【第一回】
アコースティック・ギター・ワールド読者の皆さまこんにちは!ギタリストの伊藤賢一です。
再びコラムを担当させていただくことになり、嬉しく思います。
今までどおり、ゆるゆると、音楽の話題を繰り広げていきたいと思います。
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Pamela Wyn Shannon『Courting Autumn』
パメラ・ウィン・シャノンはどこへ行ってしまったのだろうか?この一枚以降アルバムもリリースしてないようだし、私も久しぶりに棚から取り出してハッとした。
清楚な歌いまわし、自身のギターにリコーダーやストリングスを加えた穏やかなアンサンブル。私のような英国フィメール・ヴォイス好きが試聴機買いする類の音楽である。しかし、フィメールヴォーカルによくある、”妙にスピリチュアルな感じ”になりそうなところで、そこには走らず、あくまで整理されたアンサンブル。その辺
はアメリカ人らしい特徴に感じる。
聴きどころは多いが、一曲目「O Bittersweet Dear Madeline」や「September's Way」でのギターとリコーダーの絡みが美しさの限り。そしてアルバムを聴き進めていくと、ギタープレイの素晴らしさに気づく。なんとその全て
が本人のプレイと思われる。「Pipkin」で全編に効いているリフ的なアルペジオプレイ。こういうのを美しく歌のバックに流すのは難しい。パワーと抑揚を同居させた、すばらしい腕前だと思う。「Vespertine Autumn」も弾き語りプレイの理想
形のひとつと言えるほど見事。
秋の空気が音の隙間に漂う美しいアルバム。
こういうアルバムが手元にあると、素晴らしい時間がひとつ増える。
もう12年新作リリースが無いが・・・彼女の次作を切望する!
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伊藤賢一 http://kenichi-ito.com
1975年東京都新宿区生まれ 1994年 ギター専門学校(財)国際新堀芸術学院入学。
1998年(財)国際新堀芸術学院卒業。以後ソロ活動へ。
2001年フィンガーピッッキングデイ出場、チャレンジ賞獲得。
2001年1stアルバム「String Man」リリース。
2002年2ndアルバム「Slow」リリース。
2007年3rdアルバム「海流」リリース。
2010年4thアルバム「かざぐるま」リリース。
2012年5thアルバム「Tree of Life」リリース。
2013年ライブアルバム「リラ冷え街から」リリース。
2015年初のギターデュオアルバム『LAST TRAP/小川倫生&伊藤賢一』をリリース。
2016年田野崎文(Vo)三好紅( Viora)とのトリオtri tonicaのアルバム「alba」リリース。
2017年6thアルバム「Another Frame」リリース。
2018年三好紅(Viora)とのデュオIndigo Noteのアルバム「Can Sing」リリース。
【2019年6月9日】
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