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ギタリストインタビュー〜山本哲也
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山本哲也ー今は小松大さんとのデュオとソロ活動の他にも何かやってますか。

山本:その二つですね。アイリッシュはいろいろなミュージシャンがいろいろな組み合わせでやるのが普通で、小松さんもいろいろなセッションをやっています。僕が異質でしょう(笑)。自分のやりたい音楽がはっきりしすぎてるんですね。
ソロだけでもよくないので、メロディメーカーと一緒にやることによりソロも新鮮になるし、ソロをやることによりそのアプローチがデュオに還元できます。
最近はギタリストと一緒にやることが増えてきました。伊藤賢一さんや、ハンマーダルシマーの小松崎健さんですね。小松崎さんは元々アイリッシュミュージックをやっていました。
伊藤さんとは、僕らのデュオと、伊藤さんのデュオIndigo Noteと共演した時に気に入ってくれました。メッセージが伝わったんですね。
ラグタイムギターの浜田隆史さんとも共演しました。浜田さんの話を聞くと、音楽的なスタンスが似ていると感じました。ルールや情報がなくて、自分がどうしたらよいか常に考えています。浜田さんや伊藤さんは音楽をよく聴きますが、僕もそうなんです。そういうミュージシャンとつながってる気がするし、すごく共感できます。
竹内いちろさんとは久しぶりにお会いしました。以前いちろさんがギター講師の時に現場が一緒でした。僕がエレキギターの講師を始めた頃です。その二日間たくさん喋ってすごく刺激的でしたね。エレキギターをやっていましたが、アコギに変えたいと思ってた時期ということもあり、いちろさんにギャロッピングを教わりました。

ー音楽活動の中心はライブでしょうか。

山本:ライブが中心ですね。アルバムも活動を始めてから全然作らず、割と最近です。2016年にデュオの1枚目を出してから、ソロを含めて4年で5タイトルリリースしています。
小松さんとのデュオは2015年から始めています。デュオを始めてすぐ作ってます。その前にソロのデモCDの販売もしていました。

ー使用しているギターについて教えていただけますか。

山本:今のメインはHUSS&DALTONです。元々はバンジョーを作っていたアメリカの製作家のギターです。その前はマーティンOM-28V Customを使っていました。マーティンはすごく良いのですが、もう少しここをああしたい、こうしたいというのがあり、ヴィンテージマーティンを探してたんです。その時にHUSS&DALTONに出会い、お店の方にもこっちの方が演奏ノッてますね、とも言われました。2,3年前ですね。

ーどのようなピックアップシステムを使っていますか。

山本:以前はL.R Baggsなどピエゾを使ってましたが今は生音で演奏する機会が増えたので所有しているギターにはほとんどマイクはついてません。HUSS&DALTONはシャッテンというかなだのパッシブの貼りマイクのみです。基本的には普通のマイクでやることが増えています。ギタリスト杉浦光政さんに教えてもらったのは、サウンドホールに取り付けられるコンタクトマイクですが、ダイナミックマイクなんです。ギターのプリアンプが使えるんですね。音量が必要な時はこれを使います。

ー他に機材は使ってますか。

山本:今はほとんど使ってないですね。プリアンプはGRACE DESIGNのBiXを使ってます。以前はリバーブなどは使ってましたね。僕は機材は好きで、今はアコギにファズが使えるんじゃないかと思ってます。普通ありえないじゃないですか。テープエコーの名機ECHOPLEXみたいなプリアンプがよくて、歪ませるのではなく、セッティングを詰めるとプリアンプのように音抜けが非常によくなるんです。そういった実験をしてますね。ファズやブースターなどをつないでレベルを上げる時のプリアンプ感が今気になってます。アコースティックギタリストの足元にファズがあったら面白いじゃないですか(笑)。

ー今後の活動予定はいかがしょうか。

山本:今は厳しい状況が続いてますが、やはりライブをもっとやりたいですね。回数を増やすというよりは、いろいろな土地に行きたいです。

ー最後にギターファンにメッセージをお願いします。

山本;好きなものを見つけるのがいいですね。何でも弾きたい、というよりもこれは好きなので弾けるけれども、これは弾けないとかでいいと思います。自分自身の音楽につながる何かを見つけられるといいですね。

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山本哲也 https://www.tetsuya-yamamoto.com

愛知県瀬戸市在住のギタリスト。
幼少の頃からエレキギターを手にし、一時はハードロック・ブルース・ジャズフュージョンに親しむ。2000年頃よりケルト・アイリッシュのギタースタイルに傾倒。
軽快なダンス曲、繊細なエアー(バラード)など独自のスタイルで魅了するやわらかで深みを湛えた美しい音色は近年、日本各地のリスナーのみならず自身の尊敬する海外ギタリスト「アル・ペタウェイ」「イェンズ・コムニック」両氏にも高く評価されている。
2016年9月、Fiddle,Viola奏者 小松大とのDUO、Dai Komatsu & Tetsuya Yamamotoとして1st Album「Years」発表。
2017年7月、全編アコースティックギター一本でIrish,Scottishの曲を収録した1st Solo Album「Inquiring」発表。
2018年9月、Fiddle,Viola奏者 小松大とのDUO、Dai Komatsu & Tetsuya Yamamotoとして2nd Album「Shadows and Silhouettes」発表。
2019年1月、2nd Solo Album 「Shepherd’s Delight」発表。
2020年4月、3rd Solo Album 「INTO THE WORLD」発表。
INTO THE WORLD
INTO THE WORLD

発売日:2020年4月
販売価格:2,500円(税込)

01.Carolan's Cup(Turlough O'Carolan)
02.Paddy Fahey's/The Cliffs Of Moher(Trad)
03.Craggy Pinnacle(Al Petteway)
04.Inner Medium(Kenichi Ito)
05.Out On The Ocean/The Queen Of The Rushes(Trad)
06.Matt People's(Trad)
07.Miss Rowan Davies(Phil Cunningham)
08.Farewell To Whiskey /Bill Malley's Barndance(Trad)
09.Itadori(Takashi Hamada)
10.Carolan's Concerto(Turlough O'Carolan)
11.The Coming Of Spring(Jens Kommnick)-Revisited-
12.Katie Dwyer(Trad)-Epilogue-

販売サイト https://www.tetsuya-yamamoto.com/shop/








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