10年目を迎え、2014年5月24,25日に行われたTOKYOハンドクラフトギターフェス。おそらくは昨年より入場者数が増え、ますます盛り上がっていました。
ここでは個人のギター製作家を、全員ではありませんがご紹介いたします。
TOKYOハンドクラフトギターフェス公式サイト |
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■Akira Acoustic■
http://akiraacoustic.wix.com/akiraacoustic
新堀彬:ギターはオリジナルボディのA3というモデルです。これはウィリアム・ラスキンのようなアームレストを付けているので抱えやすいと思います。それと、ファンフレットで1弦から6弦の長さが違い、ブリッジ、フレッとが斜めについています。弦長は1弦側が645mmで6弦側が650mmです。
トップはシトカスプルース、サイドバックはカーリーメイプルを使っています。ボディの形はOMより少し小さいくらいでクラシックギターに近いです。弦高は少し低めなので、指弾きがしやすいと思います。
ウクレレはコンサートサイズでこちらもファンフレットになっています。
僕はギター製作を通して木材資源の枯渇などについても皆さんに語りかけられたらと思っています。その現れとして、「きなこくらふと」というサイトで端材で作ったアクセサリーの販売をしています。
・きなこくらふと
http://minne.com/kinakocraft |
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■Hiramitsu Guitars■
http://hiramitsu-guitars.com/
平光泰典:1番左のギターは2010年に大阪のサウンドメッセでデビューしたメッセモデルです。真ん中はMDタイプ、一番右はSJの変化形です。
左のギターはトップがイングルマンスプルース、サイドバックがホンジュラスローズウッドです。お客様が赤を基調としたデザインにしてほしいということでした。ヘッドはコンケーブヘッドと言いまして、普通のスロテッドタイプですとヘッドはまっすぐなのですが、中を削りペグを埋め込むことによって曲線にすることができるんです。この方法だとヘッドに自由なデザインの可能性が生まれてきます。
最近は全体的に板厚を厚くしていて、トップの中心部が3.3mmから3.4mmくらいです。その結果、太い音が出せるようになってきました。板厚をあげたからといって音が響きにくいかというと全くそういうことはなくて、ストレスないようにギターを組み上げていくと、板厚をあげてもトップの振動は得られることがわかりました。それによって得られる効果として、高音部で音がつぶれることがなくなってきました。前は2.8mm〜3.0mmくらいで、この時はバンドなどではエレキギターなどには高音部が負けてしまう感じでしたが、そういったことが解消されてきています。
MDはトップはシトカスプルース、サイドバックがインディアンローズウッドです。ボディサイズが大きくなると音は出しやすくなります。小さいボディサイズで低音から高音までバランス良く音を出す事に試行錯誤しています。ボディが大きいと自然とそういう音が出てきます。このサウンドを小さいボディで出すのが課題ですね。
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■Ikko Masada Guitars■
http://masadaguitar.webcrow.jp
政田一光:左は今まで作っていたスタンダードなモデルAです。トップがシトカスプルース、サイドバックがインディアンローズウッドです。
右が初めて作ったサイズのGA(グランドオーディトリアム)です。以前に作ったGAとはシェイプが変わっています。幅が16インチと大きなボディサイズになっています。ミドルサイズのギターはバランスと中高域をコンセプトに作ってますが、バランスは崩さずにそれでは出せない、低音域が出るギターとしてGAを作りました。 |

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■Jack Spira Guitars■
http://www.au-guitars.com/category/1450937.html
関根典子(Jack Spira代理店):日本には2013年11月に初めて入りました。
ジャック・スピラのギターでよく言われるのが5弦、6弦がよく響くということです。ジャックは17才からギター製作をしており、ブレイシングなど内部の材をスプルースやメイプルなどの固い木で作ることによって、低音の響きをよくしながら、高音もうまく響かせています。ネックにはファイバーカーボンを入れており、これによっても高音、低音の両方に特徴が出るようになっています。
-ボディサイズはOMに近いようですが、フィンガースタイル向けなのでしょうか。
関根:そういう訳ではないですね。オーストラリアでは多くのシンガーソングライターが弾き語りで使用しています。日本ではフィンガースタイルの方にうけてますね。 |

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■Kameoka Guitar■
亀岡隆之:2本はドレッドノートのカッタウェイ、ジャーマンスプルーストップにハカランダのサイドバックです。あと、ブレイスがアディロンダックにしてみました。ボディサイズは今までと同じですが、バインディングを太くしたりとか装飾を少し変えています。この2本はブリッジの形状も違います。
もう1本はクラシックギターで、初めて作ってみました。
-構造は通常のクラシックギターを同じでしょうか。
亀岡:そうですね。ハウザーのような感じで、オーソドックスなスタイルです。前々から研究をしていて、鉄弦のために作っているといっていいです。実験の結果が反映しやすいですね。クラシックの方が悪い事をしたら悪い事が出やすい。よい結果が出ればそれを鉄弦に反映します。クラシックも鉄弦も基本的には効率よく鳴らすというのは一緒です。 |

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