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ギタリストインタビュー〜TARO & JORDAN
マンドリンの井上太郎とギターのジョーダン・マコンネルによるグルーヴ感あふれるデュオ、TARO&JORDAN。出逢うべくして出逢った二人のミュージシャンに、二人の感性や現在の活動などについて話していただきました。

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二人で楽器を弾くのはもちろん楽しいのですが、弾かなくてもいいんです

ーTARO&JORDANはどのように結成されたのでしょうか。


井上太郎(以下、井上):2011年震災の直後ですね。ジョーダンが友達に会いに日本に来たんです。ギター作りを一緒に習った仲間がいて、寄木細工や仏師の技術を教えてもらって日本の工芸に興味があったようですがなかなか日本に来ることはできなかったようです。初めて憧れの日本に行くと決めて、サンフランシスコのYoshi'sというジャズクラブがあるのですが、オーナーのヨシさんの友人とジョーダンの友人が知り合いということで、ジョーダンに演奏の仕事を紹介してくれました。もう一人ジョーダンの友人でフィドラーのケイシー・ドリーセンが一緒に日本で演奏の仕事をすることになりました。
ジョーダンが先に数週間日本で観光をして最後に仕事をすることになっていたのですが、ケイシーが出国しようとしたらパスポートがきれていて日本に行けないということになったんです。そこで、人を介してジョーダンが困っているということで僕に話が来たんです。場所は湯河原で、前日に打ち合わせをしようということで楽器を弾き始めました。ジョーダンはアイリッシュ一筋で僕はブルーグラス一筋で、共通して知っている曲はほとんどないのですが適当にグルーヴを刻んで適当に弾いてると物凄く楽しかったんです。むちゃくちゃ楽しくて一晩中弾きまくってましたが、一回演奏をしてそれでバイバイでは惜しいと思い、その日のうちに渋谷のライブハウスに電話して2日後にブッキングしてもらいました。2日後のことだし、お互い知ってる曲を探しても仕方がないので、さっきやった適当に弾きまくったグルーヴをやろうということになりました。
本番ではジョーダンがリズムを弾いて僕が乗るという、即興のライブを2時間やりました。それがすごく調子良くて、ジョーダンも日本が気に入りましたね。
あとジョーダンは彫りが好きで、何十年も神様と崇めてる彫り師とコネクションができて、その人に彫ってもらうということで日本に通うことにもなったんです。ジョーダンが日本が好きで日本に来るので、そこで二人で演奏しています。

TARO & JORDANー二人が出会ったのは偶然なんですね。

井上:本当に偶然ですね。何もわからずに湯河原に行って、音を出した瞬間に必然に変わりました。ゾクゾクしましたね。

ー二人の音楽性は随分異なるようですが、なぜ初めての演奏でここまで気があったと思われますか。

井上:音楽性というのはあまり関係ないのかもしれません。僕はマンドリン弾きで、ブルーグラスだけでなくいろいろなところで演奏してきました。音楽性よりは人間的なグルーヴ、人間の持っている呼吸、人としての有様というのがマッチしたのではないかと思います。二人で楽器を弾くのはもちろん楽しいのですが、弾かなくてもいいんです。旅して遊んでるだけでいいんですね。昨日(9/15)も金沢でライブだったのですが、リハーサルはしないんです。ややこしい曲はたくさんあって思い出せないんですが、リハーサルをしないんです。最初にノーアイデアで挑んだ時の感動がたまらないんです。支度して上がるよりは、人間と人間がぶつかって正解というのが気持ちいいんです。その中でも、音楽性が違うとはいえ、アイリッシュとブルーグラスは近いところにいます。

ジョーダン・マコンンネル(以下、ジョーダン):ジャズの曲でコードが何十個も変わっていくなら急に二人でやるのは難しかったり、僕がブルーグラスをやろうとしたり、太郎がアイリッシュをやろうとするとうまくいかないと思います。ブルーグラスとアイリッシュは元々ルーツはアイリッシュにあって、それが流れてきてブルーグラスに変化したところもあるので、根本的な所は近いものがあります。見えているもの、聴こえている音だけではなくて、僕たちがどういう所に行くかというのは行き方が違うだけで行く先が一緒なんです。

ー2011年からジョーダンは毎年日本に来られていますか。

ジョーダン:そうですね。最初に来日した時は「The Duhks」というバンドのツアーもしていたのでしばらくこれませんでしたが、最近は年に2回くらい来ています(笑)。

ーやはり日本を気に入ったからでしょうか。

ジョーダン:日本は居心地がよいというよりは、エキサイティングで楽しいです。


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TARO & JORDAN http://www.ann-grassroots.jp/artists/

2011年結成 。
2011年1stアルバム「DID I LAUGH IN YOUR DREAM?」リリース。
2ndアルバム 「初心」リリース。
ブルーグラス超絶技巧のフラットマンドリン奏者井上太郎と、カナダのジュノ・アワード受賞やグラミー賞 にもノミネートされた強烈アイリッシュビートのギタリスト、ジョーダン・マコンネルによる今、最も重要なアクースティックデュオ。

井上太郎 http://www.jahmando.com/taro_inoue/Hello.html

1981年兵庫県宝塚市生まれ 。
東テネシー州立大学ブルーグラス学科中退。
父親がバンジョープレイヤー母親がフィドラーの家に産まれ、
14歳でマンドリンを弾き始める。
関西学院高等部を卒業後、単身渡米。
East Tennessee State Universityブルーグラス学科に入学。
Jack Tottle,Raymond McLainに師事 。
2013年TheCASHのデビューアルバムTheCASH発表

Jordan McConnell http://www.mcconnellguitars.com

オルタティブロックバンド、”The Duhks”(ザ・ダックス)のギタリストと
してプロ活動を始め、カナダの音楽アワード最高峰、ジュノ・アワードを受賞 。
ギター製作家としても活動をする。


「初心」
TARO & JORDAN
初心

販売価格:2,000円(税込)

1. TENKA IPPIN _ 天下一品
2. RAMIE & HEMP _ からむしと麻
3. REM / BEAK DOWN
4. RATTLE MY CAGE
5. FLEXIBLE HELIX
6. THUMBS UP
7. SHOSHIN _ 初心
8. RIPPIRISE
CD販売サイト







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