
ギター路地裏 第85回
アコースティック・ギター・ワールド読者の皆さまこんにちは!ギタリストの伊藤賢一です。
私のメインギターである、Ken Oya(大屋建)について書いてみます。
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大屋建さんのギターと出会ったのは2005年。
モデルJのプロトタイプ(2004年製)#22でした。このギターは各ギター雑誌のギター工房特集などでも取り上げられており、なんとなく大屋ギターの存在は知っていた、そんな時の出会いでした。
弾いてみて驚いたのが音程の正確さ。
少なくとも、正確に感じることができる。
私は当時、全体のおおらかな響きよりも各音の存在感を強く求めていたので(今でも変わってませんが、当時はよりその傾向がありました)、この世界観はまさに求めていたものでした。
「世の中にはすごいギターがあるものだ。こういうの作る人は一体どういう人なんだろう・・」
その2日後、楽器店で奇跡的に在庫してあった大屋ギター#9を見つけ、お金も無いのに即購入。これが私の1本目となる大屋ギターでした。このギターを持って伊那の工房を訪ねたのが2006年4月ごろ。そこから現在に続く、大屋建さんとの楽しい時間が始まりました。
その後改めてオーダーしたのが、私のメインギター、モデルJ#35です。
オーダーの際のリクエストは、倍音よりも基音が主張するギター、平均的に90点のアベレージは求めないので良い時は120点、悪い弾き方をしたら30点になるギター、といったものでした。それに加え、最初の出会いであったプロトタイプ#22と基本的に同じようにしてほしい。とも伝えました。
しかし出来上がってきたギターは、#22とはまったく性格の違うギターでした。
おそらく私のリクエストを実現するためには、プロトタイプそのままではなく、新しいアプローチが必要という判断だったのだと思われます。
#35は以降メインギターとして、数々の修羅場を共にくぐり抜けてきました。
ステージで弾き込むごとに音もどんどん変化してきました。特に私はピックアップを用いないので、非常にストレスなく素直に響きが増してきました。
そんな私の元に、2026年6月、巡り巡って最初に弾いた大屋ギター#22がやってきました。
縁を感じずにはいられない出来事でした。
#35と並べて比較すると、大屋さんの意図がとても伝わる気がします。
この2本、弾いて比較すると誰もがその違いに気づきます。
そして、#35の方が格段に広く豊かな世界を持つと感じるはずです。
プロトタイプであった#22では実現していない世界を確実に備えている#35を再認識します。
しかし#22には、1音で殺される凄みのような世界があり、これは他のどのギターでも得難い魅力です。
ファーストインプレッションの衝撃はそのまま、弾き込みによって
今後どんどん熟成していくことでしょう。
とりあえず今年のツアーの多くは#22を出動させようと思っています。
各地の皆様、ご期待ください!
↓左 #35 右 #22

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伊藤賢一 http://kenichi-ito.com
1975年東京都新宿区生まれ 1994年 ギター専門学校(財)国際新堀芸術学院入
学。
1998年(財)国際新堀芸術学院卒業。以後ソロ活動へ。
2001年フィンガーピッッキングデイ出場、チャレンジ賞獲得。
2001年1stアルバム「String Man」リリース。
2002年2ndアルバム「Slow」リリース。
2007年3rdアルバム「海流」リリース。
2010年4thアルバム「かざぐるま」リリース。
2012年5thアルバム「Tree of Life」リリース。
2013年ライブアルバム「リラ冷え街から」リリース。
2015年初のギターデュオアルバム『LAST TRAP/小川倫生&伊藤賢一』をリリー
ス。
2016年田野崎文(Vo)三好紅( Viora)とのトリオtri tonicaのアルバム「alba」リリ
ース。
2017年6thアルバム「Another Frame」リリース。
2018年三好紅(Viora)とのデュオIndigo Noteのアルバム「Can Sing」リリース。
2020年Indigo Noteの2ndアルバム「Long Way」リリース。
2021年7thアルバム「Little Letter」リリース。
2023年ピアノ&パーカッション奏者AkiとのデュオLuna y Alas結成。
2024年Indigo Noteの3rdアルバム「Lively Garden」リリース。
2025年Aki作曲のギター曲「The Pearl」リリース。
ライブ本数は累計1500を超え、現在も常に日本全国で演奏活動を展開中。

【2026/7/3】 |