2016年にファーストアルバム「ゆく」をリリースし、兄妹デュオねこカフェの活動も活発な田部井泰和。ナイロン弦のギターで様々な音楽を奏でるギタリストに、個性豊かなルーツなど幅広くお話しいただきました。
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ーギターを始めたきっかけを教えてもらえますか。
田部井泰和(以下、田部井):きっかけらしいきっかけがなくて、父がクラシックギタリストだったこともありましたが、自分が弾くなんてとんでもないし『大変そうだし』と思ってましたので子供の頃は、ずっとギター以外のことを中心でやっていましたね。
ーどのような学生時代だったのでしょうか。
田部井:高校は美術のデザイン科にいきました。高校卒業後は彫刻コースの芸大1本にしぼっていたのですが、自分の身の丈には合ってなかったんです。
浪人1年目は予備校で勉強したのですが、2年目は宅浪でした。やはり絵を描いたりするのは向いてないというのに気がつきましたね。デッサンはなんとなく描けてしまうのですが、勢いのある線の説得力が出せず、そこに向かう努力や楽しさも知らないことに気がつきました。
学生時代はずっと趣味でバンドを楽しくやってましたね。聖飢魔IIや筋肉少女帯などが好きで、バンドではドラムでした。エレキギターもやったのですがなかなか上達せず、卒業する頃はヴォーカルだけでしたね(笑)。
大学をあきらめた後にバンド募集を出したのですが、好きなバンドがドリームシアター、フラック・ザッパ、聖飢魔IIなど焦点が定まらない募集だったので、なかなか集まりませんでした(笑)。先輩のバンドに参加した時もドラムだったのですが、ギターも少しやるようになってましたね。
兄とフュージョン系のオリジナルバンドをやるようになり、ここではエレキギターを少しと、ヴォーカルやドラムをしていました。
2002年頃だったと思いますが、バンドの曲を兄(田部井とおる)と二人でアコースティックギターで弾いた時、ここに主旋律をフルートでやると面白そうだとなり、フルートを吹いている妹を呼びました。これが「LowtensionDrinkBar方面」というバンドで、ここでは兄がほとんど曲作りをして、兄がいろいろと指示してくれましたね。
兄との活動において、ライブをやるならアコギがよいという気持ちになったのですが、この頃もギタリストになる、という意識ではありませんでした。このバンドで、コンテストに出場して賞をもらったので、このまま音楽を続けていこうと思うようになりましたが、その矢先に兄がバンドをやめてしまったんです。自分はコードワークもわからないし、タブ譜で演奏していたくらいです。そういったこともあり、1年半くらいは何もやらなかったですね。妹はオリジナル曲でライブをやるというのが楽しかったということで、何度も一緒にやろうと言われても断っていたのですが、しばらくしてから一緒にやるようになりました。これが今でも続いている「ねこカフェ」です。妹がねこ好きで、自分がコーヒー好きなので、こういった名前です。
ーお兄さんが抜けてからはねこカフェの活動が中心だったのでしょうか。
田部井:はい。ただその頃はねこカフェの曲作りをあまりしてませんでした。自分で弾き語りをやってましたね。シンガーソングライターとしては、玉置浩二、大槻ケンヂから強く影響を受けています。自分の言葉で生活というものから離れた目で見た歌詞を書くのが好きです。
ねこカフェとしてできない時は弾き語りをしていたのですが、その中でてくてくTVというケーブルテレビからコーヒーの自家焙煎のお店を取材に行くので、そこで許可があれば曲を弾いてもいいと言われたんんです。それで喫茶店に合う曲がいいかなと思って作ったのがファーストアルバムに収録されている「STEPS!」という曲です。「物思い探訪」もこの番組の収録先に合わせて作っています。
主に伴奏メインの活動だったので、コードワークメインのものができています。
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1stアルバム「ゆく」
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発売時期:2016年9月
販売価格:2,484円(税込)
1. 夜更けドリップ夜明け
2. STEPS!
3. 濡れ手に闇
4. 物思い探訪
5. ゆく
6. その中でこの中で
7. その先だ!~あやまれ(ろう)Grace~
8. 刻もう
9. 届け~念力バカ頭で
10. Smile(カヴァー)
11. 変革のマンデリン
12. その中でこの中で(ボーナストラック)
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