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ギタリストインタビュー〜小沼ようすけ
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自分のスタイル、表現方法を見つけないとギターを弾くのがつまらなくなると悩んでいました

ーこのコンテストが1999年で、2001年にファーストアルバム「nu jazz」をリリースしていますね。ここからはアルバムを定期的にリリースし、ライブを中心に活動されていたのでしょうか。

小沼:そうですね。いろいろなレコーディングにも参加しています。ジャズに限らず、いろいろなアーティストともレコーディングしていますね。ヴォーカリストと一緒にやる時はエレキとアコギの両方を音源に入れることが多いです。自分のアルバムでもデビューアルバムから少しずつアコギを使い始め、段々とアコギの割合が多くなってきました。

ー現在は指で弾いていますが、最初はピックで弾いていたのでしょうか。

小沼:はい。自分の音色が欲しいと悩んでいた時期がありました。歴史ある昔のジャズが大好きで、日本人である自分が練習して取得すれば取得するほど辿り着けない何かがあり、憧れすぎてしまってもいて、そこに向かえば向かうほど辿り着けない自分に落ち込みました。そこで、自分のスタイル、表現方法を見つけないとギターを弾くのがつまらなくなると悩んでいました。
その時、フランス、ニューヨークを渡り歩いてきたアフリカ人のリチャード・ボナというベーシストと、たまたまニューヨークで自分のアルバムのレコーディングをするチャンスがありました。その時にリチャード・ボナが僕のギターを指で弾いたんです。速い曲だったのですが、やわらかい音で弾いていました。ピックだととんがっているものがドンと出てくる感じなのですが、この音色は丸太のように太い音が出てきて、これが自分が求めているだと思いました。レコーディングは2日間だったのですがこの音を出したいと思い、2日目は指弾きをしてみたんです。そのプレイバックを聴くと、その時たまたまうまくいったのか、すごく個性がある独特なトーン、自分の声に近いいいトーンだと思いました。ここからピックでは弾かなくなりました。これが2004年だったのでちょうど10年前ですね。

ーこのレコーディングの前は指弾きの練習をしていたのでしょうか。

小沼:バラードなどアルペジオは指で弾いて、速い曲やカッティングはピックという感じで、7割がピック、3割が指弾きでした。このレコーディングで指弾きのがいいと思ったのですが、ピック弾きを求められることもあるので葛藤はありました。付け爪も試しましたね。でもエレキギターでは付け爪では自分的に痛い時があって、爪を伸ばしてしばらく弾いてましたが、これも自分では何か違うと感じ、最終的には指の腹だけで弾くことを何年かかけて確立しました。
もうピックは捨てましたね。ピックでしか得られないシャープさを捨てた代わりに、指のあたたかさや個性を得ています。

ー辿り着くまで時間がかかっていたのですね。

小沼:そうですね。ギターに直接触れて音を出すことが自分に合っているというか、最終的にはこうなりました。どんどんシンプルにしていきたいというのが自分の中にあって、スティールでもガットギターでもエレキギターでも、全部同じスタイルで弾こうと決めました。

ー今はピックは全く使わないのでしょうか。

小沼:使いません。ピックで弾けば、当時の時代で止まったままのことはできますが意図的になってしまって、自分がギターを弾いて、ギターと一体化する感覚はピックでは味わえなくなっています。

ーそうするとアコースティックの割合も多くなりそうですね。

小沼:そうですね。でもエレキをアコギのニュアンスで弾けるし、スティールのジャキジャキした音は出せないですが、その分太いグルーブは指の腹で得られるというか、より原始的なリズムとかは指の腹で演奏する方が自分としては合っています。

ージャズを始めた頃はジョージ・ベンソンなどの影響があったようですが、指で弾くようになってからは影響を受けたり参考にしたギタリストはいますか。

小沼:たくさんいます。フラメンコのパコ・デ・ルシアやヴィセンテ・アミーゴを研究したり、クラシックギタリストの大萩康司くんと共演することがあって、その時に彼の音色の美しさにやられて、どうやってピッキングしているのか教えてもらいました。ジャズ系ソロギターはジョーパス、タックアンドレス、ソウルフルな柔らかいカッティングはコーネルデュプリーから、ウェス・モンゴメリーの親指で弾くトーンに憧れたり、エレキギターではジェフ・ベック、ガットギターをジャキジャキ弾くキザイア・ジョーンズや、ピエール・ベンスーザンなどのフィンガーピッカーも参考にしたり、多くのギタリストをチェックしました。いろいろなギタリストに3ヶ月くらいはまっては違うギタリストにはまり、研究をしては取り入れてきました。
ありとあらゆる指弾きを研究しましたが、行き着いた所はすごくシンプルで、一番暖かい音色をもらえる、爪を使わない奏法に辿り着きました。

ーアルバム「3.2&1」ではそのスタイルが確立されて、ほとんどガットギターのアルバムだったと思います。
小沼:数曲ES-335ですが、ポリトーン直でマイクも立てていて、アコースティック感覚で録音したセミアコの音です。全てアコースティックといっても過言ではないですね。この時は自分がナチュラルなものを求め始めていた頃です。ファーストアルバムから都会的なものを求めていたのですが、自分は田舎育ちだし、何かしら緑や海といった自然を感じるものが自分に合っていると思い始めました。ここから自分の中で何かがシフトされてきましたね。

ーお住まいは海の近くと聞いています。小沼ようすけ

小沼:はい、湘南です。「3.2.&1」がリリースされたのが2006年4月頃で、録音したのが2006年最初くらいだったのですが、レコーディングした直後に葉山に引っ越しました。ここは窓を開ければ波の音が聞こえるところで、数年住んで自分の中でいろいろと変わってきました。ここから海沿いの茅ヶ崎や辻堂、鎌倉などに住みましたね。
東京から離れていて最初は大変かと思ったのですが、この帰ってくる時間がいいんです。その日のライブやレコーディングの音源を聴いていろいろと考えたり、帰りの1時間というのは自分の中で整理するのにちょうどよくて、全く苦になりません。行きは渋滞で苦になることがありますが(笑)。帰りは横浜を越えて湘南方面に入ってきた時の自分がオフになる感じがいいなと思っています。
都会のエネルギーが渦巻いている中で、そのエネルギーに乗っかって何かを生み出し続けるということができる人もいますが、僕はそれよりも客観視したいタイプで、都会に住んでいた時はプロとしてやらなければいけない情報とか、いろいろな刺激は都会の方があるから最初は夢中で楽しくて、東京は最高だと思っていましたが、自分の奥底から出る音楽をやりたいと思った時に、一人の時間で自然を感じながら気持ちよく過ごせた方が、ピュアなものが生まれるような気がしました。

ー今までギターを学校だけでなく個人的に教えてもらったことというのはあるのでしょうか。

小沼:音楽学校にいった時、学校でも個人でも二人の先生に教えてもらっています。小塚先生と岡村先生です。

ーパンスクールオブミュージックの岡村先生は、私の知り合いも習っていました。ライブなどはあまりしていないようですが、凄いギタリストだと聞いています。

小沼:7弦ギターを弾いていて、知る人ぞ知るという、秘境にいるような方です(笑)。ネットでもほとんど情報が無いですが、凄いですね。究極の美学を持っています。当時荷物を持ってライブについていって、見させてもらいました。こういった現場やリハーサルを見たのがすごく勉強になりましたね。僕が岡村先生に習っていたのは7弦ギターを使う前でしたが、ちょうど7弦ギターをオーダーして、それが出来るまでスティーブ・ヴァイモデルの7弦ギターで練習していたのはいい思い出です(笑)。岡村さんにはみっちりといろいろなことを教えてもらいました。学校を卒業した後もライブを見させていただき、レッスンにも行ってました。


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小沼ようすけ http://www.yosukeonuma.com/

1974年、秋田県生まれ。
1995年、ヘリテージ・ジャズギター・コンペティション世界大会で3位。
1999年、ギブソン・ジャズギター・コンテストで優勝。
2001年にアルバム『nu jazz』でデビュー。
ソロアルバムからバンドや様々なミュージシャンのレコーディングに参加。
ライブ活動も精力的にこなす。
プロフィールの詳細はこちら→http://www.yosukeonuma.com/biography.html

New Album「GNJ」
GNJ


小沼ようすけ new album「GNJ」
発売日:2014年10月22日

2001年、アルバム「nu jazz」にて鮮烈なデビューを果たしたギタリスト小沼ようすけ。その後6枚のアルバムをリリース、ジャズだけにとどまらないジャンルを超えて魅力を放つギター・サウンドと、誰もが認める確かなテクニック、そして誰からも愛される人柄から日本ジャズ・シーンにおいて不動の人気ギタリストの座を確立した。
そして小沼ようすけ4年ぶりのニュー・アルバム「GNJ」はT5Jazz Records移籍第一弾。
タイトル「GNJ」はGreen Note Jazz の略。ジャズの音を表すBlue Noteに、小沼ようすけがここ数年意識しているオーガニックでナチュラルな音を掛け合わせた造語「Green Note」。そして、小沼ようすけの原点であるジャズをこれまで以上に意識しつつ、デビュー・アルバムである「nu jazz」から発展し、今年40歳を迎える小沼ようすけが新たに原点回帰的なスタートを切ろうというタイトルが「GNJ」(Green Note Jazz)なのです。
これまで以上に、グルーヴィーで、メロディアスで、ジャズしている小沼ようすけサウンドをご体感ください。

収録曲
1 Jungle
2 June 7th
3 Bamboo / Tonlé Sap
4 Impressions
5 Super Moon
6 What A Wonderful World
7 Sketch Of 60s
8 I Think It’s Going To Rain Today
9 Explorer

Personnel
小沼ようすけ - guitar
金澤英明 - bass
鈴木正人 - bass
坂田学 - drums
仙道さおり - percussion

Recorded at LANDMARK STUDIO on June 18-19, 2014

【CD】(HQCD仕様)
品 番:T5J-1006 価 格:2,400円 + 税
【USB】(完全生産限定盤)
品 番:T5J-5006 価 格:3,000円 + 税
内 容:
・24bit/96kHz FLAC
・320Kbps MP3
・Jungle (excerpt) Music Video
・デジタルブックレット(PDF)
【デジタル配信 (ハイレゾ: 24bit/96kHz FLAC) 】
価 格:2,700円 + 税
【デジタル配信】
価 格:2,000円 + 税

T5Jazz Records http://www.t5jazz.com/p/t5j-1006.html



小沼ようすけ new album 発売記念ライブ
「The Road to GNJ」

2014年12月22日(月) 渋谷 duo MUSIC EXCHANGE
OPEN 18:30 START 19:30
ADV.¥4,800- DOOR.¥5,300-(税込み/1DRINK別)

*未就学児童入場不可
*学割¥1,000(会場にて学生証提示の上、キャッシュバック致します。)

【出演】
小沼ようすけ(Gt)
金澤英明(W.Bass) / 鈴木正人(E.Bass) / 坂田学(Ds) / 仙道さおり(Per)

アルバムタイトルはGreen Note Jazzの略。ジャズの音を表すBlue Noteに、オーガニックでナチュラルな音を掛け合わせた造語「Green Note」。
小沼ようすけの原点であるジャズをこれまで以上に意識しつつ、今年40歳になる節目にデビューライブ会場であるduo music exchangeにて、原点回帰ライブを開催する。

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