Acoustic Guitar World
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ギタリストインタビュー〜okapi
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フルオーケストラで流れてくるものが多く、それをどうやって6本の弦に落とし込むか、というのが一番難しいですね

ー大学卒業後はどのような活動をしていたのでしょうか。

okapi:大学を卒業後は就職をしました。ギターでプロになるということは当時夢にも思ってませんでしたね。でも卒業直前に後輩から、「okapiさんは自分の力を過小評価しすぎていると思います」と言われ、単純だった僕は、「じゃあやってみよう!」と思ったのですが、卒業直前だし内定ももらっていたので、とりあえずまずは就職をしました。
入社して4ヶ月後、仲良くなった職場の先輩がいたのですが、この人は以前ドラムをやっていたそうです。この人にプロを目指しているの、と聞かれて、目指していると答えると、「じゃあいつかここを辞めるんだね」と言われました。「いつ頃辞めるの?」と聞かれたので「1年くらいで考えていて、それまでに技術をつけて、もし音楽がダメでも技術があれば・・と・・」というように答えました。すると、「そんなんじゃ全然ダメだ」と言われました。「1年仕事をした後、5,6年は音楽を頑張るんだろ、ダメだった時というのは7年後くらいになる。その時にお前の同期はどれくらい進んでると思う?・・辞めるなら今辞めろ」と言われたんです。その話の後に自分の机に戻ったら、パソコンのスクリーンセーバーで岡本太郎さんの言葉「芸術家は迷った時は危険な方を選ぶべきだ」・・というのが流れてきました。その4日後くらいに辞表を出し、音楽活動を始めました。
そこから月に3,4回くらいライブをやっていく中で、何のために音楽をやっているのかをもう一度見つめ直し、最終的には社会で頑張っている人達が「よし、明日も頑張ろう!」と思ってくれるような音楽をしたいと思ったのですが、きちんと社会の経験をしたことがないのにそんな音楽ができるのか、と思い直し、別の会社に入社し、正社員として4年くらい働きました。その間も月に3,4回ライブを行っていました。忙しくて地獄のような日々でした (笑)。当時は八王子、新宿あたりでよくライブをしていましたね。
転機は2,3年前で、韓国でライブをやることになったことです。そのあたりでデビューをし、そこから本格的にギタリストとして活動するようになってきました。

okapiー韓国はどのようなきっかけでライブをすることになったのでしょうか。

okapi:いろいろと理由はあるのですが、最終的には韓国で僕のYoutubeを見てくれていたファンの方が、「是非韓国に来てください!」とメールをくれたんです。僕も行きたいと思っていたので「是非行きたいです!」と相談したら、その人がライブを企画してくれたんです。そして、チャーリー(逆瀬川剛史)を誘って、二人で韓国に行くことになりました。
その後も韓国のライブは現地の人がライブを企画してくれる事が多いです。そこまで大きな会場ではないですが、直にファンの方と触れ合えるのでその点がとてもいいと思います。7月12日も単独公演がありました。沢山の方が来て下さり、とても濃くて良い時間を過ごす事が出来ました。

ー韓国ではソロギターの人気が高いようですね。

okapi:そうですね。日本よりも年齢層が大幅に低く、10代の若者達がアコギを愛するという土壌はとてもいいですね。

ー中国に行った事はありますか。

okapi:いいえ。今年行く事になりそうですが、まだ詳細は決まっていません。台湾やマレーシア、シンガポールなんかも行きたいですね。

ーどの国も若いソロギターのファンが多いようですね。日本でも若いファンが増えてきてはいますが、まだまだ少ない気がします。

okapi:あくまで個人的な考えですが、わかりやすい音楽が好まれている気がします。どの国でもそうなのでしょうが、日本はそれが顕著ではないかと思います。年齢を重ねて酸いも甘いも経験してくると、いろいろなものが見えてくるじゃないですか。そうした時にインストというのが癒しになるのではないでしょうか。疲れた時には歌詞のない音楽って結構癒されると思うんですよ(笑)。それで日本ではそういった年齢層が多いと思います。本当に個人的見解ですが。
僕は小さい頃からインストを聴いてきて、歌が無いという音楽が普通でしたので違和感なくインスト音楽に入れたのかと思います。

ーしばらくは日本と韓国のライブが多くなりそうでしょうか。

okapi:最近日本でのライブは少ないかもしれません。製作期間ということもあり、それが終わったらもう少し増えると思います。今はピアノとのインストのデュオもやっています。ごく希に歌うのですが。こちらも力を入れていきたいと思います。

ー「ハマルスピカ」ですね。このデュオはどのようなきっかけで始まったのでしょうか。

okapi:ピアノの上村叶恵は大学の後輩なんです。ある人の歌のサポートをしていた時に、キーボードが欲しいなと思っていたんです。僕が引退した後ですが、学校の野外音楽堂でクラブ活動の中で演奏している彼女を見て、いいなと思い声を掛けました。そこから意気投合し、デュオでやるようになり、最近では1枚目となるアルバム「風車 - kaza-guruma -」もリリースしました。
今後もソロとデュオの活動を並行していきます。ソロでないと表現できないこともありますからね。

ーハマルスピカの曲はデュオのために作っているのでしょうか。

okapi:自分の中から曲が出てきた時に、これはピアノを入れた方がもっとよくなると感じ、ピアノを実際につけてもらっていいなと思ったら、デュオの曲にしています。作り方としては分けてはいません。それぞれのソロでも成り立つ曲もあって、お互いそれらの曲をソロで演奏することもあります。いつも基本ソロでやっていたので、二人で演奏するというのは面白いですね。

ーこれまでバンドもやられていて、こういったデュオもされているのでセッションは慣れているようですね。

okapi:いや、セッションは得意ではないです(笑)。セッションはもっとうまくなりたいですが、まずは自分から出せるものを表現する、というところに力を入れています。
ピアノと一緒に演奏するのも実は一苦労で、ピアノからこういう音が欲しいと言われても構造が違うので、指がちぎれそうになって「ちょっ・・それは無理(笑)」というのもあります(笑)。でもレベルアップのいいきっかけにもなりますね。一緒に演奏するまではそこの音をそのように弾く事すら考えつかなかったわけですから。

ーハマルスピカでは組み立てられた曲を演奏されているのでしょうか。アドリブ的な要素もあるのでしょうか。

okapi:アドリブはほとんどないです。曲を作るときは僕がある程度形を作って持っていき、これに色々味をつけていこうという感じです。それがサビしかなかった時など、Aメロ、Bメロをいろいろ試し、じゃあこんな感じでやってみよう、というようになります。だから、アドリブよりもかっちり決める方が多いですね。

ー楽曲の幅がとても広いのは様々な音楽が下地になっているからのようですね。「Anger」と「tegami」などは別人が作ったような曲調です。
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【アルバム】
after the dusk
after the dusk

1.anger
2.stand alone
3.tegami
4.the sign
5.to be
6.kirisame(featuring ~Takeshi Sakasegawa)
7.kurogane
8.anger(2013 band ver.)

2013年7月3日発売

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Tower Record


Sakigake

sakigake

1. 魁〜Sakigake〜
2. moon stone
3. PUZZLE

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Sakigake TAB譜集
Sakigake TAB譜集
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風車 ハマルスピカ風車
2014.6.6リリース
ハマルスピカインストルメンタル1st Album
1,800円

1. 颱風 
2. hayate 
3. 時の風 
4. いにしえ 
5. sengoku 
6. 夜の終わりに

okapi http://okapi-music.com/

1984年神奈川県生まれ
3才からヴァイオリンを習い始め、5才から名倉淑子に師事。
17才からエレキギターを始める。
21才の時にチェット・アトキンス、押尾コータローなどの楽曲を聴き、アコースティックギターに転向。
2006年新星堂主催のオーディション「CHANCE!06」で、ベストギタリスト賞を受賞 。
2007年NHK北見放送局の天気予報のBGMに自身の楽曲3曲が使用される。
2009年、ピアニスト上村叶恵とhamalspica(ハマルスピカ)を結成 。
2012年3曲入りCD「Sakigake」にてデビュー。
2013年フルアルバム「after the dusk」リリース。
2014年ハマルスピカのファーストアルバム 「風車 ~kaza-guruma~」リリース。

プロフィールの詳細はこちら→http://okapi-music.com/profile/