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伊藤賢一雑感コラム ギター路地裏


ギター路地裏 第84回
アコースティック・ギター・ワールド読者の皆さまこんにちは!ギタリストの伊藤賢一です。
近年巷で流行っているTier Rist。手始めにビートルズのアルバムで作ってみました。

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

ビートルズにハマりまくって42年。
今でも聴く量は衰えず、昨年最も聴いた楽曲は「Old Brown Shoe」というわたくし。
巷ではやりのTier Ristを作ってみました。

ビートルズ

同列にある場合は、左側にある方が順位が上となっています。
そしてここが重要ですが、リリース時にモノラルで録音されたアルバムは、モノラル盤を基準としています。(「Abbey Road」と「Let It Be」のみステレオ盤)「Magical Mystery Tour」も、本来ならモノラルEP盤で選考したいのですが、2009年リリースのモノボックスではアルバムの体でモノラルを聴けるので、広くアルバムで聴かれている現状を鑑みそちらを採用しました。

『S』
私にとって最高峰はホワイトアルバムとアビーロードです。どちらか一択ならばホワイトアルバム。
私にとってビートルズらしさとは何かと問われたら、4人の存在感、ありよう、という言葉になります。
それが音楽、演奏、作曲によって存分にあらわされているのが、この2枚だと感じます。
それに加えて演奏が上手い。楽器の音が良い。ハーモニーも円熟の極み。
あと私にとっては、やはりジョージが覚醒してこそのビートルズなんですよね。

『A』
ここの3枚も、ロックのオールタイム・ベストになり得る名作。
「Sgt.」は、「4人の存在感」という観点から見ると、ポールの存在感が明らかに強めですね。
「ラバーソウル」と「リボルバー」に関しては時期的に最も4人のバランスが良いですが、演奏やサウンドの面で『S』の2作には劣るかなという感じ。「リボルバー」のB面の楽曲群は、ビートルズ全ての「面」の中でも最強の一角だと思いますが、同時にアコースティックギターのサウンドが聴こえてこない唯一の「面」でもあります。
ここまでの5枚で『S』としても不思議ではありません。

『B』
マジカル・ミステリー・ツアーは、アメリカで編集されたコンピ盤で、B面は当時のシングル作がそのまま収録されているのでその点面白くありません。名曲ばかり並んでも打線にはならんのです。オリジナルのEPのままだったら『A』だったと思います。「アイ・アム・ザ・ウォルラス」の影響はでかいです。初期の勢いがもっとも出た「ア・ハード・デイズ・ナイト」は、ジョンの才気が爆発するさまが恐ろしいほど。「レット・イット・ビー」は楽曲の力は最高ですが、ライブ演奏をパッケージするというコンセプトが少し見え透いていて(掛け声や、捨て曲をあえて使う、等)、私は後年に出た「レット・イット・ビー・ネイキッド」の方が好みです。まあ実際にはけっこう編集されて素のまま(ネイキッド)ではなかったんですけど・・・楽曲の良さを素直に楽しむ時はネイキッドがおすすめです。

『C』
大名曲とそうでない曲の格差が激しい「Help!」は、モノラルで真価がわかる作品です。楽曲が弱めでも、モノラルのサウンドはタイトでとてもロックしてます。デビュー作「プリーズ・プリーズ・ミー」はやはり名盤。たった1日の実況見聞としても十分楽しめる内容です。このアルバムでカバーされた楽曲を聴くと、ビートルズはロックアイコンよりもソングライターとしての意識が強かったことがわかります。「フォー・セール」も好きな作品です。ギブソン
J-160Eのサウンドが実によく録れた1枚。

『D』
この位置に、B面すべてがストリングによるサントラになっている「イエロー・サブマリン」が来るのはいたし方ないところ。
「ウィズ・ザ・ビートルズ」がここの位置なのは、個人的にボーカルのダブルトラックがあまり好きじゃないんですよね。「ア・ハード・デイズ・ナイト」ではダブルトラックを使っていても、バンドサウンドの押し引きに工夫があるので気になりません。
「ウィズ・ザ・ビートルズ」のような直線的なギターバンドのサウンドだとちょっと飽きるな・・と。自然と手が伸びないアルバムです。

以上、私のビートルズTier Ristでした。
みなさんもやってみましょう~





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伊藤賢一 http://kenichi-ito.com

1975年東京都新宿区生まれ 1994年 ギター専門学校(財)国際新堀芸術学院入
学。
1998年(財)国際新堀芸術学院卒業。以後ソロ活動へ。
2001年フィンガーピッッキングデイ出場、チャレンジ賞獲得。
2001年1stアルバム「String Man」リリース。
2002年2ndアルバム「Slow」リリース。
2007年3rdアルバム「海流」リリース。
2010年4thアルバム「かざぐるま」リリース。
2012年5thアルバム「Tree of Life」リリース。
2013年ライブアルバム「リラ冷え街から」リリース。
2015年初のギターデュオアルバム『LAST TRAP/小川倫生&伊藤賢一』をリリー
ス。
2016年田野崎文(Vo)三好紅( Viora)とのトリオtri tonicaのアルバム「alba」リリ
ース。
2017年6thアルバム「Another Frame」リリース。
2018年三好紅(Viora)とのデュオIndigo Noteのアルバム「Can Sing」リリース。
2020年Indigo Noteの2ndアルバム「Long Way」リリース。
2021年7thアルバム「Little Letter」リリース。
2023年ピアノ&パーカッション奏者AkiとのデュオLuna y Alas結成。
2024年Indigo Noteの3rdアルバム「Lively Garden」リリース。
2025年Aki作曲のギター曲「The Pearl」リリース。
ライブ本数は累計1500を超え、現在も常に日本全国で演奏活動を展開中。




【2026/6/3】
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