Finger Picking Day 2018で最優秀賞を始め五冠を獲得したつるみまさやさんに、これまでの活動、音楽に対する考え方、師匠から学んだことなど、幅広くお話いただきました。
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ーギターを始めたきっかけを教えてもらえますか。
つるみまさや(以下、つるみ):父が学生の頃に趣味で弾いていたギターが家にあり、9才頃から歌本などでギターを弾き始めました。長渕剛や吉田拓郎など弾き語りがスタートです。その後クラシックギターを先生に習い、高校に入ってからはエレキギターやベース、ドラム、ピアノなどいろいろな楽器を弾きました。これらがソロギターの役に立ってますね。ロックやポップス、ジャズ、クラシックなどいろいろやって、ソロギターに出会ったのは19才の頃です。押尾コータローさんやアンディ・マッキーなど、YouTubeが流行りだした頃でコピーを始めました。それからドン・ロスや岸部眞明さんなど、ソロギターとつくものはありとあらゆるものを弾きましたね。
ーソロギターは独学で始めたのでしょうか。
つるみ:地元のギタリスト竹内いちろさんのライブでオープニングアクトをする機会があったんです。その演奏を聴いた時に、うまく言えませんが音楽をしている、音楽らしいギターというものを初めて聴きました。オープニングアクトで演奏をしなければいけないのですが、帰りたいと思いましたね(笑)。この時、こういう音楽をやりたいと明確になりました。それまでは大まかに音楽、ギターをやりたいと思っていましたが、竹内いちろさんのような音を出したいと思いました。レッスンをやっているとのことだったので、その足でレッスンに通い、今まで10年くらいお世話になっています。竹内いちろさんには厳しく一から鍛えられました。音楽理論やタッチに加え、モチベーションなど精神的なものから直されましたね。僕の根底にあるものは竹内いちろさんの音楽です。
ー楽曲がいちろさんに寄っている訳ではないようですね。
つるみ:そうですね。一番大事なのはメロディだと思いますが、そこから自分なりに創造して、随所にジャズやクラシックを入れています。
ーフィンガー・ピッキング・デイに複数回出場されてますね。
つるみ:最初に出場したのは2011年です。その前に音源審査で2回落ちています。2011年は優秀賞、葉山ムーンスタジオ賞(オーディエンス賞)、アコースティックギターマガジン賞をいただきました。この時はまだ学生でしたね。
ーフィンガー・ピッキング・デイの2回目の出場は2016年ですね。2011年以降エントリーはしていなかったのでしょうか。
つるみ:していなかったです。2016年は仕事が落ち着いてきたのでギターに力を入れて申し込みしました。優勝を狙っていて、その時は良い演奏だと思っていたのですが、後からその演奏の動画を見た時、とても追い詰められている感じがしました。前のめりで、悪い意味の若さが出ていましたね。
ー今年は最優秀賞、葉山ムーンスタジオ賞(オーディエンス賞)、楽曲賞、アレンジ賞、アコースティックギターマガジン賞と五冠の獲得となりました。前回から何か対策をしたのでしょうか。
つるみ:選曲から勝ちにいくつもりで、自分の中では2曲で1曲という気持ちで臨みました。もちろん楽曲ありきですが、どのようにしたらうまく観客、審査員を惹きつけられるかを考えました。それは間であったり、メロディで強調したいところはアポヤンド奏法にしてちょっときついかなと思うくらい、埋もれないようにしました。マイク1本なので、それくらい強い方が良いと、当日の環境からも意識しました。
ーマイク1本というのは意識しないといけないですね。マ
つるみ:そうですね。マイクの位置も演奏しながら考えましたね。でも当日の演奏は満足できなかったです。
ーそうは思えない見事な演奏でしたが、どのような所が満足できなかったのですか。
つるみ:演奏中に汽笛が鳴ったんです。開放弦の「ラ」を出した時に、汽笛が「ラ」のシャープだったんです。それで一瞬チューニングを疑ってしまいました。汽笛の音と気づいたのですが流されてしまい、何とか2小節くらいでリカバリーしました。このタイミングで鳴るかと、汽笛が恨めしかったですね(笑)。
ー今年のフィンガー・ピッキング・デイは喋ってもよくなったようですね。
つるみ:5秒くらいということでしたが、僕は喋るのはやめようと思いました。喋ってすべったら終わりですからね(笑)。観客もほぐれると思うので喋ることはいいと思います。
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プロフィール
つるみまさや http://tsuruya1116.web.fc2.com/index.html
愛知県生まれ。
2009年よりギタリスト竹内いちろ氏に師事。
2011年
フィンガーピッキングデイに出場、優秀賞、葉山ムーンスタジオ賞(オーディエンス賞)、アコースティックギターマガジン賞を獲得。
2016年
フィンガーピッキングデイに出場、TABギタースクール賞獲得。
2018年
フィンガーピッキングデイに出場、最優秀賞、葉山ムーンスタジオ賞(オーディエンス賞)、楽曲賞、アレンジ賞、アコースティックギターマガジン賞と五冠獲得。
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