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okapi:そうですね。実は2曲目に作った曲が「Anger」で、3曲目が「tegami」なんです。確かにテイストは違いますね。頭の中に流れているのを何とか具現化するというのが多いです。フルオーケストラで流れてくるものが多く、それをどうやって6本の弦に落とし込むか、というのが一番難しいですね。出てくるものを形にしているうちに、全然違うものが勝手に出来ていたという印象で、特に違うものを作ろうと思った訳ではないです。自由にやりたいようにやってますね。
でも、1曲だけこういう曲を作ってみたいと思って作ったのは、「stand alone」です。僕の曲はいつも直情型というか、自分の感情を出したものです。ちなみに僕はチャーリーの曲が好きなのですが、彼の曲は夢を見させるというか、小説のページをめくる感じだと思うのですが、僕の曲は実際に経験したことを感情として出すようなものです。「辛い事があっても絶対負けないからな!」みたいなことをモロに出す曲です。でもこういった曲だけではなく、「一回女々しい曲とか作ってみたら?」と言われたんです。なるほど、と思いましたね(笑)そこでちょうど日常生活で大変苦しい時期があって、いろいろなアクシデント、不幸が重なったことに対して、一度、とことん女々しくなってみようと包み隠さず出してみたのが「stand alone」です。アンディ・マッキーが好きなのですが、彼のような曲を作ってみようというのも、奥底であったかもしれません。
ー使用ギターについておうかがいしたいのですが、ギターはたくさんお持ちですね。最初はリサイクルショップでの購入ということでしたが、どのようなギターを使われていたのでしょうか。
okapi:最初に安いギターを使っていましたがどうしても欲求不満になって、初めて少し高めのギターとしてAyers(エアーズ)を購入しました。OMのようなスタイルで、まだ量産体制に入る前のものです。これに定春(サダハル)という名前をつけて可愛がっていました(笑)。しばらくは気に入って使っていたのですが、機会があってこの次に購入したのがTacomaです。フェンダー工場になる前のもので、ドレッドノートとスモールジャンボを持っていました。こういう弾き方をしているのでドレッドノートは割れてしまい(笑)、更にその後に購入したのがCollingsのSJです。初めてAngerの映像を撮ったのがSJでした。でもこれは実は既に手放してしまいました。その後に購入したのがCollingsのCJです。これは今でも使っていて、売るつもりはないです。
その次は横山さんにYokoyama GuitarのSJFを作ってもらいました。さらにこの一年後くらいにYokoyama GuitarのLARという、スケールが少し長いタイプのギターを作ってもらいました。今ライブではかなり使用率が高いギターです。他に所持しているのはアンフィニのドレッドノートのカッタウェイ、ジェフリー・ヤングのトップ、サイドバックがマンゴーのギター、Yokoyama Guitarのバリトンです。ちょっと多すぎでかすね(笑)。
曲ごとに使い分けたいというのがあるので、どうしても多くなってしまいました。ライブでは何本も持っていける訳ではないので、使うものはだいたい決まってきますね。持っていけるのは大体2本までで、先日ハマルスピカのライブでは車で4本持っていきましたが、これを毎回やるのはしんどいです(笑)
ーギターを4本持っていくのも大変ですが、セッティングも大変だと思います。
okapi:そうですね。さすがに紙に全部書きましたね(笑)。ギターによって特性や強く出る帯域が違うので、切り替えるのが大変でした。
ー使い分けは曲の雰囲気などでしょうか。
okapi:そうですね。やわらかい音はこれがいいとか。例えば「stand alone」にはジェフリー・ヤングのマンゴーがいいんですね。熱帯特有の湿った感じというのがすごく合うんです。強い木ではないので、あまり叩けませんが(笑)元々叩くような奏法ではなく、ゆったりとした曲に合うギターですね。
ーギターをライブで複数使用する場合、チューニングを変更する手間を省くケースもよく見られます。そういう使い方はしていないのでしょうか。
okapi:チューニングの変更は実はそんなに苦ではないんです。ありがたいことに小さい頃からのヴァイオリンの練習が生きていると思います。逆に自分のチューニングがずれると気持ち悪くて集中力がなくなるのは弱点ですけどね。
ーまだギターの本数は増えていくのでしょうか。
okapi:一通り欲しい音はあるので、これから加速することは…… と言いたい所ですが、まあまだ何とも言えないですね(笑)。ギターをたくさん持ってる人はすごいですよね。1,2本で済んでる人と両極端に分かれますよね。
ーたくさん持つ人もokapiさんのようにいろいろなタイプのギターを持つ人と、似ているギターをたくさん持つ人といますね。
okapi:その気持ちもわかりますね。例えば僕は結構服などは好きなタイプのものを集めますが、ギターは価格的にそういう訳にはいきません。弾いてみて「この音は今まで無かった」というものや、そしてそれでいて良いギターだと欲しくなりますね。今までに無かったものを補うようなギターを欲しがる傾向があります。機材も増えていってしまいますね。
ーソロアルバム「after the dusk」を去年リリースしていますね。次回作など予定はありますか。
okapi:そろそろ何か出したいですね。最近はいろいろなものに追われて新しいものができていなかったのですが、少しずつ曲ができそうです。今は楽譜を作っているので、その楽譜を発売後に新しい曲を作っていきたいですね。
ー最近減っているようですが、ニコニコ動画での演奏もされてますね。
「okapiのソロギター放送(猫チラあり)」http://com.nicovideo.jp/community/co624687
okapi:最近製作に時間をとってしまっているのであまりできていないですが、今後もニコ生は続けていきたいです。僕はコンピューター系は割と強いので、こういうのは好きなんです。また定期的にできるようにしたいですね。
ーニコ生ではマイクなのでしょうか。
okapi:基本はマイクで、輪郭をはっきりさせる程度ですがラインも少し混ぜてます。録音の時の機材を使っていて、マイク3本にラインを混ぜています。
ー今後の活動の予定はどのようなものがありますか。
okapi:まず中国に行くことになるであろうということと、日本でももっと広めたいので、路上ライブをしていこうかと思います。どこかのモールやフリースペースですね。
あ、レッスンもやっています。タッピングやアレンジなど幅広く教えていますので、お気軽にご相談ください(笑)。詳細はホームページからご覧下さい。遠方の方にはSkypeレッスンも行っています。
あとはニコ生をもっとやりたいです。ニコ生でどれだけ聴いてくれる人が増えるのか試してみたいですね。
ー今までもニコ生を見てライブに来た方などいらっしゃいますか。
okapi:はい。ニコ生を見てからソロギターを聴くようになったという方もいますね。ニコ生は活動の主力というよりは、活動の一環として行いたいと思います。
ー最後にギターファンにメッセージをお願いします。
okapi:純粋に色んな音を楽しんでいただきたいですね。色んな楽しみ方があると思いますが、純粋に音を楽しんで頂けると、弾く側には何にも代え難い楽しみがあります。インストには歌詞が無い分、いろいろな景色が見えると思うんですね。同じ曲を同じように弾いても聴く人によって景色が全然違います。それがインストのいいところだと思うので、肩肘張らず、楽しんでいただきたいな、と思います。あと、ギターはあまり叩き過ぎないように(笑)。
【2014年7月1日東京都内にて】 |
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【アルバム】
after the dusk |
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1.anger
2.stand alone
3.tegami
4.the sign
5.to be
6.kirisame(featuring ~Takeshi Sakasegawa)
7.kurogane
8.anger(2013 band ver.)
2013年7月3日発売
Amazon
itunes
Tower Record
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Sakigake
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1. 魁〜Sakigake〜
2. moon stone
3. PUZZLE
Amazon
itunes
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Sakigake TAB譜集
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風車 ハマルスピカ |
2014.6.6リリース
ハマルスピカインストルメンタル1st Album
1,800円
1. 颱風
2. hayate
3. 時の風
4. いにしえ
5. sengoku
6. 夜の終わりに |
okapi http://okapi-music.com/
1984年神奈川県生まれ
3才からヴァイオリンを習い始め、5才から名倉淑子に師事。
17才からエレキギターを始める。
21才の時にチェット・アトキンス、押尾コータローなどの楽曲を聴き、アコースティックギターに転向。
2006年新星堂主催のオーディション「CHANCE!06」で、ベストギタリスト賞を受賞 。
2007年NHK北見放送局の天気予報のBGMに自身の楽曲3曲が使用される。
2009年、ピアニスト上村叶恵とhamalspica(ハマルスピカ)を結成 。
2012年3曲入りCD「Sakigake」にてデビュー。
2013年フルアルバム「after the dusk」リリース。
2014年ハマルスピカのファーストアルバム 「風車 ~kaza-guruma~」リリース。
プロフィールの詳細はこちら→http://okapi-music.com/profile/
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