第60回 この一枚を聴く The Eddie Roberts Quintet「Trenta」
アコースティック・ギター・ワールド読者の皆さまこんにちは!ギタリストの伊藤 賢一です。
今回はファンク・ギタリスト、エディ・ロバーツの名作をご紹介します。
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最高峰ファンクユニットとして名高いニュー・マスターサウンズのリーダーでもあるギタリスト、エディ・ロバーツ。今回は彼のクウィンテット名義でリリースされた名盤「トレンタ」をご紹介します・・・・
とはいえ私自身はファンクというジャンルにはまったく疎く、ただ単に試聴機で聴いて引きこまれて購入したアルバムなのです。こういう出会いは幸せなものですね。
私は普段はアコースティックしか弾きませんが、エレキギターの音も大好物で、どちらかというとシングルコイルのギターの音に惹かれるタイプです。後で知ったのですが、彼の愛器はGibsonのES-330。なるほどやはり。そしてフェンダーのコンボアンプを好んで使うとか。ますますいいですねえ。
この盤を聴いた瞬間の、なんてきれいにギターを鳴らす人なんだ!という衝撃。この印象は今でも変わってません。エディ・ロバーツの奏でる音は、今でもエレキギターの「音色」で最も好きなもののひとつです。
このアルバムは、ニュー・マスターサウンズのようなゴリゴリのファンクサウンドでなく、生のピアノが前面に出たアレンジが多く、エディのギターは裏にまわって気だるく流す時間も多いですが、それもまた趣味が良く、漂うように身を任せるだけで空気が生まれる音楽です。
白眉は「Sto’ Vicino A Te」でのピアノとギターのスリリングな掛け合い。そしてピーノ・ダニエレのカバー「Basta Na Jurnata E Sole」をおしゃれで切ないピアノポップに仕上げたセンス。バッキングに徹したエディのギターが渋いです。
エディ・ロバーツのギター、YouTubeにもたくさん上がっているので、ぜひ見てみてください。
私の好きな曲もひとつ挙げておきます。
The New Mastersounds「MRG」
VIDEO
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伊藤賢一 http://kenichi-ito.com
1975年東京都新宿区生まれ 1994年 ギター専門学校(財)国際新堀芸術学院入学。
1998年(財)国際新堀芸術学院卒業。以後ソロ活動へ。
2001年フィンガーピッッキングデイ出場、チャレンジ賞獲得。
2001年1stアルバム「String Man」リリース。
2002年2ndアルバム「Slow」リリース。
2007年3rdアルバム「海流」リリース。
2010年4thアルバム「かざぐるま」リリース。
2012年5thアルバム「Tree of Life」リリース。
2013年ライブアルバム「リラ冷え街から」リリース。
2015年初のギターデュオアルバム『LAST TRAP/小川倫生&伊藤賢一』をリリース。
2016年田野崎文(Vo)三好紅( Viora)とのトリオtri tonicaのアルバム「alba」リリース。
2017年6thアルバム「Another Frame」リリース。
2018年三好紅(Viora)とのデュオIndigo Noteのアルバム「Can Sing」リリース。
【2024年6月3日】