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ギタリストインタビュー〜塚本浩哉
アメリカを拠点としてギタリストとして活動を行う塚本浩哉さんに、これまでの演奏活動や現在のソロ活動、ワールドワイドな曲調やアメリカでの活動内容など、幅広くお話しいただきました。

Acoustic Guitar World vol.56 電子書籍(EPUB)ファイルをダウンロード
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今までだったら一つの見方しかできなかったのが、いろいろな角度から見る事ができるようになりました

ーギターを始めたきっかけを教えていただけますか。

塚本浩哉(以下、塚本):中学2年生の時に、父がブルーグラスが好きだったのでバンジョーを買ってきたんです。父は自分で弾かずに、僕に弾いてみろ、みたいに言われたので手にしました。それからなんとなく弾いてはいましたが、1年後くらいに母がギターをもらってきました。ギターは友達が弾いていることもあり、自然とそちらに移っていきましたね。

ー当時はどのような曲を弾いていたのでしょうか。

塚本:フォークソングなどの弾き語りです。中学生の時にメキシコにホームステイをしたのですが、僕と同い年くらいの人がいたのですが、ギターがとてもうまかったんです。南米のフォルクローレのような曲を弾いていました。それが頭に残っていたののと、大学ではスペイン語学科で南米の文化も学んだこともあり、フォルクローレに興味を持ちました。大学の先生の一人にフォルクローレの達人のような人がいて、その先生にバンドに入らないかと誘われ、そこでいろいろと教えてもらいました。

ーフォルクローレだけに傾倒したのでしょうか。

塚本:いえ、同時にジャズとかいろいろな音楽もやってました。当時はナイロン弦のギターとエレキギターを弾いていましたね。

ー大学を卒業してからバークリー音楽大学に入学されたのでしょうか。

塚本:はい。大学2年生くらいの頃に、他の大学の人から一緒にバンドをやらないかと誘われました。そのバンドのリーダーがバークリーでサックスを学んだ人で、彼のつながりでバークリーの卒業生と演奏する機会が増えていき、アメリカで勉強する魅力をいろいろと聞きました。それで行ってみたいという気持ちが大きくなっていきましたね。

ーバークリーの入試というのはどのようなものなのでしょうか。

塚本:テープ審査と実技審査があります。先生が各地を廻っていて、僕は神戸で受けました。

ー在学中にINTEROCEANICO(インテルオセアニコ)というバンドを組まれたのでしょうか。

塚本:はい。最後の年ですね。メンバーは8人でした。

ーどのような音楽性のバンドだったのでしょうか。

塚本:ジャズと南米音楽でしょうか。アコースティックですが、広がりのあるサウンドです。

ーいろいろな国籍のメンバーで構成されていたのでしょうか。

塚本:ベースは日本人ですが、アメリカ、アルゼンチン、コロンビア、韓国といったところです。バークリー音楽大学はアメリカの学校ではありますが、半分くらい留学生です。いろいろな国のいろいろな音楽性の人達が集まっていますね。

ーバンドではギターの演奏だけでなく様々なことをやっていたようですね。

塚本:はい。作曲を一番やりたくて、それを形にしたかったというのがあります。他にもアレンジやプロデュース的なこともしていました。この時はソロとしてではなく、バンドとしての活動ばかりでした。卒業してからもこのバンドを続けていましたね。

ー卒業後は日本に帰らずにずっとバンドを続けようと思っていたのでしょうか。

塚本:とりあえずは残るという感じで、ずっと残るつもりではなかったです。ずるずると続けてましたね(笑)。

ーバークリーに行く前と行った後では音楽性などどのように変わりましたか。

塚本:バークリーではジャズを中心に勉強しましたが、先生も様々な先生がいるし、生徒は世界中から来ているので、それぞれ音楽の見方、見る角度とかが違っていて、自分自身も今までだったら一つの見方しかできなかったのが、いろいろな角度から見る事ができるようになりました。

ー2004年にはINTEROCEANICOでアルバムをリリースされています。このままアメリカで活動しようと決めたのでしょうか。

塚本:そういう感じでしたね。

ー日本で活動しようということは考えなかったのでしょうか。

塚本:いいえ、選択肢としてはありました。絶対アメリカで活動しようというつもりではなかったんですね。でもアメリカで活動する方がいいと思いました。

ーバンドをされていた時はソロの活動をしていたのでしょうか。

塚本:いいえ、全然していなかったです。

ー現在はソロでの活動が中心のようですね。

塚本:最近はソロかデュオなど小さな編成が多いですね。

ーソロの曲は日本で活動しているソロギタリストの楽曲とは趣がかなり異なっているようです。かといってそれほどアメリカ音楽の影響が強いようにも思えません。アメリカを連想させることも無いし、どの国の音楽かなかなか連想できない、無国籍な感じがします。影響を受けているアーティスなどはいますか。

塚本:バークリーに入った頃はパット・メセニーが好きでしたね。バークリーではジャズを一通り勉強しましたが、元々ブルーグラス系も好きだったので、この4年くらいの間にライブなどに行くことが増えて影響を受けていると思います。音楽性だけでなく、フォーク系のミュージシャンがどのようにコンサートを構成するか、コンサート自体の流れを作るかというところに刺激を受けています。あと、今はクラシックやジャズをよく聴きますね。

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塚本浩哉 http://www.hiroyatsukamoto.com

京都府生まれ。
大阪外国語大学(現・大阪大学)では、南米のフォルクローレ(伝統音楽や民謡)について研究。
2000年にボストンのバークリー音楽大学入学。
自己のバンド、INTEROCEANICO(インテルオセアニコ)を結成。
2003年、プロフェッショナルアチーブメント・アワードを受賞。
2004年、バンドのデビューアルバム"The Other Side of the World"をリリースし、アメリカ国内をはじめ、ヨーロッパ、南米などでも取り上げられた。
2006年、バンドの2作目、"Confluencia"、2008年には3作目 "Where the River Shines" を発表。
作曲家としては、アルゼンチンの映画 "Tierra de Destierra"(エドゥアルド・デ・ラ・セルナ監督)にも曲を提供。
2006年よりコロンビア出身のシンガーMarta Gomez(ビルボード最優秀ラテンアルバム・ノミネート)のプロジェクトにギタリスト、アレンジャーとして参加。
2011年にはアメリカの長寿音楽テレビ番組 "Horses Sing None of It!"にソロで出演。
同年アコースティックギター1本によるアルバム"SOLO"を発表。
2012年、日本語作品とインストゥルメンタルを織り交ぜたアルバム"Heartland"をリリース。
2014年、3作目のソロアルバム"Place"をリリース。

プロフィールの詳細はこちら→http://www.hiroyatsukamoto.com/biopagejapanese.html

New Album「Places」
Places


2014. 9. 19 333discsよりリリース

1.Black Canyon
2.Vuelta
3.Another Great Day to Be Alive
4.Confluencia
5.Mountain Song
6.Aiyanna
7.By the Sea
8.Cielo y Mar
9.Takibi


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