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伊藤賢一雑感コラム ギター路地裏


第62回 この一枚を聴く Aki「旅人」

アコースティック・ギター・ワールド読者の皆さまこんにちは!ギタリストの伊藤 賢一です。
今回はパーカッション奏者でありピアノ奏者でもある、Aki初のピアノソロアルバムをご紹介します。

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

Akiさんを初めて知ったのは2017年。
京都でのライブでオープニングを務めてくださったのがきっかけです。
彼女のピアノを聴いて「この人はすごく変わった人だなあ」という印象を持ったのを覚えています。
まずピアノなのにピアニズムを感じないこの妙に本質的な感じはなんなんだろう。
「音楽はテクニックではないよ」と言うのは簡単ですが、そんな単純な話ではなく、この、音楽を客席に行き渡らせる説得力はどこからくるのだろう・・・と。結局それはものすごいテクニックでもあるんだよな。と、中途半端な納得をしてその 場は終わりましたが、後日Akiさんが凄腕のパーカッション奏者でもあることを知り、すこしだけ謎が解けた気がしました。

その後、バイオリンの秦進一氏とのデュオ「meri」(メリ)や、私とのデュオユニット「Luna y Alas」(ルナイアラス)など、その他さまざまな演奏活動が活発に なってきたAkiさんですが、このたび満を持してソロアルバムをリリースされました。

素晴らしいアルバムです。
Akiさんの演奏は、フレーズや楽曲構成の向かうところが常に明確で、聴き手は良い意味で予想を上回られながら音楽がどんどん進んでゆくので、リピートせずにはいられないのです。

詳しく説明しますと、 聴き手というものは完全に受け手のようでいて実はそうではなく、無意識に次を予想しながら音楽を聴いているものなのです。これが例えば”奇抜さ”や”エキセントリックな世界観”などで予想を外されると一瞬それまでの想念の行き場がなくなり、次に聴き手がすることは”その音楽を解釈”することになります。
奇抜なものを聴いて頭でっかちになること。これは音楽好きであるほどよく陥る姿です。

Akiさんの演奏は、上記のように聴き手にぶつけるのでなく、「ここに来てくださ い」と呼びかけているような印象を受けます。「良い意味で予想を上回られながら 音楽が進んでゆく」というのはそういう意味で、予想外のフレージングにも不安感が少しも無いまま音楽に導かれてゆく感覚。それが私が最初に感じた「この人はすごく変わった人だなあ」の正体なのかもしれません。

全曲聴きどころですが、特に功刀丈弘氏の圧巻のバイオリンと堂々と渡り合う伴奏が聴ける「Sandy River Belle Reel Set」、珠玉といえるピアノソロ「The Foxhunter」「The Rolling Wave Set」「どんぐりの庭」・・・やはり全部聴 きどころです。

すべての人に強力おすすめ致します。
配信サービスも開始していますので、ぜひアクセスしてみてください。
https://linkco.re/1PggZcGe?lang=ja

 


Aki「旅人」


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伊藤賢一 http://kenichi-ito.com

1975年東京都新宿区生まれ 1994年 ギター専門学校(財)国際新堀芸術学院入学。
1998年(財)国際新堀芸術学院卒業。以後ソロ活動へ。
2001年フィンガーピッッキングデイ出場、チャレンジ賞獲得。
2001年1stアルバム「String Man」リリース。
2002年2ndアルバム「Slow」リリース。
2007年3rdアルバム「海流」リリース。
2010年4thアルバム「かざぐるま」リリース。
2012年5thアルバム「Tree of Life」リリース。
2013年ライブアルバム「リラ冷え街から」リリース。
2015年初のギターデュオアルバム『LAST TRAP/小川倫生&伊藤賢一』をリリース。
2016年田野崎文(Vo)三好紅( Viora)とのトリオtri tonicaのアルバム「alba」リリース。
2017年6thアルバム「Another Frame」リリース。
2018年三好紅(Viora)とのデュオIndigo Noteのアルバム「Can Sing」リリース。

伊藤賢一

【2024年8月1日】

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