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ースティングにギターを製作したと聞いています。どのようなきっかけだったのでしょうか。
ジャック:ギター製作をロンドンで学んでいる時に、先生がヴィンテージマーティンのディットソンモデルという、小ぶりなボディのギターをを見せてくれました。そのコピーを作るようになったんです。オーストラリアに戻ってからも作り続けていましたが、独特なボディシェイプなので売れないんです(笑)。2003年にホームページにこのディットソンスタイルのギターの写真を掲載したら、スティングのためにギターを探している人が私のギターを見つけました。スティングはヴィンテージのディットソンを持っているのですが、壊れてしまいそうなので新しくこのモデルを作ってくれる製作を探していたそうです。
デッィトソンとはアメリカのデパートのようなところの名前で、マーティン社がそこからギター製作の依頼を受け、製作されたギターです。私はマーティン社のディック・ボーク氏にこのギターの詳細を教えてもらい、製作しています。
スティングには4本ディットソンモデルを作りました。トップはシダー、サイドバックはオーストラリアンブラックウッドを使用しています。4本のうち、1本は息子に、1本はベーシストに、1本はJo Lawryというシンガーにプレゼントしています。彼女のライブを見にいって、自分のギターに再会しましたね。(ジャックとジョー・ローリーの出会いはfacebookページに掲載されていますhttps://www.facebook.com/jackspira.jp/posts/302651546592733?__mref=message)
その後2005年にはマーティン社からスティングモデルとして、このディットソンタイプのギターが製作されてますね。
ー現在は日本の楽器店にジャック・スピラギターが販売されています。ジャックの代理店の広報である関根典子さんに、なぜ日本でジャックのギターを扱い始めたのかお聞きしたいと思います。
関根典子(以下、関根):私達夫婦はオーストラリアに移住したいと考えていました。せっかくなので好きなことを仕事にしようと思い、ギターでのビシネスを探したんです。そこでメルボルン・ギター・メーカーズ・フェスティバルというのを見つけました。オーストラリアのたくさんのギターメーカーが集まって展示会をやっています。
ここでギターメーカーを探し、ジャックのホームページを見つけていいなと思いました。フェスティバルに行っても急に仲良くなれると思えなかったので、フェスティバルの前にジャックの元にうかがってギターも見せてもらいました。
この時ジャックがいろいろな製作家を紹介してくれて、10数件の工房に行きましたが、やはりジャックのギターが一番良いと思ったんです。これが2010年ですが、オーストラリアで仕事ができるようになるまで2年くらいかかってしまい、2012年にメルボルンに移り住んでジャックに会いに行き、正式に取り扱うことになりました。
ー今はどのようなお店で取り扱っているのでしょうか。
関根:大阪のドルフィンギターズ(http://www.dolphin-gt.co.jp)、渋谷のハートマンギターズ(http://www.heartman-g.com)、阿佐ヶ谷のLAST GUITAR(http://lastguitar.com)です。
ー日本にも順調に入荷されていますが、年間どのくらいの製作をされているのでしょうか。
ジャック:20本ですね。
ーお弟子さんなど、工房には他に働いている人はいるのでしょうか。
ジャック:いいえ、一人で製作しています。スタッフはいませんが、犬が2匹います(笑)。
ーインレイもかなり凝っているので、年間20本というのは想像できない製作本数ですね。最後にギターファンにメッセージをお願いします。
ジャック:こんにちは。日本に来れてうれしいです。多くのギター製作家にも会えてうれしいし、たくさんのギターファンに会えてうれしいです。ハンドクラフトギターフェスティバルにも来てくれてありがとう。
【ジャック・スピラ】
【ジャック・スピラと関根夫妻】
【2015年5月24日TOKYOハンドクラフトギターフェスにて】
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