Acoustic Guitar World
ホーム インタビュー ニュース イベント 電子書籍 レビュー   無料メールマガジン
ギタリストインタビュー〜逆瀬川剛史
前のページ 1  2 3
僕とリスナーさんとのコミュニケーションの場にもなればいいなと思っています

ーミュージシャンというより、アーティストとしての気質が強いように思えます。


逆瀬川:そうかもしれないですね。プレイそのものよりも創作のほうに重点を置いています。ジャズもクラシックもなんでも弾いてみせるというような、プレイヤー的な発想にはあまり興味がないんです。仲良くさせてもらっているギタリスト仲間の一人のokapiさんもそうなんですが、何か表現したいものがあって、それをたまたまギターで表現しているようなタイプです。そういったギタリストとは自然と仲良くなりますね。

ーギタリストにはいろいろな種類がありますね。逆瀬川さんのように個の表現にこだわる人もいれば、スタジオでバンドやヴォーカルのバックでの演奏を好んだりとあります。

逆瀬川:そうですね。職人気質な方も多いと思います。

逆瀬川剛史ー中世の画家が売れなくてもひたすら描き続ける、といったタイプに近いのかもしれません。

逆瀬川:そうかもしれません。スタジオで演奏する人や曲を作る人など、ギタリストにはそれぞれに美学があります。僕の場合は、結局自分がやりたいことしか出来ないですね。YouTubeに曲を上げるのもやりたいからやっているわけで、その結果仮にCDが売れずに生活出来なくなったら別の仕事をしても構わない、くらいに思っています。
とはいえ、結果的にはYouTubeを活用した方が多くの人に伝えられるでしょう。僕のチャンネルでは曲を弾くだけではなく、言葉も伝えていきたいと思っています。画面に登場して視聴者に話しかけるといったことですね。また、ゆくゆくは自分で描いた絵も載せられたらいいなと思っています。絵は上手ではありませんが(笑)、やってみたいですね。

ー今後の活動ですが、まずYouTubeはどのようになるのでしょうか。

逆瀬川:毎日動画をアップすることを1ヶ月続けました。その後はペースは変えて、定期的に上げようと思っていますが、何曜日とか決めるのではなく、自分のペースで楽しくやりたいと思います。1ヶ月に3,4回更新できればと思いますが、もっとたくさん上げるかもしれませんし、間隔が空くかもしれません。
YouTubeはただの資料置き場ではなく、僕とリスナーさんとのコミュニケーションの場にもなればいいなと思っています。いつも画面の向こうに人がいて、そこに言葉を投げかける気持ちでやりたいと思ってます。

ーその他はどのような活動を予定されていますか。

逆瀬川:無駄なことをやめていこうと考えています。この10年間ずっと突っ走ってきて、いろいろなイベントに出たり、スナックのお姉ちゃんに囲まれて演奏したり(笑)、飛び入り演奏もたくさんしてきました。路上で演奏してホストのお兄ちゃんとケンカになったり(笑)。そんな中で思ったのは、よく「苦労は買ってでもしろ」などと言われますが、必ずしもそうでもないなと(笑)。やらなくてもいいことも多かったなと思います。今の活動がどこに繋がるのかを見据えて、嫌なことは断る。長く続けていくためにも、好きなことに集中しようという気持ちが強くなりましたね。

僕の中ではライブやコンサートの概念が変わってきています。例えばネットのオフ会のようなもので、海外に「Meet Up」というものがあるのですが、YouTubeで有名な人やサブカルチャーで有名な人がMeet Upをやることが多いんです。このMeet Upという言葉がすごくいいなと思ったんですね。みんなで集まって楽しい時間を作ろうよ、という感じです。
僕のライブもMeet Upという感じにしたいと思っています。僕が一方的に話すのではなく、もっと相互にコミュニケーションをとれるようにしたいですね。アーティストとファンという関係性も一つの形ですが、ギターがうまい兄ちゃんが来るから集まろう、という雰囲気の方が僕には向いてると思うんです。
ギターを弾かない人たちも集まって、その空間全体を楽しむような、フランクな会にしたいですね。

ーそれはまだ具体的ではないのでしょうか。

逆瀬川:そうですね。でも12/18に鹿児島、12/26に福岡でライブがあるのですが、その名前は「逆瀬川剛史 アコースティックギター ソロライブ “Meet Up!!”」としています。
ライブはお客さんの熱が大事だと思っています。例えばお客さんが100人いて、そのうち付き合いで来ている人が過半数というのはよくないですよね。たとえお客さんが少なくても、本当にその音楽が好きな人が集まってればいいと思うし、その輪が少しずつ広がっていけば10年後、20年後とどんなに時間がたっても崩れないものになると思います。そうやって年月を積み重ねたものから本当の豊かさが得られるのかなと。そこには人とつながっている実感があると思います。これから自分の活動がどう変わっていくかわかりませんが、10年後を想像してわくわくしています。

ー最後にギターファンにメッセージをお願いします。

逆瀬川:ギターで一番楽しいのは曲を作ったりアレンジをするなど、自分で手を加えることだと思います。僕も最初はTAB譜を使って人の曲を弾いているだけでした。そこからもう一歩踏み出したいと思っている人は、例えば弾き語りのメロディをギターで弾いてみるところからアレンジを始めてみるといいと思います。コードと一緒にそのメロディを弾くのがソロギターアレンジの始まりです。そこはあまり難しく考えなくていいと思うんです。ある程度ギターを弾ける人は自分で歌っている歌をギターでアレンジしてみると面白くなります。そうするともっとギターを好きになって、みんなに聴いてもらいたいという気持ちが強くなり、練習にも熱が入るなどいい循環が出来ます。
歌のメロディを拾ってみることは、曲が作れない、アレンジができないという人が次のステップに行くための一つの助けになると思います。難しく考えずに、ぜひやってみてほしいと思います。
あと、ギターは楽しく弾いて、もし飽きてしまったら他のことをして、そこからまた戻って来ればいいんです。それが長く続ける秘訣です。

【2015年11月15日大阪サウンドメッセにて】
前のページ 1  2 3


逆瀬川剛史  http://blog.livedoor.jp/takeshi_sakasegawa/

2009年1stアルバム「Short Stories 生命の森 」リリース。
2013年2ndアルバム「Short Stories 希望の大地」リリース。
2013年上海ツアー、台湾ツアーを行う。
2014年シンガポール・クアラルンプール・北京・西安・香港・ソウルを周る大規模なアジアツアーを展開。
2015年ミニアルバム「Live is beautiful」リリース。

「Live is beautiful 」

Live is beautiful

販売価格:1,200円(税込)

1.旅立ちの朝 (Parting Morning)
2.絆 (Chain)
3.Reflection
4.光風 (Hikarikaze)(Hikarikaze)
CD購入サイト(プー横丁)

「Short Stories 希望の大地 」

Short Stories 希望の大地
販売価格:2,571円(税込)

1序にかえて(Preface)
2いつか、ずっと昔(Sakura)
3灰色の世界(The gray world)
4旅風(Journey's wind)
5霧雨(Kirisame)
6約束のしらべ(The promised melody)
7虹の彼方(Nijinokanata)
8ワイプアウト(Wipe Out)
9レクイエム(Requiem)
10月下の狼(A noble wolf)
11すべての人へ(Revelation)
CD購入サイト(プー横丁)







Acoustic Guitar World

トップページ l インタビュー l ニュース l イベント l 電子書籍 l レビュー l EPUBについて l facebook l Twitter 
Acoustic Guitar World について Copyright © Acoustic Guitar World All Rights Reserved.