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ギタリストインタビュー〜つるみまさや
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ー今は曲作りはされていますか。

つるみ:曲は何か出来事がないと作れないんです。前は飼い犬が亡くなった時や、衝撃を受けた人との出会いなど、きっかけがあって作ってきました。アルバムも作りたいと思っていますが、今は構想段階です。

ー曲を作ろうと思って作るタイプではないんですね。

つるみ:そうですね。作ろうとしていいものに仕上がったことがありません。内から溢れてくる気持ちを音にする方がいいんです。2011年のコンテストの曲もそういった作り方でした。ほとんどレギュラーチューニングなんですが、この時は珍しくオープンチューニングで、フレーズに合わせてチューニングを上げたり下げたりして作りました。
アレンジはいい曲だと思えばできますね。フィンガー・ピッキング・デイの度にアレンジしてきました。
オリジナル曲は大きなものがあってこそのソロギターと思っていて、自分が演奏する時にいかに入り込めるかというのが大事だと思います。曲に思い入れがないとどうしても嘘っぽく感じてしまいます。今回のコンテストの曲はかなり入り込んでいました。ミスタッチは汽笛のこともあって結構多かったのですが、気持ちが入っていたので結構良い演奏だったと思います。同じ曲を弾いても入り込むと違いますね。開放弦の余韻や右手のタッチ、和音をすっと変えたりもします。和音が邪魔だと思ったら単音にしたり、今回の本番は後から映像を見たら普段やらないフレージングをしていることに気づきました。6度のハモりは邪魔かなと思って単音で弾いてましたね。これは覚えてなかったです。入り込むとそういうことができます。ちなみにレギュラーチューニングだと6度のハモりというのはありきたりな音の積み重ねではあるんですが、それが効果的になることがあります。

ーオリジナル曲は譜面にしているのでしょうか。

つるみ:譜面にしていないです。メモもしていないですね。忘れてしまうフレーズならそんなものなんだと思っています。今回のフィンガー・ピッキング・デイで演奏した曲もずっとテーマが残っていました。そういう曲でないと優勝できないと思っていました。

ーそのような感覚なので、演奏の都度少しずつ変わったりするのですね。

つるみ:そうですね。軸は同じですが、毎回練習でも2度と同じ演奏はないです。そういうのが好きという人と、カチッと弾いてほしいという人がいるとは思います。大学時代はジャズに傾倒していて、渡辺香津美さんがフリーに弾いているのを見て、そういったものに影響を受けているかもしれません。ジョー・パスやマーティン・テイラーもライブで二度と同じ演奏をしないですよね。そういうのに惹かれました。


つるみまさやー使用しているギターについて教えていただけますか。

つるみ:1989年製のグレーベンを使っています。2011年のコンテストの直後に購入しました。それまではフォルヒギターを使っていましたが、少しマイク録りに弱いかなと思って師匠に相談して、コンテストでは師匠のサンタクルーズのギターをお借りして演奏しました。コンテスト後は結果が伴ったこともあり、自分が納得したギターを持つことが目標となりました。ギターコレクターの方を紹介していただき、いろいろなギターを弾かせていただいてこのギターを選びました。
トップがスプルース、サイド・バックがメイプルです。硬めの材質ですがだんだんとやわらかくなってきています。長い間弾かれていなかったようですね。このギターはとても気に入っていて、他のどんなにいいギターを弾いてもこのギターに立ち返ります。先日も師匠のところで400万円のアーヴィン・ソモギを弾かせていただき、ものすごく良い音なんですが、自分の音楽はグレーベンだなと思いました。

ー使用している機材はどのようなものでしょうか。

つるみ:ピックアップはサンライズのマグネットと、M-Factoryを使っています。これらを最初から搭載しています。

ー現在はあまり演奏活動ができないようですが、学生の頃はよくやられてたのでしょうか。

つるみ:月に2,3回ライブをしたり、デモCDも作りました。これを機にライブなどを増やしていきたいと思います。

ー後の活動は何か予定がありますか。

つるみ:5月20日の埼玉・浦和のギターカーニヴァル2018で、フィンガー・ピッキング・デイの優勝者として出演します。(5/20 11:00〜 埼玉浦和ギターカーニヴァル http://guitar-ge.jp)

ー最後にギターファンにメッセージをお願いします。

つるみ:僕がギターを弾くのは自分が楽しいということもありますが、自分が過ごしてきた生活環境や人生が全て乗ってくるものと思っていて、小さい頃から病気と付き合って他の人と違う生活をしてきたというのが根幹にあります。そういったことがギターに表れてきたらいいと思います。同じように病気で苦しんでる人などが、僕のギターを聴いて少しでも救われたと思ってくれたらという思いで弾いています。伝えたいというか、伝われ、という感じですね。簡単な単音のフレーズでもそういった気持ちで弾くと全然違うフレーズになるので、ギターはすごいと思います。どこかで見かけたら、そういった気持ちで聴いてください。


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プロフィール

つるみまさや http://tsuruya1116.web.fc2.com/index.html

愛知県生まれ。
2009年よりギタリスト竹内いちろ氏に師事。
2011年 フィンガーピッキングデイに出場、優秀賞、葉山ムーンスタジオ賞(オーディエンス賞)、アコースティックギターマガジン賞を獲得。
2016年 フィンガーピッキングデイに出場、TABギタースクール賞獲得。
2018年 フィンガーピッキングデイに出場、最優秀賞、葉山ムーンスタジオ賞(オーディエンス賞)、楽曲賞、アレンジ賞、アコースティックギターマガジン賞と五冠獲得。









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