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ースティングとのツアーとはどのようなものでしょう。
ドミニク:スティングとツアーをするということは、想像を超えたことばかりだ。25年たっているけれども、毎日頬をつねって夢じゃないかと思ってるよ(笑)。スティングと一緒に演奏するのはとても高いレベルが必要だし、そこにいるミュージシャンは素晴らしいミュージシャンばかりなので、彼らと演奏できるのはすごいことなんだ。もし、そういう条件で演奏したいのならば、他の人がどのように演奏しているのかを聴くということがヒントになるだろう。スティングと一緒に演奏しているミュージシャン達が何をしているかというと、僕によく聴こえるように演奏しているんだ。だから僕も彼らによく聴こえるように演奏している。それは一番のヒントだと思うよ。サッカーのチームのようだね。ミュージシャン以外のスタッフたちともチームとして連帯している。彼ら一人一人に大事な役割があるんだ。
ースティングのサポート以外でもソロの活動をされています。ファーストアルバムはギター中心のインストゥルメンタルですね。
ドミニク:ギターの音楽というのが、自分にとって一番純粋な音楽なんだ。普段の仕事では歌手がいて、その後ろで弾くというのがほとんどです。普段の仕事はもちろん好きだし感謝しているけれども、その反動のようにギター音楽を一人で演奏するというのも好きなんだ。自分のきっかけでもあるブラジル音楽などは、今でも一人ですぐにやりたくなる音楽だね。
インストは背景が浮かぶ、説得力がある音楽だと思っている。聴く人によって、ストーリーを自分で作ることができるんだ。
ー「Shapes」というアルバムはとても印象的でした。バッハなどのクラシック音楽をとてもユニークな解釈をしていたと思います。
ドミニク:レコード会社からいい機会をもらったね。クラシックの音楽をやらないかと言われたのだが、最初はクレイジーなアイデアだと思ったよ(笑)。自分がジュリアン・ブリームのようなクラシックギターは弾けないとわかっていたので、一つ条件を出したんだ。クラシック音楽を、まるで去年友達同士で作ったようなアレンジにしてもいいならやってもいいと。そして、クラシック音楽という考え方ではなく、単純に美しい楽曲としてとらえられるようにアレンジしたんだ。すごくいい音楽になったと思うよ。
ー「Decca」というレーベルはクラシックの名門レーベルだと思います。そういったアイデアに反対は出なかったのでしょうか。
ドミニク:Deccaのユニバーサルのクラシック部門で、変わった機会を与えてくれたと思うよ。このアルバムは2003年にリリースされたけれども、当時クラシック音楽のクロスオーバーが流行ってたんだ。その時流に乗ってしまったかなというのは少し反省している。僕のやりたいことというより、マーケティングが勝ってしまったのかなというのもあります。ただ、ストリングスが少し多かったかなとは思うけど、作品はとても気に入っているよ。すごくいい経験になったね。
ー「シャコンヌ」には歌も入っていましたね。
ドミニク:ブエノスアイレスの友人のAlejandro Lernerが歌ってます。アルゼンチンでは有名なポップスターだよ。シャコンヌはギターで勉強をしたけれども、最初の4つのコードはポップスにぴったりだと以前から思っていたので、今あるどんな曲よりもモダンではないかと考えたんだ。このヴォイシングは、これ以上新しいものはできないのではないかというくらい素晴らしいものだね。
ー「Shapes」がリリースされた少し後だと思いますが、日本のクラシックギタリスト村治佳織さんのアルバムに参加していますね。
ドミニク:彼女は素晴らしいギタリストだね。一緒にレコーディングする機会をもらったのはありがたいと思っているよ。
ーどういった経緯でアルバムに参加されたのでしょうか。
ドミニク:彼女のマネージャーからのアプローチだった。そこで彼女のアルバムを聴いて、こんなにうまいギタリストは聴いたことがないと思ったよ。世界でもトップクラスじゃないかな。とても可愛らしくいい人だしね。
ー他に日本のミュージシャンと共演したことはありますか。
ドミニク:THE BOOMの宮沢和史のアルバムに参加している。僕はいつでも誰とでもやるよ(笑)。
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