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ーアルバムを聴いて、表現力の多彩さが印象的でした。丁寧に音色を変化させているように感じます。 高尾：技巧的な楽曲も凄く魅力的なのですが、インストだからこそ歌もの以上に歌心を大事にしたいと思っています。とにかく歌うように、メロディをしっかり聴かせられるようにすることを一番意識しています。それがタッチの使い分けにつながっているかもしれません。 ー現在はどのような活動をされていますか。 高尾：昨年ファーストアルバムを出したので、今年は全国的にツアーを行っています。レストランなどでの演奏をしていた時は、演奏の仕事ばかりで曲作りなどができなかったので、今も演奏の仕事をしてはいますがセーブしています。今後はいろいろなところを周りたいですね。東北や北海道に来てくださいという嬉しいメッセージをいただけるので、がんばって行かなければと思います。僕は旅などで風景を見るのが好きなので、いろいろな土地を回って、いろいろな体験をしたいですね。  ーそういった経験は曲作りにもつながりそうですね。 高尾：そうですね。僕は小さい頃から自然に囲まれて山や海で遊ぶのが好きでした。曲を作った時に自分ではそんなに思わなかったのですが、お客さんにはそういったところが曲に出ていると言われました。海を感じますとか言っていただけることが多いです。 ー数年前にフィンガー・ピッキング・デイに出場されましたね。一度拝見しましたが、何度か出られていますか。 高尾：いえ、エントリーしたのも2012年の一度だけです。当時はバラードを得意としていたのですが、このコンテストではリズムのある曲を演奏しました。すごく緊張しましたね。ライブとは全然違う空気なのでいい経験をしました。でも怖いので次からは申し込んでません(笑)。独特な空気で、プレッシャーがすごいですね。 最近のライブに対する思いにもつながりますが、楽しんでもらいたいというのが一番なんです。コンテストというのはある意味楽しんでもらえるのかもしれないですが、ライブの空気感を聴いてもらって楽しかったと思ってもらった方が、僕にとっても収穫だと思うんです。 ー今後はどのような作品を作ろうと考えていますか。 高尾：今もいろいろな楽器を使っていますが、それぞれの良さを出していきたいですね。僕らしいサウンドを作りたいです。アルバムを聴いて、これは高尾和樹のサウンドだとパッと思えるような曲をたくさん作りたいですね。 パット・メセニーの影響かもしれませんが、新しい試みというのを常に模索していきたいです。パット・メセニーは第一線の大御所のギタリストなのに、常に新しい試みをしているんです。今は具体的なことは明確ではないですが、いろいろなことを思いついたら積極的に取り入れたいです。ギター1本で表現することだけにとらわれないで、自分にできることはどんどん取り入れてアウトプットしていきたいです。 今年からツアーでライブを回るようになって、どうしたらお客さんに楽しんでもらえるかという思いが強くなっています。演奏がいい、曲がいいというのは前提ですが、そこから先にいかに楽しんでもらえるかです。ライブが終わって、あっという間でしたとか、また来たいですとか言ってもらえるようにしたいです。 鉄弦だけでも2時間のライブをできますが、1,2曲だけでもハープギターを持っていった方がお客さんが喜ぶのであれば持っていきたい。お客さんに喜んでもらえることはどんどん取り入れていきたいですね。 ー最後にギターファンにメッセージをお願いします。 高尾：僕は聴いていただいている方に楽しんでもらいたくて曲を作ったり演奏しているので、純粋に楽しんでほしいです。また、伝統を大事にしつつ他のギタリストの方がやっていないようなことをやってみたいという気持ちがあります。ライブも楽しんでいただけるにはどうしたら良いか、日々考えているのでぜひ足を運んでいただきたいと思いますね。アルバムもコンスタントに作っていくので、これからも聴いて頂きたいです。 【2017年10月東京にて】 |
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発売日：2016年12月3日 |
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