンポのよい曲である。アンコールではアース・ウィンド・アンド・ファイアの「September」。ファンキーな楽曲のデュオアレンジで、大盛り上がりのうち、ライブは終了した。
若い二人は数ヶ月でも大きく進化している。二人とも常に思考錯誤し、様々なことを実行しているためであろう。今後の成長がますます楽しみに思えるライブであった。
セットリスト
1部(まるやまたつや)
1.フラストレーション
2.Chroma
3.シャングリラ(電気グルーヴ)
4.ライディーン(Y.M.O)
5.都会
6.MODEL
7.夜(デュオ)
8.braveless(デュオ)
2部
(矢後憲太)
9.Evergreen
10.にびいろの風
11.Amazing Grace
12.A Whole New World
13.新曲
14.風薫る季節
15.君と僕の物語(デュオ)
16.85の夏(デュオ)
アンコール
September(Earth,Wind & Fire)(デュオ)
【2014/11/7】
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