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ギタリストインタビュー〜高尾和樹
2016年12月にファーストアルバム「LIFE」をリリース。アコースティックギター、クラシックギター、ハープギターと駆使し、様々な音楽を奏でる高尾和樹さんに、影響を受けた音楽やアルバム制作について、音楽活動に対する思いなど様々なお話しをしていただけました。

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ーギターを始めたきっかけはどのようなことでしょうか。

高尾和樹(以下、高尾):小学校6年生の時の担任の先生が、ホームルームなどの時間にギターを弾いていたんです。それを見てギターって面白そうだなと思いました。あんな箱からこんな音が出るというのが面白そうと思ったのがきっかけですね。その後、中学一年生の夏にギターを買ってもらいました。
最初はストロークで弾き語りをしたのですがあまり面白くなくて(笑)、一週間くらいで飽きて放置してました。
再開のきっかけは、中学二年生の時に親から押尾コータローさんを教えてもらい衝撃を受けました。それとちょうどその頃、我が家にカナダからの留学生が来ていて、彼からメイソンウィリアムズが演奏している「Classical Gas」の音源を教えてもらいました。こういうのを弾いてみたいと思いましたね。
それから押尾さんの曲を必死でコピーして、半年くらいでライブでを始めました。地元岡山の倉敷市にある「音楽舘」というライブハウスでは昔からインスト系のギタリストがライブをされていたのですが、僕が中学三年生の時に岸部眞明さんが来られました。このライブを聴いて、ギターってこんなにも美しい音がするんだと感動しました。打ち上げにも参加させていただいてお話しさせていただきましたね。その後、岸部さんの曲もたくさんコピーしました。そこから今に至るまで、岸部さんにはとてもお世話になっています。
高尾和樹
ーソロギター以外の音楽を聴いていましたか。

高尾:中学生の頃はソロギターをひたすら聴いてました。高校生の頃からはジャズ、フュージョンを聴くようになりましたね。パット・メセニー、ラリー・カールトン、リー・リトナーなどです。パット・メセニーはソロギターアルバムも出していて、コンサートにも行きました。
高校三年生の時だったと思いますが、パット・メセニーがオーケストリオンという、ギターと自動演奏装置でセッションするという試みをしていました。これにも影響を受けて、ルーパーやギターシンセを使っていろいろな音を混ぜることを一時期やっていました。
ギターのスタイルで言えばフラメンコも大好きで、特にビセンテ・アミーゴはよく聴きました。ラテンも好きで、7弦ギターのプレイヤーなんですがヤマンドゥ・コスタのプレイはとても好きですね。
あとは中学生の頃に吹奏楽部やマーチングバンドでチューバを吹いていたので、今でも吹奏楽やオーケストラ、マーチングを聴くのは好きですし、歌モノもアーティストにはあまり拘らず幅広く聴いたりしています。

ー高校卒業後はどのような活動をされていましたか。

高尾:卒業してから1年くらいはギターばかり弾いていて、その後ホテルやレストラン、病院などで演奏の仕事をいただくようになりました。多い時は年に200本くらい演奏しましたね。
アコースティックギターは場所やシチュエーションを選ばず、小さなカフェなどであれば生音でもできるし、ホール等で大きな音量でもできます。バンドやエレクトリックな楽器と違ったアドバンテージだと思います。

ー現在は普通のアコースティックギターの他にもハープギターやナイロン弦のギターも使われていますね。やりたい音楽性が広がってきたのでしょうか。

高尾:音楽性もありますが、それぞれのギターの音色が好きなんです。本当はどれか一つにしぼって集中するべきなのかもしれないですが、どうしてもそれぞれの良さを使いたいと思い、ファーストアルバムではスティール弦、ナイロン弦、ハープギターの3種類使用しています。

ーハープギターを始めたきっかけはどのようなものですか。

高尾:僕が中学生の時にYoutubeが浸透してきた頃で、マイケル・ヘッジスの「Because It's There」を見てこれはすごいなと思いました。どうしても弾いてみたいと思っていた時、ちょうどネットオークションにヘッジスが使っていたサブベースが5弦のタイプのハープギターが出品されていて。未成年ではネットオークションではできないので親に相談したのですが、やめときなさいと言われました(笑)。6弦で練習するように言われましたね。その時からずっとハープギターはいいなと思ってました。
その後スティーブン・ベネットを知りました。ヘッジスはニューエイジ系でタッピングを多用してますが、スティーブン・ベネットはトラディショナルでベーシックな演奏でこの演奏スタイルも良いと思い、あらためてやってみたいと思いましたね。
それからしばらく経って、江坂のドルフィンギターズさんにユーズドのハープギターが入荷したみたいで、サイトに公開されてすぐに大阪に住んでいる兄が試奏しに行ったんです。そこで僕の知らない間に兄が購入し、それを僕に何も言わずに送ってきたんです。突然届いたのでかなり驚いたんですが、自分は弾く時間が無いからお前が弾けということでした。いい兄を持ったなと(笑)。それを今でも使っています。

ーハーブギターは誰かの演奏を参考にしていますか。

高尾:入手した直後は弾き方がわからないので、ヘッジスの「Because It's There」を耳コピしたり、スティーブン・ベネットの楽譜集が付いたCDを購入して参考にしたり、ライブにも行きました。それからミュリエル・アンダーソンがマーティン・テイラーと一緒に来日した時に、どのように弾いているのか観に行きました。

ーナイロン弦も使われてますが、どのような使い方でしょうか。

高尾:ナイロン弦を使っているとクラシックも弾かれるのですか、と聞かれますがクラシックは弾かないです。ジャズ系のギタリストである小沼ようすけさんやジョー・パスの全編ナイロン弦で演奏している「Unforgettable」などを聴いて、ナイロン弦の音がとても心地よくて。そんな時、地元でフルートと地元でユニットを組むことになりました。曲にもよるのですが、フルートとは鉄弦よりナイロン弦の方がよく溶け込むんです。そこから弾くようになり、ソロのパートでもナイロン弦は感情をのせやすく、人間の声に近いというか、鉄弦では難しかった表現がナイロン弦ではできたりしました。ナイロン弦と鉄弦は弾き方やタッチ、サウンドにマッチするボイシングが全然違うのですが、弾いてみるとあらためてナイロン弦の良さを感じ、ナイロン弦用の曲も作ったりアレンジを始めました。
同じギターですが全く別物で、いろいろな発見があって純粋に楽しいですね。

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プロフィール

高尾和樹 https://kazukitakao.jimdo.com

1990年岡山生まれ
ギターのみでさまざまな情景を表現する歌のないインストゥルメンタル音楽を演奏する。
通常のギターに複数のベース弦が付加された世界的にも珍しいハープギターやナイロン弦ギター、スティール弦ギターを巧みに使い分ける。
軽快な楽曲からしっとりとした癒しのサウンドまで幅広く演奏するスタイルはシチュエーションを選ばず多方面で支持され、CM音楽等も手がける。
また、その繊細な音色は海外でも高く評価されている。
ソロ活動で培った音楽性を元にした様々なジャンルのアーティストとのセッション、アンサンブルやサポートでの演奏も高い評価を得ている。
LIFE

LIFE
発売日:2016年12月3日
価格:2,500円 税込

01.Message in a bottle
02.Breeze
03.スターダスト
04.Skipping After the Rain
05.雅 -Miyabi-
06.ラテアート
07.Blue
08.PRIDE
09.パンとこなつ
10.his spirit...
11.放課後の校庭
12.夢のしおり
13.また明日

販売サイト
https://kazukitakao.thebase.in/items/4796840










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