■Sakata Guitars■ http://www.sakataguitars.com
坂田久:ドレッドノートはサイドバックが2本ともハカランダで、トップは1本がジャーマンスプルース、もう1本はアディロンダックスプルースです。アディロンはクラレンス・ホワイトモデルですね。ジャーマンスプルースは板厚が3.6mmありまして、その中にいろいろアイデアを入れています。これは僕の一押しですね。 シングルオーサイズのナイロン弦は1900年前後のマーチンのレプリカです。 ナイロン弦からスチール弦に移行する頃のモデルですね。ブレーシングはXブレイシングで、クラシックギターとは全然違います。ナット幅が45mmなので普段スチール弦を弾いている人でも弾きやすいです。今回初めてナイロン弦を作りましたが、非常にエレガントな感じで、見た目も美しくできたと思います。 ギブソンL-OOタイプはXブレイシングで、マーチンタイプとギブソンタイプでブレイシングの構造などを変えていません。サイドバックハカランダモデルで、トップはシトカスプルースですが、このスプルースは内田ギターの内田さんが、30年くらい前から倉庫で自然乾燥させていたものです。タップトーンが全然違っていたので面白いですね。
■SUGITA KENJI Acoustic Guitars■ http://www.sugitakenji.com
杉田健司:今回出展しているのはシトカスプルースとマートルウッドのカレラOOO、ジャーマンスプルースとマダガスカルローズウッドのカレラOM、シトカスプルースとブラックウッドのドルフィン2です。 それぞれに新しくしているところはあり、特にOOOはマートルウッド自体が始めて使用する材です。材が軽く反応が速いですね。マートルウッドはマホガニー系に近いですか。ローズ系の方が人気はあると思いますが(笑)、これはこれで軽やかでいいと思っています。 トップのシトカスプルースはある製作家から譲り受けた材で、その方はこの材をいらないと言われたのですが、僕にとってはすごくいい材なんです。材料に対するそれぞれのアプローチが違うことをものすごく感じました。 内部も少しずつ変更していて、中にセラックで塗っていたのを塗らなくなりました。 カッタウェイは丸かったのですが、少し深くえぐり、手が入りやすく、かつスタイリッシュになったかと思います。 バックは自分で思い描いたものが工程的に案外難しくて、バインディグ、パフリング、センターラインで3日かかってしまいました。立体交差のように見せる柄も面白いかと思ってやってみました。今後こういったバックをやっていきたいと思います。
■SUMI工房■
鷲見英一:今回はOOくらいの楽器を中心に出展しています。その中に間違えて加工してラージホールがあります(笑)。これが一番話題になってますね。 普通の小さいサウンドホールだと一度中に音が入り、少しこもった感じで音が出るのですが、サウンドホールが大きいとダイレクトに音が出て、SJのような感じになります。これが全ての楽器に当てはまるというのではなく、これがたまたまそうなったとは思います。 トップは赤エゾ松が基本で、サイドバックはホンジュラスローズウッド、アフリカンブラックウッド、キルテッドサペリなどがあります。同じボディでもカッタウェイとノンカッタウェイがあるので、比べやすいと思います。
■TODA Guitars■
戸田真次:ギターはフルスケールでボディサイズはOOOくらいのサイズです。 トップはシトカスプルース、サイドバックはハカランダです。うちらしい音になればという王道の材質です。
-ピッコロギターも出展されておりますが、今までも作られていたのでしょうか。
戸田:何本も作ってますね。今はナッシュビルチューニングにしていますが、ギター2人とかウクレレとギターと3人などのアンサンブルの時に、ウクレレやギターと違うニュアンスで音が出るので、市場では他に無いので購入される方がいらっしゃいます。ギターとは別の感覚の楽器という捉え方かもしれません。
-ウクレレが多いですね。
戸田:はい。今は7,8割ウクレレを作ってますね。
■Voyager Guitars■ http://voyagerguitars.tumblr.com
櫻井航:端材で小物を作ってみました。一輪差しは指板の余った材を使っています。ネックの端材などは結構大きいので、こういったものを作ります。 ギターで昔から作っているのはフィンガー系のギターで、ソモギさんなどを参考にしています。トップがジャーマンスプルースト、サイドバックがインディアンローズウッドです。ブレイシングはXブレイシングとラティスブレイシングを組み合わせたもので、とても軽いギターです。軽く鳴らせますが、強く弾いた時につぶれないように調整していて、指で弾いてもピックで弾いてもいけるようにしています。 もう一本はギブソンJ-45スタイルです。弾き語りやブルースロックを演奏する方に向けてます。あまりギブソンぽくしてしまうと1,2弦がぺらぺらになってしまうので、そこは個人製作家らしく、ドンシャリ系ではありますが、1,2弦もしっかり鳴るように作っています。
-ギブソンスタイルは個人の製作家ではあまり作られてないですね。
櫻井:そうですね。ギブソンが作っているか、国産のOEMなんかではあると思いますが、どうしても量産の音ですので、手工ギターの音で作るのが面白いと思いました。見た目はギブソンですが、バインディングが木だったりもします。
■Water Road Guitars■ http://www.waterroad-guitar.com
増田明夫:1本は去年から作り始めた廉価バージョンのLibero Arteです。 欲しいけれども高いと言われるので(笑)、少し安くしようと始めました。 1本はD-Arteで、トップはジャーマン・ムーン・スプルース、サイドバックはハカランダです。ヘッドには増長天のインレイが入ってます。
-ヘッドのインレイは奥様の作品でしょうか。
増田:そうです。今回はひさびさに展示会に出てくれました(笑)。
■Yokoyama Guitars■ http://www.yokoyama-guitar.jp
横山正:今回6本あり、それぞれタイプが異なります。サイドバックでは少し前から使い始めたパドックや、今回初めて使ったアフリカンエボニー、インディアンエボニーなどがあります。
-エボニーはどのような音でしょうか。
横山:重い材なので、やはり重い音ですね。ボディはほとんどARですが、1本SJがあります。SJですが、サイズが小さく厚さも薄めになっています。