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ギタリストインタビュー〜Shohei Toyoda
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ーライブパフォーマンスとして観客が受けているものと、審査員が聴いているものが異なっている感じでしょうか。

豊田:異なっているというか、捉え方が違うという感じです。審査員はきちんと聴いています。というか聴くしかできません(笑)。でも大きなステージに立つと楽曲以外の準備が必要です。大人数の前で弾くにあたり、機材やどういったパフォーマンスがいいかなど。僕自身はそれらを別として考える方がいいのかも、と思いました。僕ら弾き手の本心は審査員にもいいと言われたいし、観客にもOKといわれたい。ただ、どちらもそれぞれの視点があるということです。審査員は虫眼鏡で小さなところまで見ているので、僕らも細かなことを意識します。もう一方でライブになるとどうしても感情が入りますから、演奏を細かいところじゃなく大きくとらえます。要は結果(賞をもらう、もしくはたくさん拍手をもらう)がすぐについてきてほしいなら、別として考えたほうがいいのかもという事です。でも結局のところ別にしたからといって音楽の「クオリティー」やメッセージは変わらないという事だと思います。ただ僕は今回その大きなステージで演奏できたというのは、一番のご褒美でした。ギターやトロフィーをもらうよりも、そのステージで弾かせていただいたことがうれしいです。

ー大きなステージでは、マイクではなくピックアップでいいのでしょうか。
Shohei Toyoda
豊田:はい。でも他の二人はマイクや借りたDIを使ったりしてました。

ーそのステージでの演奏は考えていなかったようですね。

豊田:そうですね。普段パフォーマンスをメインにしている人達ではないですから。いろんな人、ミュージシャンがいるということです。創作やアレンジに集中してうまい人がいれば、ライブパフォーマンスがうまい人もいる。普段からライブをしている人、教えてる人など様々です。こういったいろいろなギタリストが集まるというのがウィンフィールドの醍醐味ですね。その中で審査員が音だけを聴いて審査するというのはフェアなことだと思います。

ー日本のフィンガーピッキング・デイに出場している人達とは随分異なるようですね。日本ではプロ志向の人達が多い気がします。もちろん他の仕事をしながら演奏している人も多いですが、最近の優勝者はほとんどプロ活動をしています。

豊田:そうですね。アメリカの人達は仕事と自由な時間の境目があまり無い気がします。好きな事をやって、皆すごくマイペースだと思います。日本でも不可能なことではないと僕は思っていますが。

ー今後、またウィンフィールドのコンテストに出てみようという気持ちはありますか。

豊田:気持ちはありますが、しばらくはいいかなと思います。こういうギャップが見えた時に、やはり自分はライブがしたいということを改めて思いました。ライブをするために曲を書いたり、そちらの方に真剣に取り組もうと思いました。自分なりに続けていれば、いずれコンテストでもライブのクオリティーでも結果はついてくると思います。来年こそ優勝するぞ!という感じではないです。以前は遠くにある宝物(賞)をつかみたい、つかまなければ注目されないという意識がありましたが、今は外に目を向けるのではなくて、自分が何をしたいかということにフォーカスされるようになりました。その道筋の中にコンテストがあるかもしれませんが、それに向けて、来年のいつまでに新曲作って、といったコンテスト用の活動をしたいのではありません。今はライブがしたい。ライブをするために音楽をしようと思っています。順位をつけてもらうのではなく、常に自分のベストが出せるようにしたいです。

ーコンテストで3位入賞というのは素晴らしいことですが、それ以上に収穫があったようですね。

豊田:僕の中で一番大きな収穫は、自分とコンテストの関係というのがなんだったのかが理解できたことです。これで1位を穫っていたらかっこよかったのですが(笑)。でも自分の目標はクリアできたし、コンテストというのが前よりもわかってきて、自分に集中して弾けた時に結果が出たといったように、いいことが多かったですね。

ー3位はトロフィーとギターがありました。ギターはどのようなものですか。

豊田:ジム・トリッグスさんというカンザスのルシアーが作ったギターです。毎年コンテストでギターを提供している人です。メイプルのギターで、確か川畑トモアキさんも受賞したときに選んでいます。

ーギターは自分で好きなモデルを選ぶのでしょうか。

豊田:1位から順番に選びます。僕のはメイプルの大きなボディで、使えるギターですね。すごくアメリカの音がします。僕が使っているリクティとは生まれた地域も違うから作り手の感覚も違います。もっとドライで泥臭く、ブルーグラス的です。フィンガー用に作ってくれていると思うのですが、僕はフラットピックで使いたくなります。アイリッシュやブルーグラスのバックなんかでいいですね。

ー今後ライブで使うこともありそうですか。

豊田:もちろん使います。参加しているアイリッシュバンドで使おうと思ってますし、少し前のソロライブでも使いました。
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Shohei Toyoda
1985年静岡県生まれ。
4才の時に父の仕事により渡米。高校を卒業するまでオハイオ州コロンバス市で過ごす。
2004年バークリー音楽院に入学。在学中はGuy Van Duser氏からカントリー音楽におけるサム•ピッキングギターを学ぶ。
2011年アメリカケンタッキー州で毎年行われるINTERNATIONAL THUMB-PICKING Contestにて日本人としては初の3部門総合優勝者, GRAND CHAMPIONに選ばれる。
2012年より京都へ移住。
2012年に全国Finger Picking Dayで最優秀賞、アレンジ賞を獲得。
2013年Walnut Valley Festival INTERNATIONAL FINGER-STYLE CONTESTで3位受賞。
ソロ活動をはじめ、バンドやレコーディングでのサポート等、ジャンルの垣根なく全国各地で音楽活動を繰り広げている。

「The Hills Have Ears」
The Hills Have Ears

1. It's ok
2. Blessings
3. Selfish Sindbads (by Keisuke Kuwata)
4. Part Time Lover (by Stevie Wonder)
5. Mr. Li
6. Important Things
7. Westland Groove
8. Treelights








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