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ー今後の活動ですが、ライブが中心のようですがCDリリースなどの予定はありますか。
豊田:年明けに曲作りをしたいと思っています。ライブでやっている曲をもっとレベルアップしたいし、こういう曲をライブで演奏したいとか、何となくのイメージがあるのでそれを明確にしたいです。ライブ活動は少しずつ増やしていきたいです。もっといろいろなところに行きたいです。先日の倉敷のジャズストリートは楽しかったですし、彬博と長崎に行ったり、福島にも行く予定だったりしますが、いろいろなところに行くのは楽しいし、勉強になります。それは僕が中心のライブでなくてもよくて、伴奏だったり、大和田慧ちゃんとの演奏もあったりします。彬博との演奏も来年は増えるでしょうし、幅広くライブ活動をしていきたいですね。自分のポジションとして、人をサポートするというのはしっくりきていて、そこから得えるものも多い。ソロのライブと変わらないんです。
今後ライブするにあたり、曲のスタイル、フォーマットやこういう感情の曲ということがしっかり理解した状態で自信を持って弾きたいです。それは自分が前にいようがいまいが同じだということがわかりました。そういう意味で自分のスタンスを崩さずに、いろいろな音楽に身を委ねていきたいと思います。
ーソロ以外の活動も増えていきそうですね。
豊田:そうですね。ソロでもバックでも楽しいのなら何でもやります。
ーコンテストの後にアメリカ国内で何ヶ所もライブをしていましたね。以前にライブ活動をしていた場所でしょうか。
豊田:オハイオ州、ノースキャロライナ州、ケンタッキー州の3ヶ所でした。オハイオは地元です。ノースカロライナはリクティさんに相談したらステージを用意してくれました。ケンタッキーはサムピッキングコンテストのお祭りがあったので、ゲスト出演させてもらいました。
ー今後もアメリカでのツアーなど行うのでしょうか。
豊田:行きたいです!今回アメリカに行って日本に帰ってきたら、ホームシックになりました。前はアメリカに帰らない覚悟で日本に来たのでそういうことはなかったのですが、やはりのびのびとしていい所だったな、ということを再確認しました。日本に不満がある訳ではないですが(笑)。来年はもし行けるのであればチェット・アトキンスのイベントに行きたいです。ウィンフィールドよりそっちに行きたいです(笑)。
ブルーグラスやアイリッシュよりも、サムピッキング、カントリーを聴いてる方が性に合ってます。
ー日本でのカントリースタイルの人気はどうでしょう。弾いている人はあまり多くないような気がします。
豊田:アメリカでも少なくなっています。年齢層が高く、若手が少ないですね。カントリーというのは地域の民謡みたいなものですから。しかし、トミーが世界中にカントリーを広めた功績は大きいと思います。日本でもなぎら健壱さんとか、探せばうまい人はたくさんいると思います。現地のお祭りでは盛り上がりますが、普段からスポットはあたってない印象です。どうあれ、弾いても聴いてもとても楽しいですよ。
ージャズ、ブルーグラスなど様々なジャンルに精通していますが、一番好きなジャンルはカントリーなんですね。
豊田:サムピッキングは楽しいし、聴いていても落ち着きます。
ー使用しているギターについてお伺いしたいのですが、どのような製作家でしょうか。
豊田:Jay Lichty(http://lichtyguitars.com/)というアメリカの製作家ですが、元々は建築家で家具も作っていました。音楽好きで昔バンドをやっていたようですが、思い立ってギターを作り始めたようです。工房もスタジオも自分で作って、とてもお洒落です。ホームページを見ていただけるとわかりますが、作品がとてもきれいなんです。ギターも木材やデザインなど、家具の視点もあると思います。音はもちろんいいし、木の色なども考慮したデザインです。
ーどのようなきっかけでこのギターを使うことになったのでしょうか。
豊田:マークという高校の同級生がいて、マークの祖父が僕の演奏を聴いてくれたんです。すごく気に入ってもらえて、おじいさんはノースキャロライナに住んでいるんですが、来て演奏してほしいと誘ってくれたんです。おじいさんは老人ホームに住んでるんですが、おじいさんの長男(マークの伯父)がこの老人ホームで働いているんです。このおじさんが僕の演奏を実際に企画、セッティングしてくれたのです。それでたまたま老人ホームの近所に製作家のリクティさんがいるということで、呼んでくれたんです。リクティさんが僕の演奏を気に入ってくれたので、翌日工房に行ってそこにあったギターを全部弾いてみました。その動画がYoutubeにアップされていますね。
日本に帰国する前にこういう人に出会えたのもご縁だし、この人のギターが欲しい、と思って相談したら作ってくれることになりました。2012年に日本に来てからすぐに完成したギターが届きました。形は目立たないと思いますが、材が素晴らしいですね。
ーフィンガースタイル向けでしょうか。
豊田:そうですね。以前はラリビーを使っていたのですが、ネックなどはそれと同じセッティングにしてもらいました。
ー去年FPDで最優秀賞、今年はウィンフィールドで3位となった渉平さんですが、これからコンテストを目指す人達へメッセージをお願いします。
豊田:ふと思ったのですが、コンテストに出る動機ってなんでしょうね。もちろん人それぞれでしょうが、自分が何故コンテストに出たのか考えてみると、彬博がウィンフィールドのコンテストに出てるのを見たということも大きいですが何かを発散したかったんです。フィンガーピッキングのコンテストはフィンガーピッキングが歓迎される場所で、そこで集まってみんなでわーっと楽しむ。それが面白いんです。もちろん賞も意識しますが、でも実際参加して印象に残るのはその楽しさでした。僕がコンテストに出続けて気付いたことですが、周りを気にする事はありません。結果が伴わなくても、自分が納得いく筋書きを用意できて、それを客観的に、冷静に弾けるようになるということだけ準備して、それが本番でイメージ通りできるかできないかです。それが評価される場合も評価されない場合もあります。審査員の好みや時の運など、自分でコントロールできないところもあるので、その結果差をつけられたとしても、自分がやろうとしたことが少しでもできれば、ステップアップにつながる。地味で面倒な作業かもしれませんが、継続して少しずつレベルアップしていくことが大切です。結果は後からついてくるので、自分にしかできないことをおもいっきりやればいいと思います。
【2013年11月9日大阪南港ATCホールにて】
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Shohei Toyoda
1985年静岡県生まれ。
4才の時に父の仕事により渡米。高校を卒業するまでオハイオ州コロンバス市で過ごす。
2004年バークリー音楽院に入学。在学中はGuy Van Duser氏からカントリー音楽におけるサム•ピッキングギターを学ぶ。
2011年アメリカケンタッキー州で毎年行われるINTERNATIONAL THUMB-PICKING Contestにて日本人としては初の3部門総合優勝者, GRAND CHAMPIONに選ばれる。
2012年より京都へ移住。
2012年に全国Finger Picking Dayで最優秀賞、アレンジ賞を獲得。
2013年Walnut Valley Festival INTERNATIONAL FINGER-STYLE CONTESTで3位受賞。
ソロ活動をはじめ、バンドやレコーディングでのサポート等、ジャンルの垣根なく全国各地で音楽活動を繰り広げている。
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「The Hills Have Ears」
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1. It's ok
2. Blessings
3. Selfish Sindbads (by Keisuke Kuwata)
4. Part Time Lover (by Stevie Wonder)
5. Mr. Li
6. Important Things
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8. Treelights
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