イベントレビュー〜埼玉浦和ギターカーニヴァル2017
※写真はクリックすると大きくなります。 撮影:畔柳 ユキ |
5月14日埼玉県浦和市埼玉会館で「埼玉浦和ギターカーニヴァル2017」が開催された。
ギタリスト垂石雅俊氏が主宰する音楽教室ギターレ&エアストが中心に企画され、コンサートやギターセミナー、300人によるギターセッションなど、他にない取り組みが行われた。
|
|
|
|
ギターセミナー
キム・ヨンテ |
ギターセミナー
南澤大介 |
ギターセミナー
野辺シゲカズ |
300人でギターオーケストラ
窪田晴男、和泉敏志 |
ここではコンサートの状況をお届けしたい。
出演者はカントリーブルースの達人打田十紀夫、クラシックギタリスト木村大&ピアニスト榊原大、フィンラドのテクニカルなギタリスト、ペッテリ・サリオラ、ギタリスト山口洋&矢井田瞳。
それぞれのジャンルで高い人気を誇り、普段交わらないような4組によるコンサートだった。
トップで演奏した打田十紀夫は戦前のカントリーブルースを学び、それを広めるとともに多くのオリジナル曲を作っている。この日はオリジナル曲や、最新アルバム「どこかで春が」から、「海」「春が来た」をリゾネイターギターでボトルネックを使ったスライドでの演奏。日本の童謡にブルーステイストを加えた独特なアレンジはさすがでした。
打田十紀夫
次はクラシックギタリスト木村大とピアニスト榊原大の「大・大」コンビ。木村大はクラシックギタリストではあるが、クラシック以外の音楽にも精通しており、オリジナル曲やスティングの「Shape Of My Heart」を披露。後半はビバルディの「夏」とチック・コリアの「スペイン」。ギターもピアノも凄まじいスピード感でとてもスリリング。クラシックギターでこれほどのグルーブを生み出せるギタリストはそういないだろう。
木村大&榊原大
3番手はペッテリ・サリオラ。スラム奏法など多彩な奏法で独特な音楽を作り出すギタリスト。リズミカルな楽曲が中心で、自分がどのような音楽を経験してきたかを実演しながら自己紹介するのはユニーク。ステージ上を常に動き回り、客席にも降りてくるなど、エンターテイメント性が満載。そんな中「もののけ姫」はしっとりととても美しい音色であり、最後の「Prime」の卓越したリズム感、グルーブ感は迫力満点。世界のトップギタリストであることを体感させてくれた。
ペッテリ・サリオラ
最後は様々なジャンルで活躍するギタリスト山口洋と矢井田瞳。二人ともギターを持ち、歌は矢井田瞳が中心に歌い、山口洋がコーラスを入れたりする。個性豊かな歌声と高い演奏能力のギターがかみ合い、ポップで明るい世界が広がる。山口洋のギターは様々なエフェクトを使用し、ギターだけでもとても厚みのある音楽を作り出していた。
山口洋&矢井田瞳
スタイルが全く異なる4組の演奏は、ギターという楽器の様々な可能性を見せてくれた。ギターの種類だけでもスティール弦、ナイロン弦、リゾネイターギターとあり、ブルース、クラシック、ポップス等とても広い音楽を表現していた。
また、一組30分くらいの演奏であり、そのミュージシャンだけのファンだと物足りないと予想していた観客もいると思うが、各出演者はこの30分で自分の全てを出すくらいの濃密な演奏だっため、全て充実感があり、数倍の時間のコンサートを聴いていた気分でもあった。
満員の会場は大盛り上がりで今回が初めての開催であるイベントだったが、今後も続いていくことを楽しみにしています。
【2017/6/3】
|