CDレビュー〜「ゆく」田部井泰和
2016年9月にギタリスト田部井泰和のファーストソロアルバム「ゆく」がリリースされた。ナイロン弦のギターでテクニカルな演奏をするが、ルーツがデスメタルということもあり、従来のソロギターとはかなり傾向が違うだろう。
1曲目の「夜更けドリップ夜明け」は静かにナイロン弦らしいやさしい音色で始まるが、力強さも感じられる。3曲目
「濡れ手に闇」は高速のアルペジオで軽快なリズムを生み出している。タイトル曲「ゆく」は速いパッセージで緊張感を生み、高い演奏能力を独特な音楽性を感じさせる。「刻もう」はルーツのデスメタルの音楽感を存分に味わえる迫力ある1曲。唯一のカヴァー曲であるチャップリンの「Smile」はナイロン弦の音色を生かした美しいアレンジ。「その中でこの中で」はギターのみのバージョンとボーナストラックとして他の楽器も交えて雰囲気を変えたヴァージョンが収録されている。
1枚のアルバムで多用な楽曲が収録されており、田部井泰和の幅広い音楽性と高い演奏能力がよくわかる。「ねこカフェ」(http://nekocafefluteguitar.wixsite.com/home)という兄妹のデュオでの活動も行っており、これからの活動も楽しみだ。
田部井泰和 オフィシャルサイト
発売時期:2016年9月
販売価格:2,484円(税込)
1. 夜更けドリップ夜明け
2. STEPS!
3. 濡れ手に闇
4. 物思い探訪
5. ゆく
6. その中でこの中で
7. その先だ!~あやまれ(ろう)Grace~
8. 刻もう
9. 届け~念力バカ頭で
10. Smile(カヴァー)
11. 変革のマンデリン
12. その中でこの中で(ボーナストラック)
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【2017/2/5】
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