CDレビュー〜「スプリングサインズ incl.スプリングアナライズ」小川倫生

　小川倫生セカンドアルバム「スプリングサインズ」がデモ音源など未発表曲を合わせて、2枚組のアルバムとして再販された。
　セカンドアルバムとしては2001年に発表されたものである。ファーストアルバム「太陽と羅針盤」で見事な音楽センスを披露しその第二弾であるが、 本作はバイオリンが参加するなど、ギターだけで完結させない自由さは当時から見て取れる。

　1曲目の 「April Collector」はとても春らしい、アルバムタイトル通りの楽曲でとてもさわやかだ。といっても、全曲さわやかな楽曲という訳ではなく、とても様々な表情をしている。 とても軽快な「Bob's Popo」、アイリッシュな雰囲気を感じる「Maggie's Kitchen Garden」、哀愁漂う「「Astral Twins」など、曲調は様々だ。

　 「スプリングアナライズ 」は比較的時間が短めの曲が多く、全15曲ある。デモ音源などもあるため、曲調や音色などが大きく異なっているのがわかる。「曇りのち雨」などは確かにいろいろな実験をしているようにも感じし、「夜明けのバイオスフィア part.1、part.2」はインプロビゼーション的だ。 「Lomo」の前半はエレキギターなのだろうか、ディストーションサウンドで構成されている。デモ音源とはいえそれぞれきちんとした1曲になっており、曲数があるため、聴きごたえはかなりある。

　「スプリングサインズ」でも十分聴かせてもらえるが、 「スプリングアナライズ 」はギターを使用していない曲もあるなど、アーティスト小川倫生の通常のアルバムでは見えない側面を見ることができてとても面白い。これが1枚のアルバムの価格で販売されていることを考えると、それだけでもお得です。



小川倫生オフィシャルサイト


発売時期：2016年6月17日
レーベル：Greenwind Records
販売価格：2,500円+tax


Spring Signs (disc 1)

1.April Collector
2.Miss Eliza Green
3.Magnolia
4.Bob's Popo
5.Maggie's Kitchen Garden
6.Almost Summer
7.Two Years Or Three-The Gardener
8.Windy Afternoon
9.The Major Flower Pot
10.Dazzling Blue
11.Starry
12.Astral Twins
13.Spring Loops

Spring Analyze (disc 2)

1.冬の終わり
2.Spring Fever
3.Slighting Song
4.High Exposure
5.Resilience of Season
6.曇りのち雨
7.夜明けのバイオスフィア part.1
8.Star Terrace
9.Nectarine Sweet
10.April Collector (Bright Moment Mix)
11.夜明けのバイオスフィア part.2
12.Lomo
13.Gradiva
14.潜水艦の影
15.Spring Lines

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【2016/8/9】