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ギタリストインタビュー〜Ryutaro
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■各曲解説

1.Hetu-Phala

タイトルはサンスクリット語で、因果という意味です。最初は違うタイトルでした。プロモーションビデオを作る時にどのようにするかを話し合っていたら、この曲は因果応報というイメージではないか、という話になったので、タイトルも変えました。神聖なイメージで、リバーブを深くかけて神殿で弾いているような小難しい曲です。

2.Even if it sleeps or wakes up...

この曲はソロギターを始めて最初に作った曲です。タイトルは直訳すると「寝ても覚めても」なんですが、きちんとした英語ではありません。寝ても覚めてもギターを弾いていたいというイメージで、タッピング、スラップ、ボディヒッティングなど、格好いいと思ったプレイをそのまま詰め込んでいます。

3.90's night owls

ニューヨークにいた時に作った曲です。ベッドフォードというマンハッタンの近くの町があるのですが、若者から熱いと言われている町です。この外れにボーリング場があるのですが、そこはダンスクラブになってるんです。そこに行った時に、時が止まっているような感じを受けました。倉庫を改装したような感じで、90年代のような雰囲気なんです。90年代の人はこんな感じで遊んでたんだろうなと思いましたね。「night owls」は夜行性とか夜遊びをする人といった意味で、90年代に夜遊びをしていたような人をイメージしていて、アナログな感じのプレイもあります。

4.エビングハウスの忘却曲線

エビングハウスはドイツの学者です。忘却曲線というのは人が覚えたことがどれくらいで忘れてしまうかをグラフにしたものです。この忘却曲線をエビングハウスさんが作ったんです。楽しかったことも悲しかったことも、なんでも忘れてしまうということは悲しいことでもありますが、生きていくのに引きずらないで忘れられるということは、次のステップにいけるものです。いい意味でもあり、悪い意味でもあるというイメージを曲にしています。

5.YlnMn blue

「インミンブルー」と読みますが、これは最近見つかった新しい青色なんです。80年ぶりくらいの新色で、すごく優れた青色ということです。自分は新しいスタイルでやっており、新しい曲を作っているということを提唱するために、このようなタイトルにしました。この曲は自分の中でも新しいスタイルと思っています。

6.Bone conduction

骨伝導とうい意味です。ピエゾの音というのは速く感じるんです。触るとゴソゴソ、と音がしますが、これが何より速い音だと思い、ピエゾを生かしたプレイをしたいと思いました。骨伝導というのは空気を伝わる音より速いと思うので、貼り付けピエゾが生きるような曲で、このようなタイトルにしました。

7.Envy

「嫉妬」という意味で、おどろおどろしいテーマです。暗い曲ですね。このアルバムの中で最後に作った曲です。自分の持ってるフレーズや考えの中で新しいものですね。

8.Fog

攻撃的な曲だと思います。フラメンコやスパニッシュ調だったりスラップを多用しています。ソロギターを始めたばかりの頃に作った曲で、「Even if it sleeps or wakes up…」の次くらいです。プレイを続けるうちにどんどん変化しましたね。自分で弾いても難しい曲なので、ライブではアップアップしています(笑)。
タイトルは霧という意味です。曲に入る前に4分の3のプレイが入るのですが、以前仮の録音でリバーブを深くかけた時に、霧の町が舞台の「サイレントヒル」というゲームの雰囲気を感じて、このタイトルとなりました。

9.Cat&Dog

猫と犬という異文化交流を意味しています。アメリカに行った時、日本人の自分が留学生でしたが、アメリカ人との交流があり、中国、韓国、ヨーロッパからも学生が来ていたので、異文化交流というのはいいなと思いました。そういったことをイメージしています。

10.同じ月を見ている

同名の漫画があるのですが、タイトルを拝借しています。せつない曲でいいタイトルはないか考えた時に、この漫画を知りました。同じ月を見ている時に共有しているのがいいなと思い、自分の考えと合ったタイトルでした。アメリカにいるけれども日本にいる人とシェアしているという思いでつけたタイトルです。漫画を読んだのは曲を作った後ですね。

11.Grand Central Terminal

アメリカの地下鉄のオーディションで弾いた曲です。グランドセントラルターミナル駅でのオーディションで記念すべき場所だったので、このタイトルにしました。ルーパーを一つ使い、ピッチシフターも使っています。


ーアルバムのどういったところを聴いてもらいたいですか。

Ryutaro:歌ってないので好き嫌いが分かれると思います(笑)。単純にフレーズの面白さを楽しんでほしいですね。同じソロギタリストにも聴いてほしいです。こういうプレイをする、こういう考え方もあるということを知ってほしいです。
よく技を持っていていいねと言われます。タッピングやスラップなどを使うギタリストはいますが、技がセットになっていると言われます。言葉では表現しにくいのですが、聴いてもらえたらわかるかもしれません。あと映像も見てほしいですね。

ー今後の活動予定を教えてもらえますか。

Ryutaro:「The Day of Sugarless」というイベントを続けているのですが、次は4月28日渋谷のSonglinesで予定しています。僕と福成修治くんの出演は決まっていて、他のソロギタリストにも出演してもらう予定です。その後にもライブイベントは行う予定です。
あと映像を作ろうとしています。中国の歴史もののようなビデオです。ソロギターはいらないんじゃない、というような映像にソロギターを入れたいですね。映像を作るのは大切だと思っています。
12月に始めてやったのですが、ネットライブを今後もやりたいと思っています。ライブだと限られた人しか見れないので、もっと多くの人が見れるようにしたいですね。

これからもSugarless Recordsを注目してほしいです。いろいろなアプローチをしていきます。僕のテーマの一つにアートがあります。父が美術をやっていて、アルバムのジャケットや中の絵は父が描いたものです。僕の中にもアートの部分があって、キュービズムというかアートの革命もいいなと思っていて、新しいものを作りたいというのがあります。先人からすれば、僕がやっていることは新しいものではないと言われるかもしれませんし、そうかもしれないのですが、新しいものを作ろうと活動を続けて、それを共感してくれると嬉しいですね。

ー最後にギターファンにメッセージをお願いします。

ソロギタリストとして、誰もが考えつかないような、思わずリスナーやファンの方が「アッ、、ええーー!????」って言ってしまう様な活動をしていきたいです。
やっぱりサプライズって面白いし、仕掛けてる本人が何よりワクワクできますからね。なのでRyutaro、そしてSugarlessRecordsはこれから要チェックでお願いします。
楽しいアコギライフを送っていきましょう!最後まで読んでいただいてありがとうございます!

【2018年2月東京・阿佐ヶ谷LAST GUITARにて】

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プロフィール

Ryutaro https://www.ryuryu.org/

アメリカでの武者修行中、アポロシアターアマチュアナイトにて日本人初のソロアコースティックギタリストとして出演。
国連本部にて演奏を行った経験や、グラミー賞受賞シンガーであるグレゴリーポーター氏のオープニングアクトを勤めた経験がある。
またニューヨーク市MTA公認のストリートパフォーマンスライセンスを獲得し、地下鉄構内での精力的パフォーマンスを行った。
スラップ、タッピング、ボディヒッティングの様な派手なパフォーマンスに併せてエフェクターを駆使し独自の楽曲を奏でる常識に捕らわれない唯一無二のギタリスト。
現在、日本国内にてソロアコースティックギターレーベル、Sugarless Recordsを立ち上げ、製作、ライブ、プロモーション等おこなっている。
2017年ファーストアルバム「 Say hi to everyone」リリース。

Sugarless Records http://www.sugarlessrecords.com/
Say hi to everyone
Say hi to everyone
1.Hetu-Phala
2.Even if it sleeps or wakes up...
3.90's Night owls
4.エビングハウスの忘却曲線
5.YlnMin Blue
6.Bone conduction
7.Envy
8.Fog
9.Cat&Dog
10.同じ月を見ている
11.Grand Central Terminal

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