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 ー二人でアルバムも作られましたね。 井上：最初にジョーダンが来た時は全て即興の演奏でした。二回目は最初に来る予定だったフィドラーのケイシー・ドリーセンと一緒に三人でツアーを行っています。その次にジョーダンが来た時に二人で本格的にやろうということになり、ツアーでCDを販売しようということになりました。三日もあればできるだろうと言って、大阪のエンジニア椛島隆さんに機材を用意してもらいました。でも一日目は何もしないで過ごしました(笑)。二日目に曲を作り出して、この日だけで4,5曲作りましたね。夜中二時くらいまで録音をして、へとへとになって眠りました。それで朝起きたら椛島さんがソファでできあがったマスターテープを手にしたまま眠ってましたね(笑)。それをCD-Rに焼いて、ジョーダンの弟のスティーブンがジャケットの絵を描き、それをコピーしました。それを販売して資金を作り、プレスしてCDを完成させたんです。トータルで三日間で一日は何もせず(笑)、録音は半日、ほぼテイク1でしたね。 旅をたくさんしていて、ツアー先でリハの時に新しいことをすぐ始めてしまうんです。基本的に曲は二人で作っていて、僕が思いついたらジョーダンがそれにかぶせてきて、僕が続きます。逆の場合もありますね。二年くらいツアーをしながら音を録っていて、それを集めたのが二枚目のアルバムです。 聴いてわかるのは、一枚目は勢いで作ってますが二枚目はツアー中にもんでいるので、プログレみたいにアッチコッチにいっちゃってます。余計に一拍多くしたり一拍減らしたり、数えにくいのをやったり、僕もジョーダンもすぐにそういうものを放り込むんです。いろいろな面で気が合いますね。 ー楽譜にするのが難しそうですね。 井上:楽譜にはおこせないでしょうね。ちょっとずつ違うからリピートがなくて、すごい長い楽譜になってしまいます。でもアコースティックギターマガジンで楽譜が掲載された曲もありますね。 作った曲は常に変化があって、いつも新しい気持ちで臨んでいます。変なエキストラビート、ノービートが出てきますが、これは僕らが自然にやったものなんです。考えると訳がわからなくなって、自然に弾いていて、一呼吸する瞬間に一呼吸おいたら弾かない瞬間があるという程度のことです。音楽というよりは会話に近いです。 ジョーダン：お互いの反応を見ながら演奏してますね。 ージャズの即興とも少し違うようですね。 ジョーダン：ジャズはヘッドがあり、それに基づいてヘッドに戻って終わります。自分たちはヘッドがあってその後変わりながら何が起こるかな、という感じになってヘッドに戻ります。 井上：即興を弾くのはジョーダンのグルーヴが一番の影響力で、それに乗っかってるだけなんです。 ジョーダン：自分のギターグルーヴは自分でギターグルーヴを弾いているのではなく、太郎の弾くグルーヴに反応してるんです。 井上：物凄いスピードで行き来して、これがすごく楽しいんです。自然体でこれほどグルーヴがマッチするのは初めてですね。頭を使わなくていいんです。体の反応だけです。 ジョーダン：アイリッシュで、これはすごいプレイヤーだという人はいます。全くノーアイデアで未知の領域で、これだけナチュラルにいられるのは初めてです。 |
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