アジア最大のソロギターイベント、International Finger-Style Guitar Festival が日本で初めて開催される。出演者である小松原俊さんと下山亮平さんに、以前参加したIFSGFのことや海外のソロギター事情等、お話いただきました。
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ー7月1日に開催されるInternational Finger-Style Guitar Festival は台湾のファン・チア・ウェイ氏が企画しているイベントで、今回が日本初公演となります。お二人は中国などでもこういったイベントに出演されていますが、どのような雰囲気でしたでしょうか。
小松原俊(以下、小松原):2011年に出演していて、上海に行っています。下山くんも一緒でしたね。
(http://ifsgf.com/2011-ifsgf-音乐会/)
下山亮平(以下、下山):アレックス・デ・グラッシ、ビタリー・マクーキン、チョン・スンハといった様々な国のギタリストが参加していましたね。控え室は同じような扉で、自分の部屋と思って開けたらアレックス・デ・グラッシの部屋だったんです。出番直前だったので、謝ってすぐに出ようとしたのですが、いいよ、おいで、みたいな感じで招いてくれて、練習しているのを聴かせてもらいました。貴重な経験ですね。
チア・ウェイさんと知り合ったのが2006年頃で、最初は台湾で演奏をしました。大学の講堂などが多かったです。今は中国のコンサートホールやライブハウスでの演奏ですが、若いお客さんが多いのが印象的ですね。
ーアジア全般で観客が若いという印象があります。ギターを弾いている人も多いのでしょうか。
下山:弾いている人が多い気がします。ギターにサインをしてほしいという人も結構いました。北京や上海などの大都市だけがお客さんが多いのかと思いましたが、他の各都市もお客さんは多いようです。
小松原:初めて韓国や中国に行った頃はどんどんファンが増えている感じでした。ギターを弾く人、弾きたい人が多いのでしょうね。チア・ウェイさんのイベントは上海の前に韓国のコンテストで審査員をしています。その翌日に審査員のギタリストたちが演奏をするというイベントでしたね。
下山:今はいろいろな国のギタリストが中国などでライブを行うようになりましたね。チア・ウェイさんのイベントでも同じ年にトミー・エマニュエルや押尾コータローさん、岸部眞明さんなど多くのギタリストのライブがあるので、お客さんも全部を観に行くのは大変なくらいな気がします。
小松原:海外のギタリストが来た時だけ盛り上がるのではなく、演奏する人が増えてアマチュアの方でもライブをする人が増えたり、どんどん活発になるといいですね。
ー中国などアジアでの演奏は普段通りでしょうか。
下山:歌や言葉がなくても、演奏をしてみたら日本と変わらず伝わるものはあって、音楽を聴いていいと思うことは共通だと思います。
小松原:歌の場合、それが知らない言語である中国語や韓国語という時点で理解しようとしないで、逆にシャットアウトしてしまいます。聴いてもわからなというように考えてしまい、聴く前にシャットアウトしてしまうんです。インストだと想像しようとするし、感じようとします。シャットアウトしないからいいですね。音だけ聴くのであればどこの国でも一緒です。歌詞がある場合、わかる人にはより深くわかるかもしれませんが、わからない人はシャットアウトしてしまいます。
下山:中国でいいなと思ったのは、聴いてるお客さんが好きな曲を弾いた時に、感嘆の声をもらすんです。日本では声を出すのは他の人に迷惑と考えて静かに聴きますが、こういうのはうれしいものなんです。
小松原:かすかな反応っていいですね。曲が終わって拍手をするというのが一般的ですが、曲が終わった瞬間に「はぁ・・・」とか「へぇ・・・」とか感心するようなかすかな反応もこれまたうれしいですね。本当に好きなんだなと感じられます。
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IFSGF in Japan 特設ページ
http://www.aco-world.com/event/ifsgf2016/
小松原俊 http://www.shun-komatsubara.com/
1958年山口県生まれ。
1981年上京、1985年頃から様々なアーティストのサポート、レコーディングを行う。
1992年ファーストアルバム「DEAR」発表。
1994年セカンドアルバム「SCENE」発表。
関西電力CFソング「First Shoes」1994.5~ON AIR。
1997年サードアルバム「Naturally」発売。
2004年コロンビアよりベストアルバム「Treasures」発売。
2013年ベトナムホーチミンにて、ホーチミン総領事館主催のコンサートを開催。
2014年韓国公演を行う。
1995年より現在にいたり、藤田恵美のライブやレコーディングに参加。独自の世界観あふれるライブ活動を全国で展開でファンを魅了している。まさに日本を代表するアコースティックソロギタリストである。
下山亮平 http://r-shimoyama.guitarfreak.net/index2.htm
1982年山形県山形市生まれ。東京都 在住。
13歳でギターを手にする。James Taylor、Neil Yong、C,S&Nなど'70年代のフォーク、ロックやポップ・ミュージックに惹かれ、音楽的ルーツとなる。
2002年 ファースト・アルバム「INVITE」をリリース。
2003年中川イサト氏プロデュースのアコースティックギター・コンピレーション・アルバム「Daybreak」(第一興商)に参加。
2004年Hip Hop系ユニット、DefTechのヒット曲「My Way」にアコースティックギターで参加。
2005年2ndアルバム「Ordinary Life」をリリース。
2007年2ndアルバムに収録のギター曲「Water Dance」に歌詞が付けられて、J-pop歌手の伊藤由奈(ソニー・ミュージック)のニューシングル「Mahaloha」として提供。
2011年3thアルバム「Philosopher's Stone」をリリース。
2014年4thアルバム「Rainbow」リリース。
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