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テルイショウ
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ーギタリストに関わらず、ジストニアが発症する音楽家は極端に若い方はいないような気がします。ある程度活動を続けた人が発症しているようですね。

テルイ:そういうのはあると思いますね。不調を感じた時にすぐに止めれば大丈夫な場合もあると思います。完全に発症してしまうと、そこでやめても悪化はしなくても回復はしません。完全に発症する前であれば、やめれば大丈夫でしょうが、演奏活動をしている方はそれが難しいでしょうね。
テルイショウ
ージストニアと判断するのも難しい気がします。ギターでは腱鞘炎も多く、区別しにくくないですか。

テルイ:腱鞘炎、ばね指などと間違えやすいでしょう。病院でも判断は難しいかもしれません。自分はジストニアについていろいろ調べたので、病院で話を聞いた時、先生によっては自分の方がわかっていたりすることもありました(笑)。
手術してくれた平先生、ならびにスタッフには本当に感謝しています。

ー予防としては、違和感を感じたらいったん立ち止まるというところでしょうか。

テルイ:そうですね。痛みやしびれ、筋肉の震えなどがある場合はそれがよくなるまで弾かない方がいいです。あとは似て非なる動きをしないことですね。

ー2016年から活動を再開されて、以前に戻りましたか。

テルイ:復帰の段階で、その時は90%くらいは戻ってるという自覚でしたが、今思うと70~80%くらいでした。今は90%以上になっていると思いますが、フォームも変えたので、復帰した2016年から数えてギタリスト3年生という感覚です。日々良くなっている実感があります。


ギターは自分の好きな音楽の世界を表現できます

ー使用しているギターについて教えてもらえますか。

テルイ:今井勇一さんが製作したギターを使っています。ソロ活動を始めてすぐくらいからですね。室内で響きの良いところは生で弾くか、マイクを使っています。
ストリートなどではホアン・エルナンデスのサンバというエレガットを使っています。こちらはジストニアになる少し前くらいにアントニオ・サンチェスから買い換えました。ピックアップは最初からついているフィッシュマンのピエゾとマイクです。カッタウェイではない、フルボディのエレガットはあまりないんです。普通のクラシックギターに穴を開けてピックアップをつけようかとも思ったのですが、アンプを通してがっかりしてしまうのがこわくて、エレガットを選びました。これはフラメンコ仕様で、ボディが薄めで枯れた音が出ます。エレガットは普通のクラシックギターよりもフラメンコギターのように薄いボディの方が良い気がしますね。胴が深いと低音が強く出るので、アンプから出すのが難しくなります。アコースティックギターに比べてエレガットを大きな音で出すのは、まだまだ発展途上のような気がします。

ー現在はストリートやライブを中心に活動されていますが、今後もそういった活動となりますか。

テルイ:そうですね。 作曲の仕事も増やしていきたいですね。

ー先日ジストニアの講習もされましたね。

テルイ:誰にでもできる経験ではないので、ジストニアになっても復帰できたという自分の経験、知識を伝えられればと思い講習を行いました。最後に選択するのは本人なのですが、情報は必要です。これを聞いた中で、自分が最善と思う方法を選択する、その手助けになればと思っています。

ー今後の活動予定を教えていただけますか。

テルイ:6/2(土)にウクレレの楠幸樹と新高円寺のSKホールでライブを行います。デュオの新曲や、酒蔵の曲もやる予定です。
最後に作ったアルバムが2011年なので、新しいCDも出したいですね。
日曜日には渋谷でギターを教えているので興味のある方はHPからメールなどでご連絡ください。不定期ですが高田の馬場でコード理論講座やアドリブ入門講座なども行なってますので、こちらもぜひご連絡ください。
演奏をぜひ聴きにきてほしいですね。ストリートではカバー曲が中心になってしまいますが、ライブでは半分くらいオリジナルです。これからもどんどん回復していくので、活動の幅も広げていきたいです。

ー最後にギターファンにメッセージをお願いします。

テルイ:ギターは自分の好きな音楽の世界を表現できます。バンドでやるようなことでもフィンガーピッキングであればそれに近いことができます。ギターは可能性が大きな楽器です。あとジストニアになっても復活してギターを弾くことができるようになるので、夢をあきらめずに続けてほしいと思います。

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プロフィール

テルイショウ http://tellshow.net

16才でエレギターを手にし、バンド活動を行い武蔵野音楽学院にてエレキギターを清水義文氏に師事、ジャズフュージョンの影響を受ける。
その後クラシックギターを鈴木憲一郎氏に師事。
1993年アップル音楽学院で講師活動を開始してから、専門学校東京ミュージック&メディアアーツ尚美、上福岡音楽スタジオ、 ヤマノミュージックサロン柏、今も務めるテルイショウGUITAR SCHOOL、ヤマハユニスタイル所沢などでのべ200人以上の生徒を指導。
モリダイラ楽器主催フィンガーピッキングコンテストにて全国決勝大会7年連続出場、2011年楽曲賞受賞。
映画館のCMソングなどを手懸ける作編曲家、ギタリスト、ギター講師、東京都公認ストリートミュージシャン『ヘブンアーティスト』 として活躍する最中、2011年後半にフォーカルジストニアを発症。
2014年6月定位脳手術をうける。
2016年4月復活ライブを行い演奏活動に復帰。
ヒカリのむこうへ
ヒカリのむこうへ
2011/2/26発売
2,000円

1.ヒカリのむこうへ
2.空は海もよう
3.雨のアルペジオ
4.TORNADO
5.砂の絨毯
6.ワルツの時間
7.情熱の剣
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9.疾走馬
10.風薫るテラスで

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