ー札幌のソロギターの人気はどうですか。
まるやま:アコギサークルがあって、ソロギターをやってる人は結構多いと感じますが、若い人にはあまり浸透してはいない気がします。札幌市が音楽に力を入れていて、山木将平さんは札幌シティジャズで優勝したりしてます。僕も札幌市の仕事もしてましたし、受け入れられてる感があり、やりやすかったです。
ー北海道ではソロギターのライブなどは多いですか。
まるやま:いろいろなギタリストが来ていた印象があります。学生の時にはよくオープニングアクトをやらせていただきました。北海道在住で演奏活動をしている人は少ないですが、演奏を楽しんでる人は多いと思います。
僕より若い世代は少ないですね。ただ、室蘭で押尾さんのコピーが評判の中学生のKAIくんがサウンドメッセで演奏したりと活躍してるので期待したいです。
ー北海道は多くのギタリストがツアーをしていますね。
まるやま:そうですね。僕も矢後憲太さんと2年ツアーを行いましたが、やはり移動は大変ですね。意外と地方はお客様が多いんです。娯楽があまりないので、ソロギターをよく知らなくても来てくれることが多いです。
ー大学を卒業して東京に出て来ましたね。
まるやま:はい。東京に出てから2年半くらいデザインの会社で働き、現在はフリーで活動しています。
ー現在もギタリストの活動以外の仕事もされているのですね。
まるやま:主に紙媒体のグラフィックデザインの仕事をしています。音楽とデザインの仕事をいいバランスでやりたくて、フリーで一人でやってます。会社で働いているとどうしてもそちらの割合が大きくなってしまいます。
ーデザインは大学で学んだのでしょうか。
まるやま:はい。デザインの学部でした。大学では広く浅く学ぶという感じでした。コンテンツデザインコースだったのですが、今やっていることに近いことを学びましたね。
ー学生時代ギターにも力をいれていましたが、デザインを主たる仕事にしたいと考えていたのでしょうか。
まるやま:デザインに興味はありませんでした(笑)。高校生の頃何がやりたいとか迷走していて、最初は理系がよいと思ってたのですが、3年生の時に数学が全然ダメで挫折して、響きが格好いいからデザインにしてみようかと(笑)。軽いノリでしたね。滑り止めで受けた大学が理系だったのですが落ちてしまい、デザインの大学が受かったので進学しました。
いざデザインをやってみたら自分に合っていました。音楽とデザインは密接に関わっています。デザインはビジュアルをどうこうする分野と思われそうですが、実はものすごく分野が広いんです。デザインは全ての分野に関わってきて、とても奥深いと感じました。
ーデザインは作曲をすることと工程が似ているのかなとも感じます。
まるやま:そうですね。アートとデザインの話になってきますが、音楽はどちらかといえばアートに近い感覚で作ってます。
ーギタリストでもサポートなどの職人的なタイプと、アーティスティックに表現するタイプに大きく分かれると思います。まるやまさんは表現者としてのギタリストのように感じます。
まるやま:はい。そちらに振り切ってます。サポートなどより、自分が作りたいものを作るというのが一番で、表現することを重視してます。
ーファーストアルバムはいつ頃リリースしましたか。
まるやま:21才の時なので、2014年ですね。デモアルバムはありましたが、1stアルバム の「コラージュ」をリリースしました。
ー2019年6月にニューアルバム「NEW HOME」をリリースされましたね。このアルバムはどのようなコンセプトなのでしょうか。
まるやま:「家」というコンセプトがあります。「家」にはいろいろな意味合いがあって、まずは家で聴いてもらいたいです。イヤホンではなく、スピーカーで、掃除などをしながら聴くのにちょうどよい音楽という感じです。
ソロギターだけのアルバムは今回が初めてなんです。今までは多重録音などでした。自分のルーツはソロギターなので、ルーツに戻った、家に帰ってきたという気持ちもあります。自分の音楽はほぼ100%家で作っているものなので、家感を出したいと思いました。
ー収録曲は以前のアルバムに収録された曲もありますね。
まるやま:ここ2,3年で作った曲がほとんどですが、「SUZUKAZE」は高校生の時に作った曲です。最後の「GRADATION」は21歳の時に作った「コラージュ」に収録されています。この2曲が昔に作った曲ですね。
SOUND TRACKというアルバムに収録した曲をソロギターでセルフアレンジした曲もあります。
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