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ギタリストインタビュー〜Kim Janssen、I AM OAK
オランダから初来日したKim Janssen(キム・ヤンセン)とアコースティックバンド「I Am Oak」のヴォーカル、ギターのThijs kuijken(タイス・カウクン)の二人に、自身の音楽からオランダの音楽シーンや日本の感想など幅広くお話いただきました。
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ー音楽を始めたきっかけを教えてもらえますか。

キム・ヤンセン(以下、キム):母の影響でアコースティックギターを始めました。それから少しして、13才の時に年上の友人にライブに連れていってもらったんです。かなりラウドな音楽で圧倒されましたね。そこからギターにのめりこんでいきました。

タイス・カウクン(以下、タイス):最初は子供の頃に小さいアコースティックギターでデタラメに弾いていました。ニルヴァーナを聴いてから、もっとうまく弾きたいと思うようになり練習しましたね。

ーキムさんは子供の頃にいろいろな国で過ごしたそうですね。その生活は今の音楽に影響していますか。

キム:影響を受けていると思います。自分が育ってきた場所が自分の考え方や行動など、自分を形成しています。インターナショナルスクールに通いましたが、そこでアメリカの文学を学んだり英語で教育を受けたので、そこでの考え方やそこでの生活が今の自分を作っています。今の自分の音楽にあるノスタルジックなテイストも、子供の頃に過ごしたことが影響していると思います。
キム・ヤンセン/>
ーどのような国に住んでいたのでしょうか。

キム:オランダ、タイ、ネパール、カンボジアですね。

ー特に印象に残った場所などの思い出はありますか。

キム:バンコクでは大きな家に住んでいて、庭にたくさんの木がありそこでよく遊びました。スライダーのついたプールでも遊んでいましたね。ショッピングモールにもよく出かけました。そこには音楽がずっとかかっており、にぎやかな大きな街でした。そこが東京に似ているので、今東京をすごく気にっているのかもしれません。

ータイス・カウクンのバンド「I Am Oak」とはどのような意味ですか。

タイス:「Oak」というのは楢の木という意味ですが、自分が生まれた街の名前なんです。自分が育った場所が自分を形成しているので、バンド名を街の名前にしました。

ーそれぞれの最新アルバムについてお聞きしたいと思います。まず「I am Oak」の「Our Blood」はどのようなコンセプトのアルバムですか。

タイス:このアルバムの曲はは父が亡くなった直後に作り始めました。1年半くらい書き続けてアルバムにすることができました。コンセプトとしては、死や大切な人を失った喪失感などです。

I Am Oak

ーギター中心の演奏のようですが、バンドはどのようなスタイルですか。

タイズ:ライブの時は自分でアコースティックギター、エレキギター、キーボードを演奏します。他のメンバーはエレキギター、ベース、ドラムで構成されています。

ーキムさんのニューアルバム「Cousins」のコンセプトを教えていただけますか。

キム:ノスタルジックというのがテーマの一つです。子供の頃を振り返ったり、20代の終わりになって過去を振り返るというノスタルジックな気持ちです。

ーこのアルバムにはシンセサイザーや管楽器を多く取り入れらています。これまでギターが中心だったと思いますが、スタイルが変わってきていますか。

キム:過去2枚のアルバムと比べたら、確実にスタイルは変わってきています。例えば新宿の街を歩いていると、ネオンがきらびやかで気に入っています。今回はこのような輝きのある音を作りたかったので、シンセサイザーを使いました。

ー「I Am Oak」の「Will I Wake」の動画が公開されています。アニメーションで構成されていますが、これをタイスさんが描いていると聞きました。



タイズ:全て一人で描きました。最初はあいまいなコンセプトがあっただけでしたが、1週間描き続けて、ビデオクリップとしての長さのアニメーションになりました。100時間くらいかかりましたね。

ーいわゆるパラパラ漫画のようなアニメです。たくさんの枚数を描いたということですか。

タイズ:そうです。2000枚くらいですね(笑)。鉛筆と水彩と使い、Photoshopとタブレットのペンも使って描きました。

ー動画「Golden Pavilion(金閣)」では日本語の歌詞の位置が右だったり上になったりしますね。




タイズ:通常は下だけだと思いますが、右に出したり左に出したり位置を変えた方が面白いと思ったんです(笑)。





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Kim Janssen https://www.kimjanssen.net

キム・ヤンセンはオランダ生まれアジア育ちのシンガー・ソングライター。幼少期のほとんどをタイのバンコクとカンボジアのプノンペンで過ごし、10代前半をネパールのカトマンズで過ごした。エリオット・スミスからマーク・コズレック(サン・キル・ムーン)までをおもわせる憂いのある歌声を最大の武器として、瞑想的なアコースティック・フォークからよりきらびやかなオーケストラル・ポップまでを奏でる。オランダ人シンガー・ソングライター、ヘールト・ファン・デル・ヴェルデによるプロジェクト、ザ・ブラック・アトランティックに参加しながら、18歳のときにアメリカでレコーディングした1stアルバム『The Truth Is, I Am Always Responsible』を2009年にリリース。11歳から15歳までのあいだカトマンズの英国寄宿学校で過ごした生活と記憶にインスパイアされた2ndアルバム『Ancient Crime』(2012)と、その続編であるEP『The Lonely Mountains』(2013)は欧米のメディアで高い評価を得た。

最新作は2017年リリースの『Cousins』。全面的にシンセサイザーを導入し、ストリングスにさらにホーン・セクションまで加えた大編成による質の高いプロダクション。そして、持ち前の美しいファルセットに、ビル・キャラハン風バリトン・ヴォイスを交えた歌唱法による新機軸はヨーロッパで高い評価を得た。


I AM OAK http://thijskuijken.nl/

アイム・オークはシンガー・ソングライターのタイス・カウクンを中心としたオランダのバンド。2010年のデビュー・アルバム「On Claws」以来、複数のアルバムをリリースしている。ギターがメインの細やかで落ち着いた独自の楽曲は、美しいアレンジで彩られたフォーク・ミュージックとされている。年月を経て、アイム・オークのサウンドはより壮大なものに進化したが、バンドはその独特なサウンドを失うことはない。
最新アルバム「Our Blood」からのシングル「Woandering」は、Spotifyで660万以上ストリーム再生されている。また、シングル「On Trees And Birds And Fire」に至っては、800万再生を誇る。

先頃、アイム・オークは新しいシングル「Will I Wake」をリリースし、タイス・カウクン自身が美しいアニメーション・ミュージックビデオを作った。それは2000以上の絵で構成され、彼は80時間以上を費やした。是非このビデオを見て、曲を聴いて欲しい。
タイス・カウクンはギターの代わりにピアノを用いることにより、バンドのサウンドを「Will I Wake」に取り入れ、今年後半にリリース予定のEPへ新しい方向性を示した。

アルバム「Our Blood」は日本でサインポールレコーズからリリースされており、日本向けにシングル「Woandering」のビデオを制作した。

Our Blood / I Am Oak

Our Blood

発売日:2016/10/23
レーベル:sign-pole records
販売価格:2,160円
1. Geest
2. Omen
3. Warl
4. Volcano
5. Dacem
6. Way Out
7. Shallow End
8. Own
9. Woven In
10. Woandering
11. Gold
12. Your Blood
13. LANDMARK (Japanese release bonus tracks)
14. NEED BY NEED (Japanese release bonus tracks)
15. ORAY (Japanese release bonus tracks)
Cousins / Kim Janssen

Cousins
発売日:2017/4/9
レーベル:Lirico
販売価格:2,240円
1.Dynasty
2.Take Shelter
3.Host
4.Night-Heron
5.Gouldians
6.Actor
7.Bottle Rockets
8.Cousin
9.Rama VI
10.Tors







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