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ギタリストインタビュー〜塚本浩哉
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ークラシックはギターでしょうか。

塚本:オーケストラなどいろいろなクラシック音楽を聴いています。

ーウィンダムヒルなどの影響は受けてないですか。

塚本:最近少し聴いたくらいです。それまでCDも買った事なかったですね。

ー何故ソロに移っていったのでしょうか。

塚本:バンドでは、ギターのパートというのは限られているじゃないですか。ソロがあってメロディがあって。例えば日本に帰った時に、友達とかにギターを弾いてくれと言われても、ジャズのシングルノートでソロを弾いてもわかりにくいです。そういうことも考えて、4年前にソロとして一つのコンサートをできるようしたいと思いました。
バンドだとお金はかかるし、ソロだと経費もかからないので、それも大きいですね(笑)。

ー日本とアメリカでは客層も随分違うと思います。

塚本:アメリカでは僕のことを初めて聴いた時に、素直に反応してくれます。僕もそうなのですが日本だと周りの反応を見ながらというところがありますね。

ーアメリカの方が活動しやすいのでしょうか。

塚本:日本もいろいろな地域でライブなどの活動をする人がいると思いますが、アメリカは広いんですね。新しいところには新しい人がいて、今はそれが面白いですね。

ーアメリカは地域によって音楽性も随分違うのでしょうね。

塚本:それぞれ違いがあって面白いですね。南に行くとテネシーがあり、ブルーグラス系、オールドタイムが盛んです。そういう音楽を好きな人が聴きにきてくれて、その人達の感覚で僕の音楽を聴いてくれます。コメントも彼らの中の音楽と比べてのコメントを聞けるので面白いですね。
日本では耳にしないミュージシャンの名前が出てきたり、こういうのを聴いてごらん、といったようにおすすめを教えてくれます。

ーアメリカでは初めて聴いた音楽で名前を聴いたことがなくても、よい音楽であればよいと受け取ってくれるような気がします。

塚本:それは感じますね。

ーアメリカでソロギタリストと共演されることはあるのでしょうか。

塚本:先日ケン・ボンフィールド(http://www.kenbonfield.com)というハープギターを弾くギタリストと共演しました。クラシックギタリストとの共演もありましたね。

ーソロではナイロン弦とスティール弦を使用しているのでしょうか。

塚本:今はナイロン弦はほとんど使っていません。使っていたのは2年くらい前までですね。両方使っていると、どちらもタッチが中途半端になってしまうので、今はスティール弦だけを使っています。

ーナイロン弦とスティール弦は別の楽器くらいの違いがあると思います。

塚本:クラシックギタリストの曲を聴くのは好きなので、こういうダイナミクスとかをイメージしたり勉強になりますね。アコースティックだと最初から最後までアルペジオで平坦になりがちだったりしますが、クラシックだと山あり谷ありといった感じです。


ギターのマニアックな部分も聴いていただきたいですが、それ以上に音楽全体を聴いてもらえたらと思います

ー使用しているギターについて教えていただけますか。
本郷ギター
塚本:浜松で製作されている本郷ギター(http://www2.odn.ne.jp/hongoh-guitar/)です。10年くらい前からですが、元々ナイロン弦を使っていて、その後スティール弦を2本使用しています。

ーどのようなきっかけで本郷ギターを使うようになったのでしょうか。

塚本:元々友人なんです。大阪外国語大学時代の先輩で、最初はピアノのメーカーで働いていました。その後ギターを作るようになって、10数年前にプロトタイプのようなギターを作ってもらいました。その後から僕もいろいろアイデアを出して、作ってもらっています。

ーアメリカで活動しているのにどのような機会で日本の手工ギターを選んだのかわかりませんでした。元々の友人だったというのも面白いですね。

塚本:アメリカのギターも好きなんですが、やはり日本のギターを使いたいという気持ちがあります。あと、アメリカのギターはアメリカ人向けに調整されているところがあって、自分の手のことなどを考えると日本のギターの方がよいと思います。

ーエレキギターも弾いているのでしょうか。

塚本:ストラトはたまに弾いてます。鈍らないようにはしたいと思ってますが、結構鈍ってます(笑)。誰かに頼まれて弾くことはありますが、自分のライブではアコースティックだけですね。以前はセミアコ、ストラト、ナイロン弦を使い分けていました。

ー日本のツアーではスティール弦のみでしょうか。

塚本:そうですね。今年のツアーはパーカッション奏者の武石聡と一緒に演奏します。武石さんとはアメリカでもよく一緒に演奏しています。
武石さんはシンプルなセットでいろいろなことをしてくれます。アコースティックギターのボリュームに合わせてセットを変えてくれますね。
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塚本浩哉 http://www.hiroyatsukamoto.com

京都府生まれ。
大阪外国語大学(現・大阪大学)では、南米のフォルクローレ(伝統音楽や民謡)について研究。
2000年にボストンのバークリー音楽大学入学。
自己のバンド、INTEROCEANICO(インテルオセアニコ)を結成。
2003年、プロフェッショナルアチーブメント・アワードを受賞。
2004年、バンドのデビューアルバム"The Other Side of the World"をリリースし、アメリカ国内をはじめ、ヨーロッパ、南米などでも取り上げられた。
2006年、バンドの2作目、"Confluencia"、2008年には3作目 "Where the River Shines" を発表。
作曲家としては、アルゼンチンの映画 "Tierra de Destierra"(エドゥアルド・デ・ラ・セルナ監督)にも曲を提供。
2006年よりコロンビア出身のシンガーMarta Gomez(ビルボード最優秀ラテンアルバム・ノミネート)のプロジェクトにギタリスト、アレンジャーとして参加。
2011年にはアメリカの長寿音楽テレビ番組 "Horses Sing None of It!"にソロで出演。
同年アコースティックギター1本によるアルバム"SOLO"を発表。
2012年、日本語作品とインストゥルメンタルを織り交ぜたアルバム"Heartland"をリリース。
2014年、3作目のソロアルバム"Place"をリリース。

プロフィールの詳細はこちら→http://www.hiroyatsukamoto.com/biopagejapanese.html

New Album「Places」
Places


2014. 9. 19 333discsよりリリース

1.Black Canyon
2.Vuelta
3.Another Great Day to Be Alive
4.Confluencia
5.Mountain Song
6.Aiyanna
7.By the Sea
8.Cielo y Mar
9.Takibi


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