ーニューアルバム「Storyteller」が昨年10月にリリースされました。コンセプトはどのようなものでしょうか。
矢後憲太(以下、矢後):「Storyteller」というタイトルが示す通り、物語がテーマになっていて、物語を読み進めていくような作品にしたかったというのがコンセプトです。
ー曲順も物語を意識してるのでしょうか。
矢後:そうですね。全てがつながり、一つのストーリーになっています。
曲が進むにつれていろいろな場面が訪れてきて、13曲で物語になっています。
ー収録曲は先行してシングルでリリースされた曲もあるかと思います。リリース時点でもこのアルバムを意識していたのでしょうか。
矢後:はい、まだ漠然とはしていましたがこの着想自体は2,3年前からありました。シングルの曲を入れなくてもよかったのですが、内容を考えた結果、大部分のシングル曲が入りました。
■各曲解説
1.Once upon a time
直訳すると「むかしむかし」となり、物語の冒頭によく入っているフレーズをイメージし、曲にしました。
2.Storyteller
語る人、という意味ですが、「Once upon a time」と曲がつながってるようにしていて、むかしむかしと、語り部がゆっくりと語り始めるイメージです。
3.you
初恋をテーマにした曲です。
このような淡い、ピュアな気持ちを音で表現できたらという曲です。
4.Ocean
シングル曲であり、夏頃に聴くときれいなビーチのイメージと言われたことがありますが、母なる海というか、もっと大きな命の始まりの場所という意味で書いてます。
5.Butterfly
そのまま蝶をイメージしています。蝶は美しく華やかに飛び、優雅さもあり、やんちゃさもあります。これを比喩的なイメージで書いています。
6.Gravity
重力というイメージを持つかもしれませんが、縛り付けているもの、というニュアンスです。人間生きていると身動きとれなくなってくることがあります。思いと裏腹に生き辛さが大きくなってくる、息が詰まるような描写を曲にしました。
7.Wait for You
あなたを待つというタイトル通り、ロマンスを感じる曲です。
8.Morning Aria
「Wait for You」とうって変わって清々しいさわやかな朝で、今日が始まるという曲です。ここでストーリー上、聴き手の頭の中を少し心機一転、ターニングになるところです。
9.Like the Wind
僕の趣味がドライブなのですが、ドライブチューンを作りたいと思いました。さわやかに風が抜けて、道が進んで違う場所へ、物語の中に映えると思います。
10.Something Blue
マザーグースの中でSomething Fourというキーワードがあるのですが、これは結婚式の時に花嫁が身につけると幸せになれるという、4つのもので、Something oldは古いもの、Something newは新しいもの、Something borrowedは借りてきた何か、Something blueは何か青いもの、という素敵なお話があり、そこからタイトルをつけました。
この曲の意味合いはもっと大きく、青は幸せを司る色であったり、純粋さ、絆などピュアなものを司る色だと思います。広い意味での青を詰め込んだ曲です。
11.Remember
自分が歩んできた道を時には立ち止まり、後ろを振り返ってみて人生のページを一枚一枚めくって振り返るような曲です。
12.Never Ever
物語でいえばクライマックスで、物語が延々と続いていく様な意味合いの曲として入れています。この曲はストーリーを意識した時に作った曲です。
13.夢のつづき
人生の最後、年老いて華やかな時間が過ぎていてもずっと続いていく思いや、次の代にもこの先もずっと続くという意味合いで、「Never Ever」とは違った意味合いで続いていくこととしてフィナーレとしています。 |