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この時期はピーターが「Open Strings」というフェスティバルを始めた年です。レコーディングの1ヶ月後くらい先だったんですね。
なので、パリに友人がいたので1ヶ月くらいパリでライブなどをしていました。フランスは生音でライブができるんですね。空気が乾いてすごく響きがよく、日本とは全く違います。ストリートでも生音がほとんどです。面白かったのは、カフェでは音楽が流れていないんです。ストリートの演奏を聴きながら食事をするんですね。ストリートの音楽がとても心地よいんです。
それからドイツに戻り、Open Stringsでは中川イサトさん、レオ・コッケ、ジョン・レンボーン、アレックス・デ・グラッシ、ラルフ・タウナーらが出演し、すごい盛り上がりでした。
その後、日本に帰ってから打田十紀夫さんのレーベルからアルバムを出させていただきました。
ースタートですごいことがたくさんありましたね。
AKI:たまたまいろいろなことが重なりましたね。ピーターと知り合えたというのが大きいです。
ーその後は国内でライブ活動をされていたのでしょうか。
AKI:そうですね。3rdアルバム「Harvest Moon」をリリースして、かなり過酷なツアーをしていました。当時からギターを教えていて弟子がいたのですが、彼が車を運転していました。
ライブが決まっていたのが北海道と、その1ヶ月後くらいの島根だけだったのですが、ストリートなどでライブをしながら何とかなるだろうと思い、まず北海道に行きました。そこでTABレーベルつながりでライブなどでご一緒していた浜田隆史さんを訪ねたんです。弟子も一緒ということを言ってなかったので驚かれましたね(笑)。それでしばらくお邪魔していたのですが、いつ帰るんだろうと思ってたでしょう(笑)。浜田さんと何回かブッキングさせてもらい、谷本光くんが17才くらいでしたが一緒にストリートなどもしました。
その後、なぜか自分の携帯番号が知られていていろいろな人からライブの話がくるようになりました(笑)。そこで本州に戻りました。大阪や九州でいろいろな人から声をかけていただき、ライブをさせていただきました。
この頃に箏の帯名久仁子さんとのデュオ、AKI&KUNIKOが始まったんです。AKI&KUNIKOは自分たちでやろうと言ったのではなく、僕のライブを見に来る方が久仁子さんと同じ島根出身で、久仁子さんの事をよく知っていました。僕と一緒にライブをしたら面白いのではと思って、無理やりやらされたんです(笑)。
それで北海道に行った1ヶ月後くらいに島根でライブをやることになったのですが、久仁子さんの地元だからすごく盛り上がったんです。ライブは二部制になっていて、休憩の時に弟子がCDの宣伝をするのですが、なぜか静かなんです。話し声が全然聞こえずどうしたんだろうと思ったら急にワーっと盛り上がり、何事かと思ったら弟子が号泣してるんです。過酷なツアーの中で、後ろで僕らのライブを見て感極まって号泣してしまったんです。ここからAKI&KUNIKOを頻繁にやるようになりました。
ーAKI&KUNIKOのアルバムはいつリリースしたのでしょうか。
AKI:1STの「HA」はピーターのレーベル Acoustic Music Records から2003年にリリースしています。2nd「OVER THE TOP」はカリブ公演のライブ音源を半分入れ、新曲を加えて2006年にやはりピーターのレーベルからリリースしました。
ーソロデビューをして割とすぐにデュオをやるようになったのですね。
AKI:そうですね。3年目くらいだったでしょうか。当時はソロで月に一回、代官山のHoochie Coochieでライブをしていました。ここでFlower Travellin’ Bandの石間秀機さんと出会いましたが、当時は石間さんのことは全く知りませんでした。
Hoochie Coochieで演奏している時に石間さんから、「お前面白いな。一緒にやるか」と言われたんです。ちょうどAKI&KUNIKOのアルバムを海外でリリースする時期だったのでこちらの気持ちも大きくなっていて、石間さんに、「やるなら海外でやりましょうよ」と言ったんですよね。後になって、石間さんはすでに海外で有名で活躍されてたことを知りました(笑)。石間さんとのデュオ「遊弦」は最近やってないのですが、毎年のように今年はやろう、と言ってますね。
ーニューアルバム「Night of Bellinzona」はソロとしてはかなり久しぶりですね。
AKI:14年振りですね。前作の「Harvest Moon」は予告編のような感じで、その後すぐにアルバムをリリースするつもりだったんです。AKI&KUNIKOもあったし、ソロでの活動をしていない時期もあり時間がたってしまいました。録音はしていたのですが、全部お蔵入りになってしまいました。
ーなぜCDとしてリリースしなかったのでしょう。
AKI:気分が乗らなかったんですね。ライブでは「8 song」というCD-Rを販売してはいました。
ー完成度などが気にいらなったのでしょうか。
AKI:それもありますが、コンセプトがはっきりしなかったんです。アルバムには意味がほしいのですが、それが見つからなかったです。
ー曲作りはしていてもアルバムにはまとまらなかったのですね。
AKI:そうですね。曲も相当捨てています。フィンガーピックの使い方も今はかなり変えていて、前に作った曲には少し無理があるんですが今はこのピックで弾きたいという気持ちがあり、練習の時期もありました。この時は人前で弾いたらひどいことになると思いましたが、それがやっとできるようになってきた感じがします。
ー具体的にはどのような違いなんでしょうか。
AKI:鉄のフィンガーピックは変わらないのですが、先をかなり曲げるんです。前は弦に当たるところが大きかったのですが、今は先を曲げて弦の当たり方が違います。自分の曲の理想に近く、今の曲に合っているんです。
ー奏法そのものが結構変わっているようですね。
AKI:変わりますね。前のピックを使えばいいのかもしれないのですが、僕はライブではギターを1本にしたいように、ピックも変えたくないんです。
だから、今の奏法ですべての楽曲に対応する必要があるんです。
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AKI http://www.hayamamoonstudio.com/akihome.htm
1998 年に世界的なギタリスト Peter Finger に認められヨーロッパでレコーディング、パリでの演奏を行う。帰国後、数々の意欲作を発表。その神がかり的なテクニック・芸術性、その全てにおいてケタはずれな彼の演奏は聴くものをとりこにする。そのプレイや作曲法は、まさに唯一無二!!
2002 年アメリカ NAMM ショウでのデモ演奏が好評を博し、以後、世界に通用するギタリストととして注目を集め、最近では、アメリカの音楽配信サイト "MP3.com"JAZZ 部門にて "How I Feel Now" が、世界チャート第一位を獲得するなど、その独自の音楽性と奏法は多くの人々に支持されている。
2003 年には箏とのユニット "AKI&KUNIKO" のアルバム『 HA 』がドイツの ACOUSTIC MUSIC RECORDS から世界発売になり,各国で絶賛される。 2005 年には,ヨーロッパ・ツアー、カリブ~中米ツアー、 2006 年、ニューヨーク、シカゴ公演、ドイツ OpenStrings のメインステージなど、海外での活動も精力的に行う。
アコースティックミュージックレーベル "HarvestMoonRecord" では総合プロデューサーを務めるなど、今、世界から最も注目されている音楽家&ギタリストの一人である。
プロフィールの詳細はこちら→http://www.hayamamoonstudio.com/akihome.htm
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「Night of Bellinzona」
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2016年4月24日発売
販売価格:2,500円+税
レーベル:葉山ムーンスタジオ/サインポール・レコーズ
1. Porky’s Bar
2. ロミオとジュリエット
3. Night of Bellinzona
4. Mainz
5. こいのぼり
6. リンの想い
7. 君が代
8. 神々の国の首都
9. Polo Hotel
アルバムの詳細はこちら |
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